#1日3アルバム開拓 2023/8/16
69.WAVE - Otis McDonald
Otis McDonald。というのは名義らしく、本名はサンフランシスコを拠点に活動するJoe Bagaleという方。Youtubeオーディオライブラリーに独占契約かつ著作権フリーで30曲も放出しているということで、Youtubeにアップされる動画のBGMとして相当数使われているよう。本人のX(旧Twitter)をみると、毎週新曲をドロップしているようでなかなかの活動頻度。
展開という意味ではシンプル。しかし、いわゆる悪い意味での「BGMっぽさ」はない。ちゃんと作家性があるように感じ、動画にも音楽にもこだわりたいというニーズにはかなりはまっているように感じる。
動画で使われることをある程度想定してのシンプルな展開にはやや飽きが来ないわけではないものの、一つ一つのパーツが非常に丁寧に作られていることで、そこそこ心地よい。
70.Oh No - OK Go
OK Go。『I Won`t Let You Down』を始めとして、非常にユニークなMVを制作することで有名な彼らの2nd Album。そうしたアーティスティックなMV ばかりに注目がいきがちだが、VocalのDamian Kulashの甘くざらついたファルセットと粒が粗目のディストーションが特徴的なギターサウンドは唯一無二。OK Goの良さは、ユニークだがわかりやすいということだと思っている。『Hungry Ghosts』はロックの枠に収まらないような全方位型のポップなアルバムに仕上がっているが、こちらは比較的純度の高いロックサウンドと感じる。
34:46という異質な長さの最後のトラック『9027KM』は、アンビエント的なものかと思えば、何と無音。Redditからの情報なので、トリビア程度に思っていただければよいが、この楽曲が収録された背景には、当時、DRMソフトウエア(著作権管理技術の一種。複製や改変を防ぐ効果があるが、一方で、私的複製や本来著作権法上認められている権利を侵害しているというという批判もある)が流行しており、OK Goが無断でそうしたソフトをレーベルに無断でCDに組み込まれることを嫌い、CDの仕様上の容量限界まで内容を詰めるべく、この無音のトラックが入っているとか。単なる無音のトラックにも彼らのスタンスが表れているように思えて非常に興味深い。
最近も『This』等少しずつ新曲が出ているので、アルバムをそろそろ期待。
71.Heller Tag - Conic Rose
Conic Rose。ドイツのインストゥルメンタルバンド。全体的にアコースティックで柔らかな印象でありながらも、エレクトロニカ的な要素も盛り込まれている。また、アコースティックでありながらも、ハード。ライブ感のある演奏を軸としつつも、パッチワーク的に編集されたような雰囲気がThe Comet is Commingをなどを彷彿とさせる。
Konstantin Döbenが奏でるトランペットは霧がかかったような独特の音質。フリューゲルホルンを用いている楽曲もあるようだが、全体的にブレスのサウンドが強調することで、モジュラーシンセのランダムなサウンドと絶妙に合う。『Learn To Be Cool』は特にグリッチなサウンドとアコースティックなサウンドのバランスが絶妙なドラムンベース。
ミニマルに潜っていくというよりも、目まぐるしく展開をしていくような楽曲たち。いわゆる透き通ったサウンドではないし、むしろいわば「汚れた」サウンドなのに、不思議と聴いて頭に浮かぶ映像は鮮やか。
72.おひとりさま天国(Special Edition) - 乃木坂46
乃木坂46。今作は井上和さんセンター。EDMっぽい『おひとりさま天国』に、アニソンとか特撮ヒーローのOPっぽい『踏んでしまった』に、ネット発の最近のイケてるポップスっぽい『マグカップとシンク』等、わりといろいろやっている感じがあっておもしろい。いつも通りっちゃいつも通りだし、新曲と言えば新曲。いろんなエッセンスが盛り込まれているのはわかるし、その上で本当に「いつも通りの乃木坂46」に着地している。多分本場とは違うし、結局いつもの満足感なんだけど、その上でちょっと冒険できる飲食店…ということで「みんなの食卓でありたい。松屋」的な楽しさがある。神宮観に行くので、そのあとで何か感じたら書く。
曲だけだと、なるほど。って感じだったが「○○がセンターで」みたいな情報を入れていくと途端に曲に愛着がわいてくるあたりから、私はやあっぱり乃木オタなんだろうなと実感する
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