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ひとり秋

遠くのカフェにノートパソコンを持ち込んで作業をしたら、思いのほかはかどった。店内が混雑してきたので今日のところは切り上げることにして、電車に乗る。

天気がいい。ゴールデンウィークらしく、乗客たちのテンションがどことなく高い。車窓から見える緑もいきいきとしている。乗り換え駅でデパートに寄り、服を眺める。

自分のクローゼットの中に何があるのか忘れてしまったので、今日は何も買わないけれど、惹かれた服を頭の中で組み合わせてみる。店の姿見に映った自分が視界に入り、ドキッとした。

もうすっかり、街の様子は初夏に向かっているというのに、私だけ別の季節にいるようなのだ。今日のような気候にはちょうどいいと思って着てきたワンピースが、色も新感も"秋"なのである。

つい先日、「衣替えしなきゃ」とこのnoteに書いたのに、全くしていない。衣替えというのはエネルギーが必要なのだ。エネルギーの要素には、体力はもちろん、気力(気が向くかどうか)も含まれる。

季節に取り残されず、前もって日にちを決めて衣替えをするのが、きっと、「ちゃんとした大人」であり「ちゃんとしたオシャレ」なのだろう。改めてそう考えると、私にはどちらにもなれる気がしない。

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