[感想]
ローマンキャンドルという手持ちの花火に火をつけて、紅茶を飲んで語り合う、そんなたわいない穏やかな午後を夢想する詩です。
ただ、そこから二人で詩を書き始めたなら……創作について互いの才能を巡るバチバチとした感じ、友人に取り残されていく悲しさ、人生が続き、古びて褪せていく寂しさが思い起こされていくだろう、と、どんどん曲調が厳しいものになっていきます。
それらが全て穏やかな午後の風景から織り出されていくとこが好きです。
僕とローマンキャンドルに火をつけよう
ただのローマンキャンドルに
君はサンダルでいいよ
僕は紅茶を一杯入れてあげよう
君は行って休んでていいよ
僕の最高傑作を見たことがないだろ、だから
僕と午後を過ごそう
ただののんびりした午後さ
君はどこか行ってもいいし、3時まで僕と喋って居てもいいんだ
僕は思うだろうな、これこそ魔法みたいな時間だって、
それで君もそれに同意してくれるだろうなって思うんだ、だから
僕とローマンキャンドルに火をつけよう
ただのローマンキャンドル、まさに完璧な果実さ
僕とローマンキャンドルに火をつけよう
ただのローマンキャンドル、まさに完璧な果実さ
もし僕らが誠実で、全部入ったサンドウィッチをを食べながら、二人ともにソネットを書いたとしたら……
少なくとも僕らには分かるだろう、
僕らのひらめきの火花は育たないし、
けれども試してみるだけのそれを持ってはいる、
だから、よく狙って引き金を引くんだ!
いつも僕は君に呼びかけて請う
"僕にチャンスを!"
何が良くて何が悪いかの内と外とが分かるのは
僕にはそんなにあることじゃないんだ
だから今夜は、明日について考えるのはやめてくれ
ああ、僕には分かってるんだ、ことは続くし、それは老いていく
だけど今は僕らは若いし、いい感じがするし、孤独だ、だから生きてる。
君は伝説を見つけ出し
僕はといえば日常を探し続けている。
君の心は砕けていないが、
僕のはもう音を立ててない。。
ああ、僕には分かってるんだ、ことは続くし、それは老いていく
ああ、僕には分かってるんだ、ことは続くし、それは老いていく、だから…
ローマンキャンドルに火をつけよう、
ただのローマンキャンドル、まさに完全な果実だ。