「人と違う」っていいこと??

僕は昔「人と違う」ことにあこがれていた。普通に高校に行って大学に行って就職して、定年まで働いて、、という一般的な普通の人生ではない何か人と違ったユニークな人生を送りたいと思っていた。「普通」って面白くないよねって思っていた。でもよくよく考えてみると僕は「人と違う」人間になりたいのではなくて単に「少数派」の人間になりたいんだなと思った。
僕が憧れていたのは、芸能人だったり、スポーツ選手だったり、学者であったり、格闘家であったりとにかく「サラリーマンではない何か」だった。でもそれって人と違う人間になりたいのではなくてサラリーマンという世間の多数派の人間になりたくない、つまり世間的に「少数派」の人間になりたいということだ。では「少数派」と「人と違う」は何が違うのか。おそらく人数の違いだろう。少数派とは世間的に多数派ではないもののちょいちょい自分と同じ属性の人間がいるという状態であろう。それに対し、「人と違う」とは誰一人として自分と同じカテゴリーに属する人間がいないという意味になるのではないだろうか。このように考えると根本から「人と違う」人間ってそこまで憧れるべき存在ではないように思えてくる。自分の価値観を共有する相手がいない、そして他人と分かり合えないことを意味するのだから。簡単に言うと「人と違う人間」≒「異常者」なのだ。誰も自分のことを理解してくれないし、自分も他人のことを理解することができない。それが「人と違う」人間のリアルな感覚だろう。それってそんなにいいことだろうか。


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