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黄色

黄色い声:女性や子どもの甲高い声のこと。

黄色い歓声:イケメンやアイドルの立ち振る舞いに熱狂し、我をなくして本能的な声を張り上げること。近づくと危ない。

声は黄色で形容される。なぜ声に色があるのか。
声色という言葉もある。意図的に声の調子やトーンを変えて、役柄に似せていくようなさまだ。

仏教では、人生のステージを色と季節を使って表す。
若く輝かしい青春。人間的成熟を迎える朱夏。悟りの境地に達していく白秋。終わりに近づいていく玄冬。そして最後は土に還り黄泉の国へ行く。
中国から仏教が伝来し、それを口伝する際には読経や雅楽が用いられた。琵琶法師が経典や法話を歌って聴かせたのがその代表だ。
その際、音程を表すのに色のついた墨で印をつけた。その5色が音色を表すのに使われるようになったらしい。
その中でもっとも高い音を表すのが黄色だったとか。
いいなぁ、琵琶法師。キャーキャー言われて、きっとモテたんだろうなぁ。

音楽といえば、演奏家や作曲家の中には、本当に音に色が見える人がいる。共感覚というやつだ。
ほとんどの人は、一つの器官で感じられるのは一つの感覚だが、共感覚の人は一つの器官で二つ以上の感覚を知覚する。
文字に色を感じたり、音に色を感じたりするのだ。
天才作曲家や、鬼才と呼ばれる芸術家にも共感覚は多く見られるらしい。
いいなぁ、もうちょっと才能が欲しかったなぁ。

話をもどそう。
なぜ黄色を持ち出したかといえば、物心ついたときから黄色が好きだからだ。
しかし、黄色はあまり優遇された色とはいえない。
黄色と言われて思い浮かぶもの。
レモン、バナナ、パイナップル、ひまわり、コーンフレーク、ひよこ。キャラクターならピカチュウ、くまのプーさん。
そのくらいだ。圧倒的に少ない。
そして残念ながら、果物ならぶどうやリンゴの方が好きだし、コーンフレークよりも白米、ひよこよりフライドチキンが好きだ。ポケモンは好きだがピカチュウはそこまで好きじゃない。
ちなみに、レモンのスラングには「できそこない、役立たず、魅力がない」という意味がある。

蜂や踏切のように、黄色は警戒色だ。
ほら、俺は危ないぞ、近づくんじゃないぞ。
それって、孤独が好きな自分自身のことのようにも感じる(いや、近づいてきていいんだよ?)

黄色は虫に好かれるらしいが、虫にモテても仕方がない。
服装に黄色を取り入れるのはとても難しい。
実際、身の回りを見ても、黄色のものはほとんどない。

金運といえば、お金に困らないイメージだが、せっかく黄色が好きなのだからもう少しお金に好かれてもいいのでは?

黄色というのはつくづくいいところがない色なのだ。
せめてもうちょっとお金や異性にモテていたら。黄色い歓声なんて憧れるが、群集心理はちょっとおっかない。
黄色って、本当は“奇”色なのでは?

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