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自然の織りなす美しさ-大雪の東京で-

2月5日、東京は予報通りの大雪になりました。
立春が来ていよいよ春が始まる時期に東京では大雪が降ることが多く、また今年もやってきたのですね、と思いました。

夕方から大雪の予報で交通機関への影響が懸念されたため、スタッフの安全を守るため午後の診療は休診にしていつもよりも早めに帰宅しました。
15時半にクリニックを出て電車に乗るとこの時間にしては混んでいて、きっと皆さんも仕事を切り上げて早めの帰宅をされているんだなぁと仲間のように思えて心強く感じました。

車内から外を見ていると大粒の雪が風に舞いながらボンボンと勢いよく降っていて、雪国に来たかのようです。
あっという間にどんどん積もっていき、いつもの景色が全て白く染まっていきます。

自宅に近付くにつれて雪が深くなっていき、最寄り駅から歩いて帰るのが不安になってきました。
遠回りしてバスで帰った方が自宅まで歩く距離が短くなるので、バスで帰ることにしました。

バス停に着くと待っている方達が今まで見たことがないくらい長い列になり並んでいます。
バスの到着が遅れているようでした。
寒い中10分程待ったところでバスが来たのですが乗る前に運転手さんから「道路が大渋滞していて終点の駅まで3時間かかります」とアナウンスがありました。
短い路線のバスで普段は終点の駅まで20〜30分もあれば着いてしまうので、待っていた方達皆さんで顔を見合わせ「3時間??」とざわついてしまいました。
運転手さんによると、高速道路が封鎖された影響で大渋滞しているとのことでした。

乗るかどうか迷いましたが、歩いた方が速いなと判断して結局最寄駅へとまた電車で戻りました。

駅を降りるとさらに雪が積もっていて、一歩一歩雪をしっかりと踏み締めながらゆっくり歩きました。
最初は怖かったのですが雪をギュッと踏み締める感覚が、雪と一体化しているようで心地良くなってきました。
ずっと足元だけを見て慎重に歩いていましたが、だんだんと慣れてきて周りを見る余裕が出てきました。

いつもは暗い道も、街路灯が雪で明るく照らされ美しく見えます。

キリストの誕生を描いたステンドグラスと赤い実のなった木に積もる白い雪。
その全てが一枚の壮大な絵のようで、人と自然がコラボして創り上げた芸術だなぁと感動しました。

桜の木にも雪が積もり、幹と枝がしっとりと濡れて光っていました。
どんな天候であってもそのままに全てを受け入れてしっかりと根を下ろし立っている桜の木を見ていたら、どんなことがあっても私もしっかりと地に足をつけ立っていたいと感じました。

あのままバスで帰っていたら見ることのできなかった景色に感動し、思い通りにいかなかったとしても、きっとそれがその時の私にとっては必要でベストなことなのだろうと思えました。

翌日も雪が残っていましたが、駅の周りはきれいに雪かきがされていて、朝の寒い中早い時間から雪かきをしてくださった方へ感謝の気持ちが込み上げてきました。

夕方帰る頃には雪はほとんど溶けていました。
雪の降った後は空気が澄んで夕陽がキラキラと暖かく眩しくて、いつもの景色に戻ったのだけれどなんとなく違うような感じがあって。
冬から春へと雪が空気を入れ替えてくれたようでした。

これからは暖かくなったり寒くなったりしながら春が近付いてきますね。
桜の木のようにどんな天気でも、どんなことがあっても、それを受け止めながら、自然の美しさを楽しんで過ごしていきたいです。

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