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アシミレーションをやって得た学び

はじめに

先日、自己開示に関する記事を書きました。

自己開示で思い出したので、アシミレーションについての経験談について書きます。

「リーダーズ・インテグレーション」と呼ばれることもある(はず)

アシミレーションとは

アシミレーション(Assimilation)とは、英語で「融和」「同化」を意味する言葉で、ビジネスでは上司と部下の相互理解を深め、チームを結束させるという意味合いになります。
アシミレーションは、組織開発の手法の一つで、具体的にはチームのリーダーとメンバー間の相互理解を深め、関係構築を促進する仕組みを指します。
アシミレーションでは、チームリーダーがいない場で、メンバーがチームリーダーについての意見を言い合い、その内容をチームリーダーにフィードバックして行います。
アシミレーションは、新しい上司に変わったときや社内のマンネリを解消したい場面に役立ちます。アシミレーションでは、上司と部下の意見交換を仲介するファシリテーターが進行します。
一般的に、外から異動でやってきた上司が新しい組織で3カ月~6カ月ほど過ごしたのち、行われるセッションです。

by 生成AI

具体的なプロセス

この解説だとイメージしづらいと思うので、具体的なプロセスを示します。

  1. アシミレーションの目的や注意点などを伝える

  2. リーダーのみ席を外す

  3. ファシリテーターが、メンバーから以下のような意見を引き出す

    1. リーダーについて知っていること/知らないこと

    2. リーダーについて知りたいこと/リーダーに期待すること

    3. リーダーのこれからも続けて欲しい良い所

    4. リーダーにやめてほしいこと

  4. メンバーが退出、代わりにリーダーが入室する

  5. ファシリテーターが出てきた意見などをリーダーに説明する
    ※誰の発言かは伝えない

  6. メンバーが入室する

  7. リーダーが意見や質問に対する回答やコメントを行う

要は、リーダーのことをもっと知ったり、率直な意見をフィードバックして関係性を良くしていきましょう的なプラクティスです。

これはジョハリの窓でいうところの、「開放の窓」を広げる活動とも言えるかと思います。

ジョハリの窓について

ジョハリの窓は、4つの枠(窓)を通して、自分自身から見た自己と、他者から見た自己の情報を分析することで、自己理解や対人関係の見直しができるというメリットがあります。
具体的には、自分自身の特性を「4つの窓」(開放、盲点、秘密、未知)に分類したものとなります。
ジョハリの窓は、コミュニケーションの円滑化を促すため、対人関係の進展や自己理解の向上を求め、ビジネスの場でも広く利用されています。集団における自己理解を深める手法として、グループワークなどでよく利用されています。

by 生成AI

ジョハリの窓は以下の4つに分類されます。

  • 開放の窓:自分も他人も知っている自己のこと

  • 秘密の窓:自分だけが知っていて、他人には知られていない自己のこと

  • 盲点の窓:他人は知っているが、自分では気づいていない自己のこと

  • 未知の窓:自分と他人も知らない、誰からも知られていない自己のこと

4象限で表すと以下のようになります。

ジョハリの窓

開放の窓を広げると、自己開示+自己理解を深めることにつながるため、この開放の窓を広げるのが良いとされています。

「開放の窓」を広げる

過去にアシミレーションを行った経験

僕は過去に4回ほどアシミレーションの参加があります。すべての役割(リーダー/メンバー/ファシリ)で参加した経験があるのですが、そのうちメンバーとリーダーで参加した際のことを紹介します。

メンバーとしての参加

その当時の背景情報としては、当時のリーダーとメンバー間があまりうまくいっていないように感じられました。

リーダー自体は、人柄が悪いというわけではないですが、メンバーからするとやや強引に物事を進めている印象があり、強めに命令してしまう様になっていたかと思います。(なにぶんかなり昔なので、記憶が曖昧です)

いずれにしても、あまりリーダーとメンバーの相互理解ができていないように思えたのです。

そこで、アシミレーションをやってみることになりました。誰が提案したのかは忘れましたが、リーダーは快く快諾してくれました。

そして当日。

アシミレーションを行ったわけですが、なかなか険悪な雰囲気というか、重い場になりました。
出てくるフィードバックの内容が重い内容で、思わず耳を塞ぎたくなるような内容もあったかと思います。が、それは日頃から思っていたけれど言えず、溜まりに溜まってきた証拠でもあります。

(余談ですが、このフィードバックをもらったリーダーは、それなりに行動が変わったように思います。もちろん良い方向に)

リーダーとしての参加

同じ現場で、今度は僕をリーダーとしてアシミレーションを行いました。
先程の重い雰囲気を味わった身としては、少し不安ではありました。しかしどのようなフィードバックが返ってくるかは興味があったので、開催自体には前向きでした。

ですが、今度はメンバーの方が躊躇する方が出てきました。前回のように思い場になったらどうしよう、というような不安からだと思います。

そして欠席者数名いる状態ではありましたが、開催されました。

懸念とは裏腹に、その場の雰囲気としては和やかに進んだように思います。途中、退出してしまうので実際のところはわかりませんが、周りの声を聞く限りはそんな感じです。
少なくとも全員場が集まる場は和やかな雰囲気を感じましたし、前回のお通夜っぽい雰囲気とは明らかに違いました。(貰ったフィードバックも、どぎついものはありませんでしたし…)

和やかに進んだ理由は、僕がとても優秀なリーダーだったから!というつもりはなく、たまたま関係性が悪化していなかっただけなのだと思います。

関係性が悪化する前に実施できたのは幸運だったと言えます。

アシミレーションの経験を通じた学び

アシミレーション自体はやってみると面白いよっていうのはあります。
自分の知らない一面を知れますし、内省することにつながります。

ただし、チームの状態がすこぶる悪くなっている状態だと、険悪なムードになってしまい、むしろ悪化させるかもしれません。

関係性が最悪の状態であるならアシミレーションはオススメできないという話もありますが、そもそもそんな状態になるまで放っておくのが問題です。

「部屋の中の象」という言葉がありますが、誰しもが「象がいるよ」と言えるような環境作りが重要なのではないでしょうか。

「部屋の中の象」
部屋に像がいれば誰の目からも明らか。その像を問題と見立てて、みんな問題の存在を認識しているけれど、あえて気付かないふりをすること

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