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たくさんお部屋を見てきて、一番怖かった話

こんにちは。フォローしてもらうのって嬉しいものですね。富ヶ谷不動産です。

皆さん怖い話ってお好きですか?僕は夜な夜なOKOWAチャンネルをチェックしたりするくらいには好きです。

ただし、ほとんどの方がそうだろうと思いますが、自分で経験したいなんて1ミリも思っちゃないんです。

今日は僕が何千という部屋の内見をしてきて、その中で1度だけ経験した恐怖体験を書いてみたいと思います。興味のある方は読んでいただけたら、スキとかフォローとかしてくれるともっと、嬉しいです。

とある飛び降り自殺のあったマンション

数年前の夏の入口の暑い昼下がりだったと思います。その日の内見は築40年を超えた、良く言えばヴィンテージ、悪く言えばふる~いマンションの9階でした。古いのですが、分譲マンションということで部屋によっては綺麗にリフォームされていたり、広さのわりに家賃が安かったり、南側が抜けていて陽当たりも良かったりと魅力も多くあるマンションで、募集があると良く案内に行っているマンションでした。

そのマンションは以前外部の人間が侵入し、共用廊下から飛び降り自殺をしたことがあるという話は聞いていました。いわゆる事故物件です。お部屋での話ではないので、なんとなく嫌だなぁくらいに思っており、それほど気にかけている訳ではありませんでした。

内見を終え、エレベーターに乗り1階のボタンを押しエレベーターが動き出しました。エレベーターは7階で止まり、扉が開くとそこには何かを抱っこしたおばあちゃんが立っていました。おばあちゃんが乗り込むのを待っていたのですが、おばあちゃんはその場に立ったまま「はいはい、いい子だねぇ」と小さく身体を揺らしていました。僕はその時、”ああ赤ちゃんを抱っこしてあやしているんだな、赤ちゃんが泣いたりするから乗らないでいるのかな?”と思い、おばあちゃんに「どうぞ乗ってください」と声をかけました。

「いいんですか?ほんとうに?」と聞いてくるおばあちゃん。「はい。もちろんですよ」とちょっとその雰囲気に違和感を持ちつつも応えると、「すみませんねぇ。はいはい、よしよし」と赤ちゃんをあやしながら乗り込んでくるおばあちゃん。

その時僕はぞっとしました。

おばあちゃんが僕の横を通り過ぎるときに、おばあちゃんが抱っこしているモノが見えたのですが、それは使い古されてボロボロになった布が何重にも巻かれた赤ちゃんの人形だったのです。

セルロイドの表情のない、汚れた赤ちゃんの顔が見えました。長年使ってきたであろう布?タオルケットのようなものが恐怖を増長し、僕は”うわぁぁぁぁ、早く降りたい!この二人きりの空間から脱出したい!”と強く願いました。エレベーターのドアが閉まり、やっとエレベーターが動き出しました。その間もおばあちゃんは、「よしよし」などと小声で僕に迷惑がかからないように配慮して?赤ちゃんの人形をあやしています。

エレベーターが4階あたりを通り過ぎようとした頃でしょうか。僕の背後から、おばあちゃん以外の声が聞こえました。

「いい子いい子して!」

子供の声でした。しかし、おばあちゃんの抱っこしているのは赤ちゃんの人形のはず。。その声に対しておばあちゃんはまた「はいはい、いっぱいしてあげるからちょっと待っててねぇ」と応えています。

どういうことだよ!と怯えていると、「高い高いして!」とまた子供の声。そうです。その人形にはしゃべる機能が付いていたようです。何かのボタンを押しているのでしょうか?1階につくまでの間に3度ほどしゃべったと思います。エレベーターが1階に着き、扉が開くと同時に早足で飛び出しました。振り返ることなく乗ってきた自転車に飛び乗り帰社しました。

ぼけちゃったおばあちゃんの話と言えばそれまでですが、とても恐ろしい体験でした。あえてエレベーターが動き出してから人形に喋らせてたんですよね、あのおばあちゃん。

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