「ホロコースト」

ナチス・ドイツによるホロコースト(🟰ユダヤ人大量殺戮)で犠牲になったユダヤ人は、実に約600万人(うち、子供は100万人以上)。当時、ヨーロッパにいたユダヤ人の3分の2に当たるという。

コレは、狂気の独裁者である極悪人ヒトラーが、ユダヤ人への憎悪から始めたという単純なものではなく、その背景には、キリスト教社会のヨーロッパが、伝統的に(ユダの裏切りなど)抱えていた“反ユダヤ主義”を巧みに政治に取り入れた結果なのである。

最初は、殺戮ではなくて、ユダヤ人を“非ドイツ人地域”に強制移送し、ソ連との境界、さらにはソ連に追放しようと考えてた。

その前段階としてポーランド内に「ゲットー」(ユダヤ人の強制居住区)を作った。

ゲットーでは、乏しい配給などにより、劣悪な環境となって、伝染病を始め病気が蔓延した。

そして、「物資不足による労働動員不能のユダヤ人は、即効的手段で片付けるのが、最も人間的な解決であるのではないかと真剣に考慮すべき時」(byアイヒマン)と、“最終解決”、本格的な絶滅政策へと動き出すのだ。

ユダヤ人大量殺戮の先頭に立ったアインザッツグルッペン(行動部隊)は、1日平均2500〜4000名のユダヤ人を殺害したという。

ソ連への侵攻を機に“ユダヤ人問題”の解決方法は過激化していく。

ユダヤ人(女性や子供も)と対面する大量射殺では、精神を病む兵士も続出するので、毒ガス(ツィクロンB)を用いることになる。

各方面の責任者が集う「ヴィンゼー会議」によって、ドイツ各地にあったアウシュビッツをはじめ、ヘウムノ、ベウジェツ、ソビブル、トレブリンカ、マイダネクなどの絶滅収容所にて、計画的な大量殺戮が決定される。

コレらのユダヤ人問題解決政策の決定で鍵となる役割を担ったのはヒトラーであることは間違いないが、ヒトラーがどの程度事態を正確に把握し、どの程度その政策を主導したかについては、研究者によって見解が分かれている。

さらには、包括的な大量虐殺が、ナチスのユダヤ人政策の最終目標であると、いつ決定したのかについても、様々な見解・解釈がある。

ユダヤ人の母親の目の前で、赤子や小さな子供を壁に投げ付けて殺す部隊の兵士…時代や環境、イデオロギーによって、ここまで人間は残酷になれるのだ。

昔、見逃した、9時間を超える、ホロコーストの実録ドキュメンタリー映画「SHOAH ショア」を観たい。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。