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原子力・ウラン投資その1:原子力現況

こんばんは、とまとです。最近、米株環境投資家・投機家を名乗り始めました。世界の環境、脱炭素で最も重要な原子力発電についてみていきたいと思います。

今回は原子力やウランの基本的なデータや現状を整理したいと思います。環境問題や脱炭素などの動き自体は他で様々な議論があると思うので、扱いません。

まずは基本から。経済産業省資源エネルギー庁のエネルギー白書2023を中心に原子力の現状の基本のおさらいから始めます。

世界のエネルギー消費量

世界のエネルギー消費量の推移(出典:エネルギー白書2023 【第221-1-3】)

まずは燃料別のをみていきたいと思います。現状のエネルギー消費は石炭、石油で半数以上で、ガスも含めると大半は化石燃料に頼っています。原子力はたったの4.3%、他再生可能エネルギーも増えたといえ6.7%となっています。いかに我々はエネルギー需要を化石燃料に頼っているかがわかります。このうちの一定の割合を原子力にかえていくというのがストーリーです。

ちなみに、環境にうるさい欧州議会は低炭素の枠組みに原子力をいれています。

原子力発電電力量

次に原子力発電の現状についてみていきます。

世界の原子力発電電力量の推移(出典:エネルギー白書2023 【第222-2-2】)

1970年、1980年、1990年とずっと増え続けた原子力ですが、2000年代途中まで増加したあとは横ばいとなります。そして、福島以降一度原子力発電は大きく落ち込み、そこからまた増え続けています。北米、欧州が多いですが、福島以降は日本以外のアジアで増え続けています。ロシアも増え続けています。とはいえ、2000年代から現状が大きく増えているわけではありません。

このままでは脱炭素が進まないということで、今月(2023年12月)にCOP28開催されており、世界の原子力発電設備容量を3倍にすると22カ国が宣言しています。

下記が世界の原子力発電設備容量の推移です。伸びている1970年代、1980年代ならばともかく、1990年ぐらいから1割程度しか増えていない設備容量を26年あるとはいえ、これを3倍にするというのはどれだけ大きな目標かわかると思います。

原子力発電設備容量(運転中)の推移(出典:エネルギー白書2023  【第222-2-1】)

ちなみに、この枠組みには中国、インド、ロシアは入っていません。でも心配ありません。下記にあるように、中国では55の原子炉が稼働中、建設中26、計画42、提案が154と原子力発電を他の国以上に増やそうとしています。インドも稼働22、8建設中8、計画12、提案28とこちらも増やしていく計画となっています。ロシアも同様。

元データは下記にあるので、他の国もみてみてください。西側・東側限らず、多くの国が原子力を増やそうとしています。反対は一部のドイツやオーストラリアといった国だけです。世界が一丸となって原子力を増やそうとしています。これが政策によって将来起こだろう、長期的なビューとなります。ここから2050年の3倍を目指して、原子力のウランの新時代が始まることになります。


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