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原子力・ウラン投資その2:投資カテゴリー・原子力発電特徴

こんばんは、とまとです。
原子力・ウランの続きです。私のXのフォロワーは常識的な話が続きますが、しばらくお付き合いください。

今回は前回書き忘れた投資カテゴリー・原子力発電の特徴・SMRについて説明しようと思います。

本題に入る前にウランのブログについてはレモンさんのブログもあるので、こちらも参考にしてください。

原子力・ウラン投資カテゴリー

原子力・ウランに関連する銘柄はいろいろあると思いますが、やはり、投資するならば、原子力・ウランが中心の銘柄に投資したいというのが心情だと思います。
例えば、伊藤忠商事もウランを扱っていると思いますが、これからみていきますが、ウランビジネス自体、他の事業に比べると小さなビジネスであり、ウランが高騰しても伊藤忠商事の株価への影響は限定的でしょう。同様に原子炉設計・開発として、日本のGE日立が三菱重工などありますが、数ある事業の1つにすぎないです。
また、原子力発電所に投資することも可能ですが、今回の流れで一番儲かるところのような感じはしません。
そこで、米国株として投資可能な原子力・ウランを中心とした4つのカテゴリーにしぼりました。この4つを頭の中で整理して投資するのがよいと思います。個別株の詳細は別の回でみていきます。まずはカテゴリー整理から。

①大手総合ウラン会社

カテゴリーと言ってもticker  CCJ (Cameco Corporation)1銘柄しかありません(笑)。大手で企業規模が大きく、ウラン鉱山開発を中心に、次回ぐらいに説明する予定の転換や濃縮のプロセスも行っています。最近は、ウエスチングハウス(昔、東芝の子会社だった会社)も買収し、原子力発電所の建設・運転支援にまで手を広げており、ウラン会社というより原子力発電総合支援会社となりつつあります。

②新興ウラン鉱山開発会社

代表的な銘柄のticker UEC, NXE, DNN, UUUU, URG, UROY, EUがあります。①との1番大きな違いは、UUUUの1箇所を除けば、どこもまだ生産を開始していないということです。鉱山開発中の会社です。しっかり利益を出している会社に投資したい人はウラン鉱山開発に投資するならばCCJ一択となります。ウランに関しては次回以降説明していきます。また、個別銘柄は1回1銘柄で説明していく予定です。

③ウラン濃縮会社

カテゴリーと言ってもticker  LEU (Centrus Energy Corp)1銘柄しかありません(笑)。ウランに関するプロセスは、また、次回以降説明しますが、ウラン鉱山から得られたものを転換(Conversion)、濃縮(Enrichment)、燃料生産のプロセスを経て、原子力発電所に燃料として納入されます。LEUはこの濃縮のプロセスを担当する会社です。転換のプロセスで投資できる会社は①で上げたCCJのみなので、ピュアストーリーとして、ウラン鉱山後のプロセスで投資できる会社はLEU1社となります。

④SMR

カテゴリーと言ってもticker SMR (NuScale Power Corporation)1銘柄しかありません(笑)。SMRはSmall Modular Reactor略で、詳しくは、下記のレモンさんのブログを読んでください。

ポイントは小型で建設できる場所が増え、建設工期が短く、安全性が高い原子炉です。また、HALEUなど、通常の原子炉と異なる燃料が必要となることとも重要な点です。いくつかの国で稼働しているものもあるが、新しい基準であるため、安全基準やサプライチェーンなど整備は十分ではない課題があります。NuScale(SMR)は新たなSMRの開発の企業で、SPAC上場した企業となります。SPAC上場とは、通常のIPOでは上場できない会社が裏口上場するケースがあり、そういう研究開発型の会社となります。

⑤ETF

ETFはURA (Global X Uranium ETF)があります。2023/12/8時点のデータで、組入のトップはCCJで24.42%でCCJの動きに大きく影響を受けます。2番目はSPROTT PHYSICALというこれはウラン現物を保有する投信11.4%となります。3番目NXE6.82%、4番目はKAPというカザフスタンの会社で米国市場にはありません。5番目UEC、6番目は豪州上場のPDN、7番目DNN、8番目はロンドン上場のYCA、9番目はカナダ上場のEFR、10番目は豪州上場のBOEとなり、日本から投資が難しい国のウラン銘柄もカバーされているのが特徴です。株価の動きはCCJやSPROTT PHYSICALの影響が大きいのか、ボラティリティはCCJ同様マイルドです。

2023/12/9時点の各証券会社の取り扱いは下記のようになっています。

すみません。楽天の取り扱いが間違っていたので訂正しました(2023/12/10)

原子力発電の特徴

前回説明し忘れたので、ここで原子力発電の特徴について、説明します。

文字よりデータで。下記のリンク先でRon Hさんが作成している米国の燃料別発電量の日別推移をみてみましょう。Nuclearが原子力、Solarが太陽光、Windが風力、Natural Gasが天然ガスとなります。

みてわかるのが、風力、天然ガスは毎日ギザギザしながら変動しています。太陽光も風力ほどではなく、また値が小さいので変動がわかりにくいですが、ギザギザしています。これは、風力、太陽光の特徴を考えればわかりますが、毎日の風力や太陽光はその時々で変動するため、安定せずにギザギザするし、季節によっても発電量も変わってきます。
一方で、天然ガスはどれぐらい発電するか比較的制御できるため、太陽光や風力の発電量が足りないときは多めに発電し、逆の場合は少なめに発電するなどコントロールされています。
原子力は概ね安定した電力を供給しています。天候や気温によらない仕組みだからです。ベースの電力としての安定供給に向いています。一方で、一度発電を開始すると、それをやめるにはそれなりのコストがかかることも特徴となります。
そこからわかることは、発電に必要な天然ガスは日々の必要な電力量によって影響し、季節などによって変わってくることです。一方で、発電に必要なウランは一度発電が開始されるととめるまでずっと必要となるため、安定的な需要があるということです。この資源の差はコモディティ価格に大きく影響を与えます。
もう1つ重要な特徴は原子力は少量の濃縮ウランで発電可能ということです。電気事業連合会「電気事業の現状2013」によると、一般家庭1年分の電気を発電するために必要な燃料は石炭1,210kg、石油800kg、天然ガス490kgに対して、たった11gだけですみます。少量の資源で発電できるということは、ウランを在庫としてためておくことが可能となっています。これも今後読み解く上で重要な特徴となります。


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