踊れるうちに
今日の日記を書く。 ほらね。 また昨日に戻ってしまった。 不思議。 理解できない。 今日は昨日と同じ。 昨日は今日と同じ。 夜が明けても明日にならない。 そっくりな…
ある公園に絵描きがいる。 似顔絵を描くのが彼の商売。 あんまり絵はうまくない。 でも、なかなか人気がある。 他人が見ると似てないのに 描かれた本人は似てる、と言…
無重力の場で寝てみたいものだ
ある男がある女に惚れた。 だが、女にはすでに恋人がいた。 「ふん。それがどうした」 男は女の恋人を殺し 血に汚れた手のまま力ずくで女を抱いた。 それがよく見える…
わしの背中にナイフが刺さっている。 このわしになんの断りもなく、 いつ、どこで、誰が刺したのやら。 近頃の、通り魔だかなんだか知らんが 礼犠というものを知らんのか…
ふて寝するくらいなら
一台のトロッコに男三人が乗っている。 そのうちの一人が俺だ。 目の前の二人は裸で抱き合っている。 たくましい筋肉。 日に焼け、汗ばんだ皮膚。 片方の男と視線が合っ…
世間から隔絶された空間において 仁義なき賭場が始まろうとしている。 まず、バニーガールが膝をつき、 板の間に座る若い衆に札が配られる。 彼らの背後には兄貴風の男た…
揺れるベッドはいかがなものか
ホント どこへも行くところがない。 森はとんでもないところだし かと言って、池や沼では いくらなんでもあんまりだ。 海にも山にも飽き飽きで バスも電車も乗る気に…
美しい横顔、ゆるやかな姿勢。 風にそよぐ長い髪。 額から鼻先へと続く知的なライン。 やさしい眉と真摯なまなざし。 半分しか見えない唇が かすかに動く。 額縁の肖…
Tome館長
2024年5月29日 06:58
【ピアノ】踊りましょう
2024年5月28日 06:36
今日の日記を書く。ほらね。また昨日に戻ってしまった。不思議。理解できない。今日は昨日と同じ。昨日は今日と同じ。夜が明けても明日にならない。そっくりな一日の繰り返し。もう限界。誰か助けて! 昨日の日記を読み返す。ほらね。また同じこと書いてある。 A DiaryI write a diary of today.You see.I returned
2024年5月27日 06:05
2024年5月26日 08:28
ある公園に絵描きがいる。似顔絵を描くのが彼の商売。あんまり絵はうまくない。でも、なかなか人気がある。他人が見ると似てないのに 描かれた本人は似てる、と言う。実物以上に描くのではない。むしろ、実物以下の場合が多い。それでも客は感心してくれる。子どもを大人に描いたり その逆に描いたりもする。猫や犬にしか見えない時もある。岩ではないかと思う時さえある。それでも客
2024年5月25日 11:57
【オルゴール】揺り籠
2024年5月24日 06:44
ある男がある女に惚れた。だが、女にはすでに恋人がいた。「ふん。それがどうした」男は女の恋人を殺し 血に汚れた手のまま力ずくで女を抱いた。それがよく見える位置に見開かれた眼の恋人の生首を置いて。「どうだ、悔しかろうが」男は幾度も幾度も女を抱いた。女は狂ったように泣き、男は狂ったように笑った。歯噛みもできぬ生首の そのまぬけな、まぬけな顔。 The HeadA
2024年5月23日 06:48
2024年5月22日 11:52
わしの背中にナイフが刺さっている。このわしになんの断りもなく、いつ、どこで、誰が刺したのやら。近頃の、通り魔だかなんだか知らんが礼犠というものを知らんのかね。まったく迷惑な話だ。寝ようとしても、仰向けになれん。わしは血も涙もない守銭奴だから出血せず、シーツは汚れんのだけどな。それにしも、この傷は深いぞ。ほら見ろ。胸から刃先が出ておる。死んだとしても不思議ないぞ
2024年5月21日 18:19
2024年5月20日 07:40
一台のトロッコに男三人が乗っている。そのうちの一人が俺だ。目の前の二人は裸で抱き合っている。たくましい筋肉。日に焼け、汗ばんだ皮膚。片方の男と視線が合ってしまう。ひどく暑いはずなのに寒気がした。「俺に触れるなよ」一言注意しておく。「もし触れたら?」「おまえを刺してやる」なぜか手に万年筆を持っていた。そして、なぜかキャップが外れない。男はニヤリと笑う。「いい
2024年5月19日 08:15
2024年5月18日 09:48
世間から隔絶された空間において仁義なき賭場が始まろうとしている。まず、バニーガールが膝をつき、板の間に座る若い衆に札が配られる。彼らの背後には兄貴風の男たちが立つ。ただし、この兄貴風の男たちの顔は灰色の暖簾に隠されて見えない。いかにも高そうな背広を着ていながらその下半身はなぜか裸だ。また、片手に縫い針の凶器を持っている。すぐ隣に立つ男の股問に突き刺せる姿勢で博打を
2024年5月17日 07:00
2024年5月16日 07:36
ホントどこへも行くところがない。森はとんでもないところだし かと言って、池や沼ではいくらなんでもあんまりだ。海にも山にも飽き飽きでバスも電車も乗る気になれない。砂漠やジャングル、こりごりで隣町さえ蜃気楼。よその星は遠くて億劫。せいぜい近所の公園でも散歩するだけ。恋人いないし 友だちは仕事と家庭で忙しい。遊べない友だちなんかもう友だちじゃない。退屈の
2024年5月15日 12:31
2024年5月14日 07:59
美しい横顔、ゆるやかな姿勢。風にそよぐ長い髪。額から鼻先へと続く知的なライン。やさしい眉と真摯なまなざし。半分しか見えない唇が かすかに動く。額縁の肖像画さながらに 窓辺で読書する少女の姿。世界から切り離された方形の画面。今のあなたには鳥の鳴き声も聞こえない。あなたを射る男の視線さえ感じない。ましてや私の心など。それほど夢中になって読んでいる。一冊の本を読ん