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A様邸の進捗状況から見る作庭の進め方 #0103

前回の内容踏まえ、現在進めている個人邸(A様邸)のこれまでの経緯を振り返ってみようと思います。
7割方までできてきたかなーという感じですが、どんな感じで進めているのか、より具体的に見えるかな??

現在、進捗7割程度

フラットな空き地を庭に変えていく

ご相談を頂いたのは昨年の5月。ちょうど出店していたイベントでお声がけいただきました。安定の口コミですw
そこからお伺いし、何度か打ち合わせを重ねました。新築から数年たち、ちょうど1月にご出産予定とのことで、そこに合わせてのお話でした。

ご希望をお伺いすると、ご夫婦でそれぞれやりたい方針があり、それぞれをお伺いした上でプランを考えることに。ご主人はお仕事の傍ら音楽関係の活動もされていたり、奥さんは地元の有名な飲食店で働かれていたり、家の内装もこだわった造りだったので、その辺りも踏まえてプランを考えます。

現場はよく新築にありがちなフラットな造成地。ここを過ごしやすいように変えていくのが今回のミッションです!

元々はこんな様子

イメージは作りすぎず、想像に委ねる

条件は、①ゆくゆくはロックガーデン風にしたい、②モミジを入れたい、③芝のスペースを、この辺りは必要そうでした。プラスして、家からの目隠しになるように、ということだったので、その辺りも考えながら植栽案を考えました。

お話を踏まえて、ざっくりした案を考えます。
絵を描かないとなかなかイメージしてもらうのが難しいので当然絵には起こすのですが、ここでポイントとして考えているのは、絵にしすぎない、ということです。

絵にしすぎない、というのはあまりにも絵が良すぎるとイメージギャップがありすぎるため、良い絵にしすぎない、という感じでしょうか。
逆に少し情報量を落とした方が相手はイメージを膨らませやすく、かつ双方に想像の余白を残すことで、「現実の方がより良かった」になると思います。また、実際には植物を置きながらレイアウトを変更していくこともあるので、ビチビチに決めすぎないほうが、現実に合わせて変えていける感覚があります。

当初案。あまりブレはなさそうな感じですな。

そもそも、「絵ではイメージしづらい」という人も割といるので、そのような場合は図面中心で見せる、他の庭の写真で見せる、言葉で伝える、あるいは「言い過ぎない」という部分も駆使していきます。

ワタクシは喋りすぎてしまう傾向があるので「言い過ぎない」ことは注意しております。

既存の植栽も活かすのが面白い

今回は新築のお庭だったので、全く新規に入れる木がほとんどでしたが、既存の樹木がある場合は、既存の樹木との組み合わせを考えます。

和風の庭には洋風の木を組み合わせると、印象が一新されて面白いです。特に暗めの葉の樹木が多い庭ではシルバー系の木を合わせる、とか大きなアガベを置いてみる、とか、違う文脈の樹木を入れると葉のコントラストが際立ちます。
逆に洋風の庭には、例えば自然樹形の松を入れてみると質感が多様になったりします。この辺り、色や質感を工夫すると一気に見栄えが変わるので、ぜひ試してみると面白いと思います。

もちろん、それぞれの生態の特徴を考えた上で植えることが原則ですけどね!

こういうのを入れても面白い

庭は土木が7割w

さて。で、雪が溶けた3月くらいに再度訪問してイメージの確認。変更事項などがあれば、この時に再度確認します。

また排水と土質も再度確認します。
今まで何度か書いているように、新築の庭はコンクリートを打つことを前提とした再生砕石を入れていることが多いため、土質が劣悪であることが多いです。土をどのくらい入れる必要があるか、この時点でざっくり計算しますが、大体見積より多めに必要になります。今回の現場だと、2トンダンプで2回分くらいは必要。

ダンプで2回

また、水が溜まりやすいなど不具合がある場合は、コルゲート管を入れるなどして、排水の工夫もします。今回の現場は浸透しやすい土質ではあったので、特に排水については考慮しませんでした。

あとはとにかく穴掘りと土の移動。築山(土で山を作ること)して起伏を作ったり、大きな木を入れるために穴を掘ったり。石を入れたり塀を作ったり。とにかく土木作業が7割以上ですw

穴掘る。人口造成地は固い、、。

木を入れるのはやっぱり楽しい

ある程度基礎的な作業が進んだところで、4月終わりから5月くらいにかけて樹木を入れていきます。いくつかの現場の作庭と、春のメンテナンスも並行して進めるので、現場管理が非常に非常に難しいところではあります。

ですが、木を入れるのはやっぱり楽しい作業ですねー。
A様邸では、植栽範囲がそれほど広くなかったので、主軸の木(ご要望のモミジ)を決めて、そこから展開していくようにしました。

モミジを入れます。ラピュタ?笑

主軸のモミジを入れた後に、常緑の木を入れて配色のバランスを見ます。寒冷地だと、常緑のオプションが少なくて迷うのですが、今回は山で採ってきたアオキを入れてみました。花物が少ないので、足元に花物かつカラーリーフのアメリカテマリシモツケ、コバノスイナ、ユーフォルビアと既存木のドウダン、それからロックガーデンを趣向するご主人のイメージで、ユッカロストラーダとユッカバリエガータを入れます。

また、デッキの反対側には軽い色合いのシマグミとトサミズキ、ディアネラブルーストリームを入れました。

5/2 時点の様子。まだもう少し変化があると思いますよ!

今時点ではこんなところですね。
ここにナンテン、ユッカとグラス系、宿根草を少し入れて、石を置き、あとは芝を張れば概ね完成、といった感じでしょうか。

全体レイアウトは成長を見越して考えますが、難しい反面とても面白い作業ですねー。完成引き渡しまでが楽しみです!

ではでは!

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