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日本語学習初心者には母国語での確認、説明が効果的!

 日本語初心者のアメリカ人のAさん。日本に来て半年程度、午前中は日本語学校に通っています。ただし、通っている日本語学校では、全ての授業が日本語で行われていて、質問も解説も日本語のみだそうです。教室にいる様々な母国語をもつ生徒たちのバックグラウンドを考えれば、仕方がないことだと思います。が、なかなか「授業がよく分かった」と実感できないことに課題意識を感じたそうで、今月から週に1回ずつ、プライベートレッスンで日本語の文法の確認と会話の練習をしています。

 さてAさんとのレッスンですが、
①Aさんが文法について質問をする時や、ご自身が分かっている範囲を説明したい時、英語で話してきます。

こういったやりとりを全て日本語で行うほど、Aさんの日本語は上級者ではないため、お互いが理解できる英語を使うことで、きちんと伝えることができ、時間の節約にもなります。

②一旦私が日本語で説明を試みます。伝わった場合は次のトピックに移ります。伝わらなかった場合は、英語に切り替えます。

 こちらから日本語で説明した場合、Aさんは再度英語で自分が理解した範囲を説明してくれます。その説明が合っていたら、次のトピックに移りますが、合っていない場合は再度日本語で説明をし直し、理解が難しいと判断したら、英語で説明し直します。Aさんは、「あー、よく分かりました!」などと大喜びしてくれます。
 
③理解した表現や文法事項を使って、表現します。

 日本語の文章が作れる場合は、口頭で伝えていただき、文章が合っているか、説明がしっかり理解できているかを確認します。補足説明があれば、日本語で加えます。

【まとめ】
 言語を学び始めたばかりの人は、頭の中で母国語で文章を作って、それを外国語に訳そうとします。文法の理解も母国語で行っています。よって、複雑な説明や二つの文章のニュアンスの違いなどは、生徒さんの母国語を適切に用いることで、効率的な学びに繋がるのではないかと思います。

 これは実は英語を学び始めたばかりの人にも言えることなのですが、初心者の方で中学英語が使いこなせるか自信がない人は、最初の数か月~半年は日本人の先生に習うことをお勧めします。英語ネイティブの先生は、英語に関する学部や教育学部卒でない方が多いため、英語の文法を説明することに慣れていない方が多いです。そもそも英会話業界では、オールイングリッシュの授業はTOECI650点程度ないと理解することが難しいと言われています。

 さて、レッスンの時間は日本語を英語で教える時もあるし、Aさんも急に英語や日本語を切り替えるため、7:3で日本語と英語が混ざったレッスンになります。この2言語を行ったり来たりするのは、日本語を英語で教える時しかないので、私はいつも頭をフル回転させています。きっとAさんも同じように、かなり頑張って言語を使っていると思います。二言語以上を使いこなす人は、認知症になりにくいという研究データもあるそうですので、頑張って脳トレしたいと思います。

なぜ日本語も教えているのかは、こちらに書いてあります。↓


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