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スタンフォード式 最高の睡眠[後編]

日々さまざまなことが解き明かされるが、睡眠にはいまだに「未知の領域」が多い。
ただ睡眠はすべての医学の基礎であり、高血圧や心臓疾患、認知症などさまざまな不調にかかわりがあると考えられている。

自分の意志でコントロールできる部分だが、それがむずかしいのが私たちだ。
著書にかかれたことが活用され、あなたの睡眠がアップデートされたら嬉しい。

『スタンフォード式 最高の睡眠[後編]』では、今晩から取り入れられる睡眠知識を紹介する。

前編がまだの方はこちらから▷▶︎▷

✐☡


01 温度をあやつる

眠る前の子どもの手足は温かい、あれは皮膚温度を「上げて」いるんだ。
いったん皮膚温度を「上げ」、手足の毛細血管から熱をにがし、効率的に深部体温を「下げて」いる。
眠っているときは深部体温は下がり、皮膚温度は上がっている。このポイントを押さえてほしいと西野教授はいう

以前の入浴回でも、深部体温と皮膚温度を縮める方法として紹介したと思う。

深部体温は上がった分だけ下がろうとする性質がある。だから入浴で深部体温が上がれば、入眠時に必要な「深部体温の下降」がより大きくなり、スムーズな入眠につながる。

眠る90分前に入浴するとスムーズに入眠できる

ちなみに…睡眠のスイッチとしては深部体温を大きく上げて下げられる「温泉」のほうが強力のようだ。

ただナトリウム泉は入浴後の疲労感が強い、「湯疲れ」や「のぼせ」が起こってしまう。
炭酸泉は、普通浴と同じように湯疲れがない。
温泉のメリットが大きいうえにデメリットが少ないから、スポーツ選手や疲れを癒しに温泉に行く人は、炭酸泉をチョイスするのもいい。

02 モノトナスを目指す

体温をコントロールできても、それだけでは眠れないよね。

悩み事があったり、寝る直前まで仕事をしていたり、ゲームやスマホで脳が興奮したりすれば、なかなか眠りは訪れないし、睡眠の質も確保できない。不眠症は脳の影響も大きい。
慢性の不眠症にかかるのは人間だけだが、環境の変化による短期的な不眠は動物にも起きることがわかっている。

だから「いつもどおり」を保てるかが、脳のスイッチを睡眠モードにする上でヒントとなる。
どんなに良い環境でも脳が働いていたら眠れないので、脳を休息状態に持っていく。

そのためにどうすればいいかは日々研究されているが、まだ解明されていないことは多い。

よく「スマホやパソコンの画面から放たれるブルーライトは睡眠に悪い」といわれるが、ブルーライトの影響を睡眠に及ぼそうと思えば、かなり画面に顔を近づけてジッと見続ける、ぐらいのことをしないといけない。ようだ

ブルーライトより操作で脳を刺激してしまう

だからアプローチを変えてみよう
単調な状況だと頭を使わないから、脳は考えることをやめ、退屈して眠くなる。
このモノトナス(単調な状態)にすることは、眠るための脳のスイッチである。

寝る前の娯楽は、頭を使わずにリラックスして楽しめるものがおすすめだ。動画は気になると見入ってしまうから注意。

不眠症の認知行動療法でよくいわれるのは、「眠れなかったらベッドから離れる」というもの。ベッドは眠るための場所で、本を読んだりテレビを見るためのものではないという正しい条件づけを脳にする。

これは効果がある治療法だが、不眠症までいかず、すでにベッドでの読書やテレビが習慣になっている人は、「いつものパターン」ということで、必ずしもやめなくてもいい。
ただ、テレビも本も刺邀が少なく退屈なものにする。だからスマホは危ない…ゲームもできるし、メールもチェックできる。交感神経活動を上げるようなものは極力避けよう、と西野教授は語る。

03 起床の余白をつくる

今は眠りの深さを測定する睡眠アプリや腕時計型の装置などがあり、同じ理論を応用した目覚まし機能などもあるが、どれも「レム睡眠の検出」においては正確性に欠ける。らしい
そこで西野教授が推奨するのは、「起床の余白をつくる」方法だ。

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