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名探偵コナンに見る恋愛心理学 パート2

こんにちは。臨床心理士のとみーです。
前回に引き続き名探偵コナンより、毛利小五郎・英理・蘭の関係性について考えていきたいと思います。

小五郎は名探偵として有名ですが、実はコナンが小五郎を眠らせて代わりに推理を披露していることは皆さんご存知ですよね。お酒とギャンブルと美人な女性が大好きだけど、いざという時には頼りになることもあります。
一方の英理は弁護士で、美人だが料理は大の苦手というおちゃめな一面があります。
一人娘の蘭は、別居中の2人を仲直りさせようとあれこれイベントを企画しますが、いつも失敗に終わってしまい、いまだ2人は別居中のままです。

別居にいたるまでの間には2人にしかわからない事情が色々とあったのでしょうから深く詮索はしませんが、私がすごく気になっているのは、なぜ蘭は英理ではなく小五郎と暮らしているのか?という点です。

ひとり親家庭は決して珍しいものではありませんが、そのほとんどが母子家庭であり、父子家庭は少数派です。
たとえ母親の不倫によって離婚する夫婦であったとしても、恋人を作ることと子供の養育とは無関係ですので、母親が家事や育児をしっかりとできているのであれば、多くの場合は母親に親権が渡ります。

どのような経緯で英理よりも小五郎の方が養育適任者であるとの判断になったのか。
思いつく可能性を一つずつ考えていきたいと思います。

1.経済面
これは違います。なぜなら英理は弁護士で法律事務所を経営しており、明らかに同年代の平均よりも高い収入を得ていると思われます。
そもそも英理がただのパートだったとしても、小五郎には養育費を払う義務があるので暮らしていけます。
よって経済面の理由ではありません。

2.家事スキル
英理は料理が苦手で、とんでもなく不味い料理を作るシーンがアニメに何回か出てきます。一方の小五郎はそもそも料理を作ることすらしていないので、家事スキルが英理以下であることは明らかです。
もっとも、英理はお金があるのですから自炊ができなくても外食や出前を利用すればよいのです。料理上手な蘭もいます。
よって家事スキルが理由ではありません。

3.蘭が選んだ説
なんのドラマだったかは忘れましたが小さな子供に「パパとママどっちについていく?」と尋ねる場面がありました。子供というのは残酷なもので、おもちゃを買ってくれるなどの単純な理由でパパを選んだりもします。
しかし蘭はもう高校生。酒とギャンブルと女が好きで家事をやらない父親との生活を選ぶでしょうか? しかもコナンが来る前は事件を解決できないヘボ探偵だったのです。
蘭の意思とは関係なく、英理が蘭を置いて一方的に家を出て行ってしまったと考えるのが妥当です。

4.英理が女になりたかった説
離婚をする母親の中には、悲しいことですが、次の恋愛をするために子供の存在が邪魔と考える人もいます。
しかし、英理は離婚はせず、結婚指輪もつけたままです。新しい恋を求めているようには見えません。
よってこの説も否定されます。

5.小五郎のお世話係説
蘭がいなかったら小五郎はどうなっていたでしょう。酒浸りでギャンブルにお金を使い、家は荒れ放題の堕落した生活になっていたことでしょう。蘭がいるおかげで小五郎は人間らしい生活を送ることができているのです。
英理は小五郎の言動に呆れながらも、小五郎を見捨てることができずにいます。そこで自分の代わりに娘の蘭に小五郎のお世話を任せることにした、という可能性はゼロではありません。




ところで、蘭は自分を置いて家を出た母親に対し、早く帰ってきてほしいと訴える場面はありますが、なぜ自分を連れて行かなかったのかと詰め寄ることはしません。
なぜなら、蘭の近くには、高校生の息子を一人で家に残したままアメリカに引っ越すという大胆な行動に出た工藤優作・有希子夫婦がいるのです。
高校生で一人暮らしになってしまった工藤家と比べたら毛利家はまともだ・・・と蘭は思っているのでしょう。


では、本日も読んでくださりありがとうございました!

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