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40歳のおじさんが人生について考える。

40歳になりました。

色々とメッセージをくださった皆様ありがとうございます。
4月、合作のSNSで「もっとアートするよ。」という新年度のご挨拶をしました。今回はその辺について。
合作株式会社のFacebookに投稿した内容はこちら


社長が板についたからこそ。

自分自身、すっかり合作株式会社の社長業が板についてきたと思います。また、対外的にも合作という会社は循環型社会づくりや公民連携の推進を行う企業だと認識されていると思います。

その一方で、なぜ自分が今の活動をしているかというと、作家活動の中で制作のためのリサーチをする延長線でやっている活動が今も続いているという感覚です。
自分はもともと都市を題材に作品づくりをしています。そこを突き詰めていくためには、都市計画、地域政策や国の政策分野などいわゆる美術以外の分野についても学びを深めていきたいという思いがあり、研究や学びに着手しました。
それがそのまま仕事にもなっていったので、対外的には地域づくりや公民連携などが主な活動として捉えられているなと思っています。

そんな地域づくりに関係する仕事では分かりやすさや安心感、信頼が大切です。自分の作家性や美術・クリエイティブに対する想いが出てしまうと、仕事を進める上で不要な混乱や不安を生じさせ、事業の妨げになる可能性があると思い、控えるようにしていました。
自分の根源的な考え方やスキルには美術で培ってきたものがあるので、控えることに一定の納得感を持って仕事をしていたのですが、近年は本来やりたかったこととのギャップがあるなと感じるようになっていました。

40歳のおじさんが人生について考える。

そんな中、昨年末から今年にかけて、色々と今後のことを考えました。

自分の母親は割と早くに亡くなったので、自分の人生もその歳までと思うとそれほど時間がないなと。今の生活ももちろん悪くはないのですが、残りの時間を今のままで良いのかと思うと少し歯切れが悪くなります。

そんな折、とある事業で外部評価を受けた際に、フィードバックをいただく機会がありました。

「事業としては、定款に掲げていることをちゃんとできていて健全な組織運営ができているけど、齊藤らしいクリエイティブな面が全然発揮できてないんじゃない?」と。

評価いただいた方には、別の案件で大崎町以前の活動も見ていただいていたので、正直ぐうの音も出ませんでした。
自分でもうすうす気づいていた、やり切れていないことを、外から指摘されてしまった。悔しさや恥ずかしさで、しばらく眠れなくなるくらいでした。

そんな折、出た言葉が「もっとアートするよ。」でした。

何のために会社作ったのか、何のために自分はこの活動をしているのか。自分が最もこだわりたいことを諦めずに追い求めていくことをしないと駄目ですね。
“クリエイティブ”と言っても多様な捉え方があるので、今言葉で説明したところで具体的な表現が生まれるまで正直なかなか伝わらないと思います。
「アートするよ」と言ってもアートって何?となりますよね。でも、理解されないからと言って取り組まないのは違う。世の中的には“分からなさ”は不要な混乱を招くかもしれませんが、それを恐れていても仕方ないと思うようにしました。

会社を経営していると、クライアントにも仲間たちにもすごく説明を求められます。かといって、分かりやすいことしかだめとなると、自分からすると本音は全然面白くありません。あえて不要な混乱を招きたいわけではないですが、わかりやすさを最優先にする必要はないと思うようになりました。

「わかりやすく」ばかり言うな。

昨年から、事業拡大を見据えて合作株式会社の社内の組織体制を整えてきたタイミングでもあり、一連の流れとしてちょうどいいタイミングだったのかもしれません。

結局何をするの?は現時点で伝わりにくいと思いますが、分からなさは表現として生まれた瞬間にわかることもある、という感覚を大切に進めていこうと思います。元々、みんながやったことがないことをやろうとしているのだから、分からなくても当たり前。「分からない」という声を恐れないで、やっていこうということを言いたかったわけです。

自分にとっての“合作”は、誰か/何かを際立たせることではなく、自分も相手も思う存分にクリエイティビティを発揮させた上でつくりあげていくこと。それこそが面白いと思っています。
自分が周りの「分からない」を恐れて、やりたいことをしていなかったら、それは“合作”ではなくなってしまう。「妥協せずに」という表現だと根性論っぽい印象になってしまいますが、自分の中で大切にしたいことは、言い訳せずに実現できるようこだわっていくと決めました。

「あの時言っていたことは、こういうことだったのか」が今後伝わっていくことを楽しみにしています。

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