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マエストロの存在


昨日、私の所属オケが、とあるテレビに出演させて頂き、私もちょこっと映っていました。

芸能人の方が指揮をする音楽会、という括りで、実際お客さまを入れて、実際のコンサートホールで、実際の演奏会のようなシチュエーションで収録されました。


その番組をご覧になった方のツイートを少し拝見。(これってエゴサになるのかしら笑)


いろんなご意見拝見しましたが、その中に、
「演奏家は指揮者を見ていないんだなぁ」
という、驚きのツイートがありました。
ひぇぇ。。。


そんな風に見えたのかぁ。どれどれ。
実際私も放送観ましたが、、、

ふむふむ、なるほど。これは指揮者を見ていないように見えるのね、と確認ののち、自分の経験に基づいた私なりの意見をちょこっと語ろうかなぁと、久々にnote開いてみました。


あくまで、

個人的な意見

なので、あんまり深くは感じ取らないでください(笑)
あと、プロの音楽家の方にとっては、あったり前の事を言うだけなので、あんまり読まないでください(笑笑)

音楽家ではない一般の方で、あの風景を見て"演奏家は指揮を見ていない"と感じた、そんなような方に、伝授出来たらなぁと。


まず、結論ですが、

演奏家は常に指揮を見ています

はい、もちろん見ています。

おそらくテレビをご覧になった方は、
演奏家はずっっと【楽譜】をガン見
してるように見えるでしょう。


でも、演奏家は必ず指揮者を視界の中に見えるように、譜面台等をセッティングしますね。


私なんかは、まず何よりも譜面台の高さにとても神経質になります。
実際は、楽譜を見ながらこの辺りにマエストロの動きが常に見えるようセッティングします。

同じように、コンマスもこの譜面台の上部に見えるようにセッティングするのは、言うまでもありません。


だから、指揮者と目が合わなくても、
演奏家はずっと指揮者を視界に入れて見ているんですよ
というのをお伝えしたく存じます🙇‍♀️


昨日の芸能人指揮者(番組のMCの超有名芸能人)の方々は、とても個性的で、でもちゃんとこちらに色々なものを伝える指揮をなさってました。


テンポとか、タイミングで多少ハラハラする部分はあったにせよ、そこはオケ全員がありとあらゆる瞬間を感じ取って演奏していました🙆‍♀️


どちらかというと、笑いを堪える方が大変だったかも(笑)


そのくらい、こちらが笑顔になる指揮をなさってて、個人的には、とても楽しいマエストロ達だったなぁと。


仮にですよ、もしも演奏家は全然指揮見てないんだな〜だったら、もっと全然違う演奏になっていたと思います。


あの曲はもっとテンポ速くしていっただろうし、あの曲はもっと指揮と全然一致しない演奏にもなってたでしょう。全く指揮を見ずに演奏していたら、ね。


少なくとも、昨日の我々オーケストラは、マエストロをしっかり見て、色々な部分を感じ取りながら演奏していました。他の団員さん達もそうなんじゃないかなぁと。


今回の事で、私自身「指揮者」という存在を、改めて考えるきっかけになりました。


この仕事を始めて約20年、本当に沢山のマエストロと様々な演奏をさせて頂いてきました。

その中には、世界的に有名な巨匠も何人もいます。音大で指揮を専攻する学生さんとも演奏しましたし、指揮者体験で小さなお子様マエストロと演奏した事も。


(昨日の番組でも少しコメントがありましたが)
全く動かないマエストロもいましたし、昨日のパッション溢れる指揮者のように、感情を曝け出して熱く指揮をするマエストロもいました。

シンフォニー、オペラ、バレエ、映画音楽、アニメ・ゲーム音楽、歌曲、などなど。。。
それぞれ振り方も求められる指揮も違うんだろうなぁと思うと、本当に指揮って奥が深くて難しいんだと、改めて思います。


よく、演奏家をやりながら指揮業もやっている方がいますが、私はぜっったい無理!!
やりたいと思った事もありません、出来なさそう過ぎて。ムリムリムリムリムリ。。。


これも"私はそう思う"ってだけです。
まぁ、要するに私は演奏している方が好きなんですよね😝


前に立つマエストロが、音楽を表現する指揮を見ながら、自分が受け持つ音の一つ一つを並べながら、一緒に音楽を作る。そして曲を完成させる。


そんな事を改めて意識しながら、また演奏活動を楽しく続けていこうと思います✨

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