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「安倍擁護」有田芳生が懲りずに「統一教会はモンスターでは無い!」と下ネタ混じりで家庭連合の政治力を“過小評価”

 元参議院経済産業委員長の有田芳生氏が過去に安倍晋三元首相と統一教会の関係を過小評価していたことは既に述べたが、私がそのことをnoteで指摘した後も懲りずに家庭連合(旧統一教会)の政治力を過小評価するツイートをしていた。
 有田芳生氏による安倍元首相擁護の問題点は以下の記事で触れている。

 同じ党の仲間である私をブロックしている有田芳生氏は、私からの批判など一ミリも読んでいないのであろう。
 懲りずに下ネタ混じりに「統一教会はモンスターではない!」とツイートしだした。

 「ディープスロート」とは聞き慣れない言葉である。陰謀論者が良く使う「ディープステート」の同類かと思って検索すると、グーグルでヒットしたのはアダルトサイトと有田芳生氏のツイートだけであった。

「ディープスロート」での検索結果(※性的な単語が出てきているので一部加工しています)

 何の隠語かは判らないが、このような深刻な問題で下ネタ混じりのツイートをする時点で彼の人間性が判るというものである。
 しかも、その内容がまた問題だ。
 彼は「統一教会が日本政治のモンスターかのような内容」について「過大評価です」と述べている。
 過大評価なものか。実際には統一教会と密接な関係にある安倍政権下で、既に第一次内閣の時点(2006年)から公安調査庁が「特異集団」(カルト)を重点監視対象から外すと言ったことが行われていた。
 その時、有田芳生氏は安倍晋三氏が統一教会関連団体に祝電を送ったことについて「結婚式や葬式への電報とほとんど同じ水準の判断」「安倍氏が、自らの判断であえてこの時期に統一教会系の集会に祝電を打つことはない」等と言って擁護していたのである。
 平成17年(西暦2005年、皇暦2665年)1月発行の公安調査庁の白書である『内外情勢の回顧と展望』にはこう記されていた。

〈地震,異常気象などによる不安や不透明な朝鮮半島情勢などに乗じて会員を拡大〉

 会員数100万人を達成したとする集団が,「自派の宗祖に帰依しなければ日本は滅びる」とする冊子を作成し,4月以降,これを各界関係者らに一方的に送付したほか,勧誘活動の一環として,全国規模での配布を実施した。同集団は,こうした活動を展開する中で,相次ぐ異常気象や地震による災害などを亡国の予兆ととらえ,「いよいよ亡国の大難が起こる時を迎えている」などと不安感をあおりながら勧誘活動を更に活発化させた。
 また,不透明な朝鮮半島情勢を背景に,「国内外の韓民族の和合と統一を図り,南北の平和統一に貢献する」として,我が国において,在日韓国・朝鮮人の糾合を目的とする新組織を設立し,これら在日関係者を取り込むことで勢力拡大を図る動きをみせた集団もあった。
 このほか,特異集団の多くは,独自の教義・理念に基づき,様々な主張を展開しており,クローン人間の実現を公言している集団が,日本国内に拠点施設を建設するとして会員にカンパを呼び掛けたり,各地を移動して注目を集めた白装束集団が,離散した会員の再結集を図るとして改めて“日本の壊滅”を予言する動きもみられた。
 こうした特異集団は,危機感や不安感をあおった上で,勢力拡大を図っており,その特異な言動には,引き続き注目を要する。

平成17年「内外情勢の回顧と展望」
太字の丸数字は引用者

 ここでは各教団が名指しはされていないものの、どの集団か、少しでも宗教関係者には判るように記されている。
 まず①は日蓮正宗の分派である顕正会であり、③は宇宙人の教えなるものを進行する堕胎推進派の新興宗教であるラエリアンであり、④はアザラシのタマちゃんで有名になったパナウェーブ研究所のことである。
 そして、この三教団と並んで紹介されている②が統一教会である。
 ここで公安調査庁が指摘している「国内外の韓民族の和合と統一を図り,南北の平和統一に貢献する」として設立された組織とは、統一教会の関連団体である平和統一連合である。
 同団体の公式サイトにはまさに「韓民族の和合と統一を図り,南北の平和統一に貢献する」団体である旨の記載がある。

2014年7月4日午後、韓民族の和合と統一を図り、南北の平和的統一に貢献することを目指す「平和統一聯合」の創設10 周年記念大会が、東京・日比谷公園大音楽堂で開催され、小雨の降りしきる天候にもかかわらず、約3000人が集まった。

平和統一連合「創設10周年記念大会」
太字は引用者

 同団体は統一教会初代総裁である文鮮明氏を「救世主」であると公式サイトに明記している。

神様は文鮮明先生を救世主であり、メシア、再臨主である真の父母として送られ、その中心使命を果たすようにされました。これに対して霊界にいる4大聖人たちも地上の霊媒を通して証拠を送ってくれています。韓民族が召命的責任を全うすれば、世界の真の愛と平和の中心になります。ですから、神様が韓民族を愛されるのは韓民族の為だけではないということです。韓民族が世界の為に生きるとき、初めて神様が準備された祝福が結実するのです。

平和統一連合「創設大会メッセージ」

 ここでは「神様が韓民族を愛される」と明記され、山上徹也容疑者が家庭連合を批判する理由の一つとした「自国中心主義」が露骨に示されている

 「日本民族中心主義」のネトウヨが「韓民族中心主義」の家庭連合の支援を受けている自民党を支持しているのは盛大な皮肉であろう。
 さて、公安調査庁が統一教会と並べている顕正会やラエリアン、パナウェーブ研究所はいずれも社会的な問題を引き起こしている集団である。
 顕正会は「日蓮本仏論」や「神祇不拝(神社参拝拒否)」を教義としている日蓮正宗の分派で、日蓮正宗や創価学会と教義はほぼ一緒であるが、過激さは彼ら以上である。何しろ政教分離原則に違反する国立戒壇設置を強硬に求めている団体であり、他宗教への誹謗中傷も激しい。
 もっとも、顕正会の信仰は創価学会とは比べ物にならないぐらい純粋である。純粋過ぎて世俗の価値観を受け入れることが出来なくなっている団体である、と言えようか。
 ラエリアンは堕胎の推進やクローン人間の誕生など生命軽視活動を展開している集団であり、パナウェーブ研究所は傷害致死容疑での逮捕者を出している集団である。
 第一次安倍内閣が出来る直前の平成18年(西暦2006年、皇暦2666年)1月発行の『内外情勢の回顧と展望』では次のように記されていた。

 特異集団は,社会通念とかけ離れた主義・主張を掲げ,平成17年中も,これに基づいた特異な活動を展開した。
 「かつて首都圏での大地震を予言し,これに乗じたクーデター計画を目論んでいた」などと報道された集団は,一連の報道を機に,会員を対象とする儀式をマスコミ関係者に公開する一方,クーデター計画については「会員に覚悟を持たせるためで,実現の見込みはなかった」旨主張してこれを打ち消す動きをみせたが,6月には,同集団の関連会社運営をめぐり,社員に給与の一部を返還させる手口で資金を不正捻出したとして,3年間で1億3,000万円の申告漏れが指摘され,約3,600万円が追徴課税される事案が発覚した。
 また,10年以内に300万人会員の達成を目標とする集団が,相次ぐ自然災害をとらえて「巨大地震・異常気象は大闘争の前兆」などと恐怖心をあおり,「男子精鋭十万の結集で亡国日本を救わん」と訴えて布教を呼び掛けたほか,大学生などの若年層を対象として,執拗な勧誘を展開し,監禁容疑で逮捕され関連施設などが家宅捜索される事件(7月)を引き起こすなど,社会との軋れきを顕在化させる動きもみられた。
 このほか,「朝鮮半島の統一」を標榜して,我が国で在日韓国・朝鮮人を糾合する新組織への結集を目指し,これら在日関係者を韓国の大会に参加させるなどして,在日組織との間で軋れきを生じさせるといった動きを示す集団もあった。
 こうした特異集団は,引き続き,独自の主義・主張の具現化に向け,危機感や不安感をあおって勢力拡大を図っており,その過程で不法事案を引き起こすことも懸念される。

平成18年「内外情勢の回顧と展望」
太字の丸数字は引用者

 ここではラエリアンとパナウェーブ研究所の記述は削除されているが、顕正会から逮捕者が出たことが記され、またクーデター計画を練っていたとされる陰謀論カルト「ザイン」が大規模な脱税を行っていたことも記されている。
 こうした犯罪集団と同列に統一教会が記されているのは、彼らが過去に行っていた行為には裁判で不法行為と認定されたものもある他、教祖の文鮮明氏自身がアメリカで実刑判決を受けていたことも影響しているのだろう。
 ところが、第一次安倍政権が出来て以降は『内外情勢の回顧と展望』から特異集団の項目自体が消滅し、当然統一教会への記述もなくなった。
 これはあくまでも表に出ている話である。
 裏で公安調査庁に統一教会への調査に関する圧力があったことは私自身も聞いているところであり、恐らく政治活動家の間では半ば常識だったのではあるまいか。
 だからこそ統一教会を「モンスター」であるかの如く表現する人間が出てきているのに、それを有田芳生氏が過小評価しているのは言語道断である。

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