2024/05/30 カフカの日記を読み始める。せっかくなのでカフカの日記を読む日記をつけてみたい。どれくらい続くのかはわからないが、もしすぐに終わってしまったらおれは残念な気持ちになると思う。いや、ならないかもしれない。 日記は以下の版を参照します。 『カフカの日記 1910-1923 新版』マックス・ブロート編、谷口茂訳、みすず書房、二〇二四年。
こどもの日にゲームを買ってもらってほくほくな甥っ子だったが、シュリンク包装を破れずに困っていた。 となるとおれは、「ほんとうは秘密にしておきたかったけど、ちょっと久しぶりに使ってみるか」と口を挟まざるを得ない。さっそく指先に気のような何かを集め始める。最初こそ甥っ子も「何を言ってるんだこのひとは?」と言わんばかりの冷静な態度で応じていたが、おれがなかなか集中をやめないでいると、「え?ほんとに?」と口にしたりしてワクワクを隠しきれない様子で、そうなれば当然おれのほうもだんだ
四月馬鹿自己紹介のでたらめなタップダンスで膝はじけ飛ぶ 君が死んだら僕も死ぬなんて言わずにおれとポケセン行こうぜっ! 教えてよ恋の how to 脳天に突き刺す手刀 heart to you クソデカいサングラスかけて走った砂浜でプロポーズするなよ やわらかく口ずさんでるロビンソンきょう彼は友だちを殴った これをこう!いやちがうってこれをこう!こうしてからのこう!これをこう! 好きピの「ピ」ピョピピョピポーのピ今日から君はピョピピョピポー「ピョピョピポー」 もし
1. 問題の所在 二人の人間が秘密裏に会うこと。いくぶん大雑把なことは承知で、「密会」をそのように定義しよう。 するとその言葉の要件の一つは、会っていることが誰かに知られてはならないこと、となるだろう。つまり「秘密」である。しかし秘密には、会う二人のほかにそれを知ろうとする者が必要である。ゆえに二人は会っていることを隠そうとして、それが秘密になる。知ろうとするひとがいなければ、それは秘密ではない。そのような秘密を含むことで、「密会」はどこか性的な匂いをまとい、その二
その階段をいまでもときおり夢に見る。そのとき、私はいつも階段のいちばん上から飛び降りる。その階段は十三段だったので、縁起が悪いという理由からいちばん下の段より下のところには板が敷かれていた。それで十四段ということらしい。私は生まれてから高校を卒業するまでその家に住んでいた。 その階段をいまでもときおり夢に見る。そのとき、私はいつも階段のいちばん上から飛び降りる。その階段の両側は壁だった。手すりはなく、どこか詰まったような感じがしていた。上るときも下りるときも壁に手を添え
後部座席に兄妹が揃うことで、車内はかなり賑やかになった。陽射しは依然として暖かい。替え歌でひとしきり盛り上がったあと(あわてんぼうのサンタクロースがおならをしたという替え歌である)、甥っ子が一枚の写真を私に見せてきた。 その写真には、甥っ子と姪っ子、そして彼らの従姉妹たちが写っていた。弟の奥さんの姉夫妻の子ども、すなわち甥っ子の従姉妹にあたる子どもは二人だった。 「この前ね、チェキで撮ったんだよ」 甥っ子の言葉に私は「やるやん」と答えた。甥っ子はまんざらでもない様子であ
弟の車に乗り込んだ私の顔を見るなり、甥っ子と姪っ子が妙に緊張感のある様子で口を開いた。 「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」 どうやら二人は新年の挨拶を何度も練習していたらしい。緊張感から解放された甥っ子が晴れやかな笑顔を向け、私の名前を呼び捨てにする。なぜ自分の名前が呼ばれたのかわからなかったが、私はそれに「ういっす」と応じた。 弟がある和食屋の名前を口にする。私たちはその和食屋で母と待ち合わせをしていた。私と弟から見れば母だが、甥っ子たちか