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「悪魔のシスター」

ブライアン・デ・パルマ監督のサイコスリラー「悪魔のシスター(Sisters)」(73年)。まるでヒッチコック監督の「サイコ」みたいだ。監督はヒッチコックの大ファンだというし、音楽も、刃物で襲うところなんか、「サイコ」じゃんか。

前に観た感じがするけど…
TVに出演したモデルの女の子が、同じく出演者の黒人青年と親しくなり、食事に行く。途中、彼女の元夫が現れ、彼女を強引に連れ帰ろうとする。それを守った黒人青年と自分の部屋で一夜を共にする。早朝、女の子は別の部屋で妹らしき人物と激しく口論してる。黒人青年は頼まれて薬を買いに外に出る。口論を聞いてて、誕生日とわかり、ついでにケーキを買って戻る。ケーキを持ってベッドに近づくと、いきなり彼はナイフでメッタ刺しにされ殺される。
向かいのアパートから、偶然、それを目撃した女性記者が、驚いて警察を呼ぶが、物証もなく(元夫が処理した)、信用されない。彼女は、独自に調査に乗り出す…。

実は、モデルの子は、フリークスのシャム双生児だったが、外科手術で分離され、その際、死んでしまった片割れの性格が乗り移って二重人格になってしまったというオチ。

女性記者が真実を追って、ある屋敷に乗り込むが、そこは精神病院で、そこのドクターだった元夫に催眠術をかけられ、黒人青年の殺人事件のことを永遠に忘れてしまう。最後、殺人事件はなかったことにされて闇に葬られるという、なんかメッチャ後味の悪い終わり方がちょっとね〜。

元夫はモデルの子のもう一つの人格が現れ、メスで刺されて殺されてしまうが、この元夫、銀縁メガネの奥で眼がギラギラしてて、モデルの子の身体を弄り、イヤらしくキス、ストーカーのようでキモっ!

警察が駆けつける間に元夫が事後処理をしていくところが画面二分割で流れていくところや、分離手術のやり方が斧を振り下ろす感じだったり(笑)、気持ち悪く眼のアップが続き過去を回想するシーンだったり、もう70年代の、今観れば、とてもチープなB級テイスト、映画学校の学生の実験ムービーみたいだ。

女性記者が、精神病院に乗り込むが、彼女も一方的に精神を病んでるとされ、無理矢理拘束されて注射を打たれて、催眠術で記憶を変えられてしまうなんて怖いよね。あれだけ刑事に殺人事件を訴えてたのに、解決した途端、そんな事件はなかったと言い張る彼女の狂気と哀れさは誰にも理解されない。やっぱり後味悪っ!

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。