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【読書感想文】僕の人生には事件が起きない

昨日、お笑いコンビ”ハライチ”の岩井勇気さんが書いた「僕の人生には事件が起きない」を読みました。


この本を読んだきっかけ

1年くらい前に、Amazonのおすすめに表示されサンプルを試し読みしました。
サンプルなので全体のほんの一部ですが、この人の文章すごく面白いな、と感じたのを覚えています。

ただその時は、
「読み放題の対象(Amazon Kindle Unlimited)じゃないし、もっと他に読みたい実用書やビジネス書も溜まっているし」
と、とりあえずAmzonの欲しいものリストに追加し、いつか読もうかな程度に思っていました。

私の中で、”ハライチ”は「テレビで見たことあるけど、ファンではない。」カテゴリーに分類されており、特段興味が湧くというわけでもありません。

そんな感じで、Amazonほしいものリストに追加したままほぼ忘れかけていたところ、先週友達とのランチで”ハライチ”の話がでてきました。

「ハライチのラジオ、”ハライチのターン”がすごく面白い」と。

そうなのか。ハライチというコンビはやっぱり面白いのか。たしかに試し読みをした時の文章も面白かった。

第三者から「面白い」という話を聞き、「やっぱり気になる」という思いがムクムクと湧いてきて、次の日には本を購入していました。

彼の人生には事件が起きない

この本の魅力は、タイトル通り「事件が起きない彼の日常」を綴っているところ。

お笑い芸人をやっているが、生活をする上で変わったことなどほとんどない。(中略)誰しも思ったより地味な生活を送っているのだ。

岩井勇気『僕の人生には事件が起きない』

お笑い芸人だからといって、テレビで話せるような面白い大事件が日常で起こるわけではなく(彼はそんなのは逆に御免だ、とあとがきで話しています。)

彼も私たちと同じように、家具を買ってみたり、タクシーに乗ってみたり、何かにハマってみたり、普通の生活を送っているようで、この本ではそんな彼の日常を綴っています。

平凡な日常なのに、おもしろい。

突拍子のないことが起こるわけでもない、変わった友人・親戚がいるわけでもない、ただ彼の「普通の日常」を綴っているこの本を、私は一気に読み進めていました。

彼がこの本で話しているのは、棚を買ったら組み立てが大変だった、庭に生えていた木が枯れた、あんかけラーメンのスープにハマっている、などなど。

私たちにも同じような体験があったり、または遭遇する可能性があったりするエピソードばかり。なのに、彼が文章にすると、そんな日常の些細な出来事がとても面白く感じるから不思議です。

冒頭にも話しましたが、私は特にハライチのファンでもなければ、岩井さんを特別応援しているわけでもなく、彼がどんなキャラクターかを知らずに本を読み、そして彼の文章のセンスに魅了されました。

なんでおもしろいのか分からない

なんでこんなに文章が面白いんだろう?
細かく状況を書いているから?
事実にほどよく彼の”気持ち”をのせているから?
そもそも着眼点が面白いから?

「すごく面白かった。でもなんで面白いのかが分からない」
それが私のこの本を読んだ感想です。

正確に言うと、「普通の日常を、どうしたらこんな風に面白く書けるのかが分からない」ですね。

何度も言いますが、彼が書いているのは私の人生にも起きそうな「普段の日常」。
私だったら「IKEAで家具頼んだんだけど、組み立てがすごく大変で地獄だった。」なんて一言で話してしまいそうな内容が、彼は読者がついつい読み進めてしまう1000文字程度の面白い文章にしてしまいます。

さすがお笑い芸人。
話が上手な人は、書くのも上手、ということなんでしょうか。

いいな、と思ったあとがき

この本で綴られている彼のエピソードひとつひとつが、どれも面白かったのですが、私が特に「好きだな」と思ったのがあとがきです。

ここで話したいですが、私が書いてしまうとこれから読む人の楽しみが台無しになってしまうのでやめておきます。ぜひ、機会があれば読んでみてほしいです。

私もこんな魅力的な文章が書ける人間になりたいな、と思いながら今日はこのへんで。
今日は彼の2作目「どうやら僕の日常生活は間違っている」を読もうと思います。


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