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幼稚園教諭・保育士として数十年務め、心理学部にて心理を学びました。 現在は児童発達支援…

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幼稚園教諭・保育士として数十年務め、心理学部にて心理を学びました。 現在は児童発達支援の経験を積みながら、個性のあるお子さんたちの居場所づくりをしています。

最近の記事

ホルモン治療

体調は元通りになって元気。 毎日の薬と、3ヶ月ごとの注射でホルモン治療をしている。 副作用の出方は人それぞれらしいけれど、私の自覚していることとしては体重が増えやすくなったことと、あとは常にポカポカして眠気を感じる様になった。もともと不眠症で入眠に手こずっていたのが、治療を始めてからは、昼間の眠気を我慢している分、夜は21時頃には猛烈に眠くなる。 夜にちゃんと眠くなるこの感じは初めてなので不思議。昼間の眠気は、子どもと関わって動いている時は吹っ飛ぶので、今のところ困るほど

    • くろとぴんく⑩

      2024年4月26日 受診して抜糸してもらう。 やっとドレーンのついていた付近のテープを剥がしてもらってすっきりした。 傷口にはしばらくテープを貼るそうだ。 落ち着いて傷口を見れるようになって知ったが、脇が痛いのは、傷口以外にもリンパを取る時に空いた傷が数箇所あって、そこも痛かったのだなと気付いた。 脇のリンパ節を取ると、ホースのジャバラの部分が無くなったみたいな感覚になっている。左腕を伸ばすとバネがなくてぴん!と止まってしまい、とそれ以上伸ばせないという状態。 20

      • くろとぴんく⑨

        2024年4月21日 術後4日目。 痛み止めなく過ごせるようになってきたので、そろそろ自分の姿を確認しようと覚悟を決めて、シャワーの時に初めて自分の傷を見てみた。 喪失感。 悲しくてわんわん泣いた。見慣れる日なんて来る気がしない。 乳がんの検診をしたのが2月半ば。 それから1ヶ月後に診断をきいて、初めて聞く言葉をたくさん聞いて混乱し、全摘するしない、再建するしない、ゆっくり考える猶予なんてなく、そのまた1ヶ月後には手術をして胸がなくなっているのだ。 心の準備なんてなく、

        • くろとぴんく⑧

          2024年4月18日 手術翌日なので痛みもピークだ。 トイレで起き上がろうと、柵を掴んで体を支えたいけれどが痛くてなかなか起き上がることができない。 やっと起き上がると、歩くのがまたさらに痛くて猫背のお婆さんになってしまう。 この術後の痛みの感じは、、、場所が違うだけで、10年前の帝王切開と似ている。。。 点滴の針がつながっていることもストレスだったけれど、昼頃には外れた。 ただドレーンというチューブが傷口にくっついていて、傷口から出た血が体にたまらず外のバッグに溜まる

        ホルモン治療

          くろとぴんく⑦

          2024年4月17日 手術の日。 緊張して早朝に目が覚める。 8時過ぎから、手術着を渡されてソワソワ。 手術着に着替えてボーッとしているところにナースが私を迎えにきて 「手術室までお連れしまーす。ついてきてください。」と言った。 ナースについてとぼとぼ歩く。はぁ。 いやだいやだ。 手術室に着くと、ウィーンと扉が開いてその中にナースは入って行った。 私は動けない。止まってしまう。 嫌だ。だから入らなかった。 そうしたら、待っていたスタッフが 「え?患者さんは?あれ

          くろとぴんく⑦

          くろとぴんく⑥

          2024年4月16日 入院。 往生際悪く、まだくよくよして真っ暗な私の心持ちとは真逆に、病院の前には、桜がとってもきれいに咲いていた。今日ばかりは、桜を睨みつける。 入院の手続きの後、PCR検査を受けて、沢山の書類にサインをした。 麻酔科の先生の所に行くように言われ、猫背でとぼとぼと麻酔科に行く。 説明を聞く。 「麻酔の点滴が始まったら、腕がピリッとして、20秒もしないうちに眠っちゃいます。それで、目が覚めた時には手術終わってます!」 (こわ!恐怖しかないわ。目、覚めん

          くろとぴんく⑥

          くろとぴんく⑤

          2024年3月19日 総合病院に行き、主治医の先生に会う。 姉妹で患ったので、遺伝子検査をすることになった。 これからの治療について話を聞く。 なんだか自分の話ではないような、また客観的に自分を見ているような感覚があった。 2024年4月10日 知人が紹介してくれた、乳癌サバイバーの女性と会う。 ポジティブで親切で、美意識の高い素敵な女性だった。 去年の春に乳癌を患い、全摘してエキスパンダーを入れたとのこと。 私はこの時に、エキスパンダーという言葉を初めて知った。バ

          くろとぴんく⑤

          くろとぴんく④

          2024年3月12日 結果を聞く1週間後までは気持ちが落ち着かない。 針を刺した後だからなのか、生理前だからなのか、癌だからなのか、心理的なものなのかわからないが、なんだかすごく常に胸が痛む。 私は基本的に体が丈夫で、体調を崩す事自体が滅多にない。 風邪を引くのも4・5年に一回程度なので、風邪を引いた時は、慣れない体の不調に気が滅入るのである。 そんな自分が乳癌になるなんて。 胃癌家系だから、子育て終えて、おばあちゃんになったらいつか胃癌になるかもなぁくらいには思って

          くろとぴんく④

          くろとぴんく③

          2024年3月10日 ろくに眠れず朝が来た。 娘は早朝から友達と遊びに行ったので1人になれたが、家にいても何にも手につかない。 これではダメだ、そうだ、今月の課題図書を読もう、とPCを開いてみる。 今月の課題図書は『怒りをコントロールできない子どもの理解』だ。 怒り、怒りについて読み進める。。 (なぜ今、私が、癌になるんだろう。)自分の怒りがふつふつ湧いてきて、怒りのコントロールどころではない。本の内容なんて全く入ってこない。 ぱたん、と本を閉じる。 はぁ。 202

          くろとぴんく③

          くろとぴんく②

          2024年3月9日 検診を受けたお医者さんのところに話を聞きに行くと、「8割9割、乳癌だと思います。週明けに〇〇病院に予約の電話を入れてください。私が勤務しています。」と言われた。 いつも鉄仮面のような無表情で、余計なことは話さず、こちらからの質問に最低限のことのみ答える女医さん。 去年の画像を見せながら、「去年はこれです。写ってないのでわかりませんね。」と言った後、「ご自分でこのシコリに気付いてたら、もう少し早くみつけられたかもしれませんね。」と言った。 余計なことは

          くろとぴんく②

          くろとぴんく①

          2023年2月20日 今日は毎年受けている乳がん検診。 区の健診は各年だが、私の場合は妹が数年前に乳癌を経験しているため、婦人科系は毎年受けるようにしている。 周りには、「マンモが痛いから嫌なんだよね。」という子も多いが、安心には変えられないと思う。ちょっとの不快感はすぐに終わるし、マンモも超音波も慣れたものだ。 この日も鼻歌を歌いながら検診を受ける。 超音波でゴロンと横になって、(夕飯は何を作ろうかなぁ。ピタパン作ってみるか?)なんて考えていた。 ふと、(あれ?なんか左

          くろとぴんく①

          くろとぴんく

          この春に自身に起きた予期せぬ病について、それが始まった日から日記を書いていた。 何故それをここに書くことにしたのかなあと自分で考えていて、何となくしっくりきた思いが、10年以上前の出産した時の経験だった。 私は妊娠中も体調が良くつわりもなく、元気な妊婦だった。 好きなものを好きなだけ食べて、仕事もしてプールにも入って旅行にも行って、そんな妊娠時代だった。 体重の管理もぎりぎり上手くいきながら体調良く臨月を迎えて、なんとなく自分は、スムーズに出産すると思っていた。 けれど

          くろとぴんく