塩浴生活をはじめよう![後編]
『塩浴生活をはじめよう![前編]』では、肌の仕組みや石けんの歴史について書きました。
後編では塩浴のやり方やポイントを紹介する。
あなたの悩みが、塩の力でやわらぐと嬉しい。
✎𓂃
01 塩浴のポイント
これが塩浴の特徴であり作用だ。
「バスソルト」や「塩もみ」と勘違いされる方もいるが…たっぷりの湯に塩を溶かして、その塩湯を髪やからだに塗ってなでるだけ。
塩マッサージやスクラブとはまったくの別物。
塩浴には6つのポイントがある。
①食用塩を使います
塩浴では添加物の入っていない、混ぜもののない塩を選ぶ。粒が小さく、お湯や水に溶けやすい食用塩がおすすめ。
混ざりものがなくても、塩化ナトリウム純度の高い精製塩はからだを洗うには強すぎるからNG。
②石けん、シャンプー、リンス、トリートメントは使わない
塩(塩湯)だけで髪から顔、からだまで洗う。
塩湯で洗った後に石けんやシャンプーを使うと、きれいになった毛穴や汗腺を残留物で再びふさぐことになる。
③基礎化粧品、ヘアケア用品も使いません
塩浴後は、肌や髪には何もつけない。
天然の美容液である皮脂が必要な量だけ分泌されるようになるから、塩浴を続けているとスキンケア用品を使う必要がなくなるそうだ。
基礎化粧品を使ってきた人は不安になるかもしれないが…自身の肌の力を信じて、まずは数日試してみてほしい。
④温風ドライヤーは基本的には使いません
ドライヤーの熱が髪や頭皮、肌を傷めたり、皮膚の乾燥をうながすことがある。お風呂あがりには髪の毛の水気をタオルできちんと取り、なるべく自然乾燥させる。ただ急いでいるときや、ケースバイケースだと和子さんはいう。
そのときは極力地肌に温風を直接当てないようにして、遠めの位置から当てる。熱のダメージを減らすことが大切だ。
⑤意識して旬の食べものを食べます
塩浴の目的は、天然の美容液である自分の皮脂で、自分自身の肌状態を整えること。
私たちのからだは食べたものでできている。食べたものによって皮脂の量やにおいも変わるから、なにを食べるかはとても重要。
できるだけ旬の食べものを意識しようね。
⑥「気持ちいい」を基準にします
1~5のポイントが、ストレスになるようでは意味がない。塩浴は塩で洗うこと以外、決まり事はない。
自分が「気持ちいい」と思う塩、「気持ちいい」と感じる濃度…それらを見つけてほしい。
五感を澄ませ、自分のからだと向き合ってみてね。
02 塩浴のやり方
まず「塩湯」をつくろう。
飽和食塩水の濃度は約26%、お湯1Lに塩約320gが溶ける計算だ。
塩湯の濃度に決まりはない。
でも慣れないうちは、「塩が完全に溶けきらず残っていることを基準にするのがおすすめ」と和子さんはいう。
【準備するもの】
・塩…食用で粒が大きくなく、添加物の入っていないもの
・手が入りやすい広口の容器…塩を入れて混ぜたり、つくった塩湯を手ですくって使うのに勝手がいいもの
【つくり方】
1. 容器に、入浴するときの温度のお湯を500mくらい入れる。
2. 1のお湯に塩を加え、混ぜまる。塩は完全には溶けきらない量(160g前後)を目安にする。底に塩が少し積もっている状態が飽和食塩水。
塩浴をはじめたばかりの時期は、毛穴が古い皮脂や老廃物で詰まったような状態にある人がほとんどだそうだ。
だから最初はなるべく濃い塩湯を使って、まずは肌の排出機能を高めることを勧められている。
【塩浴のやり方】
塩浴の具体的な手順は、以下のとおりだ。
①かかり湯をしてから、浴槽で温まる
まず湯船につかり、全身を温める。
毛穴を開き、肌表面にある古い皮脂や汚れをやわらかくする。
②塩湯をつくり、全身に塗る
ここで塩湯をつくり、全身に塗っていく。
塗ると同時にやさしくなでるのがポイント。
5~10回程度なでると、古い皮脂や老廃物も出てくる。
肌がヌルヌルしてくるような感じ、そのヌルヌルが古い皮脂や老廃物が出きって、新しい肌によい皮脂が出てきているサインだ。
③お湯で洗い流す
浮き上がった汚れや汗、古い皮脂はもちろん、塩分が肌に残らないようにしっかり洗い流そう。
塩湯を肌に塗ったまま、時間を置く必要はないよ。
④もう一度浴槽で温まる
再び湯船につかって、温まろう。
時間がないときは、ここは省いてもOKだよ。
⑤仕上げに冷水を浴びる
古い皮脂や老廃物が出きったら、最後に冷水を浴びる(ここがポイントだ)。詰まりがとれて、新しく分泌された皮脂を冷水で冷やし固め、皮膚に定着させるからだ。
03 万能性と互換性
塩湯は目や鼻、口の中も洗うことができる。
「塩水でうがいをしましょう」とは風邪の予防で聞いたことあるよね。
塩湯の濃度はからだにつける塩湯よりもずっと薄めにしよう、目安はなめてみておいしいと感じるくらい。
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