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「男性の浮気」へのタンザニア人女性の向き合い方

マンボ!

タンザニア在住ライターのほりとも(@tmk_255)です。

タンザニアの女性と話すと、よく聞くのが「男は浮気するもの」「男性は信用できない」というネガティブな言葉。

タンザニアでは、「家事は女性の仕事」という風潮が根強く残っていたり、「女性は男性のいうことをおとなしく聞いてればよい」的な態度が見えたりします。「暴力は男らしさ」という伝統的な考え方から女性への暴力が許されている地域もまだあります。

タンザニアの男女関係について、私の体験とそこから感じたことを率直に書いてみます。タンザニアの状況と比べたら、今の日本はどうでしょうか?


教科書のすごい設定

スワヒリ語の授業での、ある日の教科書の課題にびっくりしました。

質問:5つの家族の抱える問題を読み、その後の3つの質問に答えなさい。

1 . JumaとAmine:二人には子供がいない。Jumaは医者で仕事が忙しい。Amina は不倫をしており、若い男性のためにお金を浪費している。

2. MusaとNuru:  Musaは塗装の仕事をしている。Nuru は学生で、2人には6歳の子供がいる。Nuru は夫を愛しているが、Musaは不倫をしており、町の全員がそのことを知っている。

3. Mariam とFrancis:3人の子供がおり、Mariamはお手伝いさんとして働いている。Francisはいつもオフィスで仕事をしている。Francisは不倫をしている

あと2つの家族は不倫問題なしなのですが、それにしても、家族が抱える問題に不倫が多すぎませんか!?

スワヒリ語の先生に「家族の悩みって、他にも子育てとかお金とか、いろいろありそうだけれど、タンザニアでは、こんなに不倫が多いのですか?」と聞いてみたら、女性のその先生は「そうよ」と一言。

 この授業では「不倫する」「パートナー以外と寝る」「婚外の関係」なんていうスワヒリ語を学びました。この単語、あたし、どこで使うの?


で、実際はどうなの?

タンザニアの女性たちに聞くと「男性の浮気はあたりまえ」と口々に言います。もう不満というよりは、そういう文化として受け入れるしかないという感じ。

例えば、私の家のお手伝いさん(40代のシングルマザー)は、「もう男には飽き飽きだわ」と言い放ちます。彼女は、以前は結婚してましたが、夫が仕事をせず、浮気ばかりしてお金を使うので離婚したとのこと。彼女にタンザニアの女性たちの生き方や人生観について聞くと、「男性は信頼できない」「ひとりで生きていくほうが気楽で幸せ」という言葉がいつもかえってきます。

別のタンザニア人女性の友達(30代の新婚さん)は、夫のことは信頼してはいるけれど、残念ながら、もし彼が不倫をしたとしても驚かないし、そんなことがあれば一人でも子供を養って生きていけるように準備していると言います。

タンザニアの女性たち

ある時には、知り合いのタンザニア人女性が、顔中におおあざを作って現れました。聞くと、バイクタクシーに乗っていて、車とぶつかって転んでしまっての大けがだそう。でも、顔だけが不自然にケガしていて、事故のケガには見えません。この真相はわかりません。

タンザニア女性からのこういった男性を批判する声を聞きますが、素敵なパパだってたくさんいます。

警備員として働くサリム(30代既婚者)は、最近2人目の男の子が生まれたばかり。私が会うたびに、2人の小さな子供たちと奥さんの写真や動画を嬉しそうに見せてくれるんです。

「下の子が歩くようになった」
「週末は仕事で家族といられないから寂しい」

だから、タンザニア人の男性はみんな浮気者、とはもちろん一般化できません。


警備員のサリム

強いタンザニアの女性

男性の浮気を、仕方がないと考え、一人で子供を育てていけるように心の準備をしているタンザニアの女性たちは強いとしか言いようがありません。

正確な数値はでていませんが、タンザニアのシングルマザー世帯数は全体の20-30%前後ではないかとしているデータもあります。私もこちらで、シングルマザーの人に会うことが多いです。

タンザニアの女性の地位はまだ低いけれど、着実に、女性の地位は少しずつ良くはなっているようにも感じます。実はタンザニアの大統領は女性(タンザニア史上初)なのですが、それはあまり女性の地位向上には役に立っていない、と女性たちは不満そうではあります。

女性の起業家などのリーダー的な存在も増えているし、若い世代の意識も変わってきているので、これからタンザニアの女性たちが、もっともっと生きやすくなるような社会になっていくのだと期待します。

まとめ

「男性に頼っていられない」そう考えるタンザニアの女性たちは、本当に強くて自立心が身についていると、日々彼女たちと接していて強く感じます。こうやって男性パートナーに頼らず自分で生計を立て、家族を守ってきた母親たちの姿は、次世代の女子たちに大きな影響を与えるでしょう。

若い世代の女性たちは「家事は女性の仕事」「料理ができないと結婚できない」といった価値観に縛られず、自身の可能性を信じ、社会進出や起業に挑戦する女性が増えてきているそうです。

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