くろとぴんく⑨

2024年4月21日

術後4日目。
痛み止めなく過ごせるようになってきたので、そろそろ自分の姿を確認しようと覚悟を決めて、シャワーの時に初めて自分の傷を見てみた。

喪失感。
悲しくてわんわん泣いた。見慣れる日なんて来る気がしない。

乳がんの検診をしたのが2月半ば。
それから1ヶ月後に診断をきいて、初めて聞く言葉をたくさん聞いて混乱し、全摘するしない、再建するしない、ゆっくり考える猶予なんてなく、そのまた1ヶ月後には手術をして胸がなくなっているのだ。
心の準備なんてなく、検診の2ヶ月後にはおっぱいが切り取られているんだから、この喪失感は半端じゃない。


2024年4月22日

退院。
自宅はやっぱり落ち着く。
一週間家を空けたので、色々な物の場所が変わっていて、もとのピースに戻したくて気になって動いてしまう。
動いた時、痛みというより、左側がピリピリ突っ張る感じがとても不快である。

いつもの部屋着のTシャツを着たら、左腕を動かすと脇が痛い。
脱ぐ時は更に激痛だったので、しばらくは前ボタンの服しか着れないなと思った。
(病院ではずっと前ボタンのパジャマだったから気付かなかった。)


2024年4月25日

退院してからも、日に日に痛みは和らいでいったが、左脇のピリつきは続いている。(リンパの検査のせいらしい)
今日から仕事に復帰した。

おチビがぴょーん!と膝に乗ってくれた時にドキッとしてしたが、特に無理な動きをすることなく1日こなせた。

片方の胸を庇いながらの久しぶりの仕事は疲れるものである。

夜は、鏡を見るたびに悲しくなる。


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