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囀る鳥は羽ばたかない 8巻 感想

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「囀る鳥は羽ばたかない」 第50話 感想 その2 (考察編)

 結局、第50話を読み終えた後も、私は四六時中「囀る」のことを考えている。  まるで、初めて「囀る」に出会った頃のように。  いよいよ、ストーリーが面白くてたまらなくなってきたからだ。 百目鬼の行動原理  50話まで来て、ずっと理解できなかった今の百目鬼の行動原理のうち、一つだけはっきりしたことがある。  百目鬼は、矢代が他の男(特に井波)と体の関係を持っていることに我慢できなくて、そういう場面に遭遇すると冷静さを失い、矢代の体に触れずにはいられなくなってしまうというこ

「囀る鳥は羽ばたかない」 第50話 感想

第50話  発売直前のチラ見せで、ベッドで矢代を押さえつけた百目鬼が と言う1ページを見ただけで、私は苦しくて胸が張り裂けそうになった。  矢代の切ない気持ちを思うと、つらくて悲しくて…。  第50話がもし、第46話以上につらい展開だったら、私は完全に打ちのめされて感想すら書けないのではないかとドキドキしながら発売を待っていた。  幸い、ある程度予想が当たっていた分、ダメージは少なかった。  それにしても、表紙のあおり文句は不穏。 ≪何もかも 壊したくなる≫  

「囀る鳥は羽ばたかない」 明日発売される第50話について

 ベッドで矢代を押さえつけた百目鬼が、「こうして欲しかったから、俺を選んだんですよね」と言う1ページのチラ見せだけで、私は苦しくて胸が張り裂けそうだ。  寝ても覚めても「囀る」のことが頭から離れなくなってつらい。  明日第50話を読んでから、じっくり感想を書くつもりだったが、このつらさをわずかでも紛らわすために、発売前日の今日も私は文章を書くしかない。  矢代が思わず吐露した本音「やっぱ、お前でいい」に、 「神谷じゃなくて俺を選んだのは、ヤるためですよね」 と百目鬼が返

「囀る鳥は羽ばたかない」 記念すべき第50話に向けて

第50話を前に思うこと  第49話がBL的にいい所で終わったので、私はずっとこの先の展開を妄想している。  疲れたから「もうここでいい」とソファに寝転がった矢代を、百目鬼がお姫様抱っこしてベッドに運んだ。  ベッドの上で見つめ合う二人。  私も疲れているとベッドに辿り着けず、ソファで寝てしまうことがあるから、ああ矢代も疲れているんだな、第47話で井波に犯された後、突然百目鬼に連行されて綱川の屋敷では連に色々言われ、しかも百目鬼が自分の護衛に付きたがらなかったせいで、とう

「囀る鳥は羽ばたかない」 第49話 感想

第49話 立場は変わっても気持ちは…変わらない。  6か月間、私たち読者はこの時を楽しみに待っていた。  物語の続きを読むことができる喜びを噛みしめながら、ページを捲った。  発売前のチラ見せで、百目鬼が矢代の部屋に上がることはわかっていたので、そこまでは安心して読んでいられた。  前半2/3はヤクザパート、後半は待ち望んだ矢代と百目鬼の二人きりのシーンだったが、今回は私が期待していたところまでは進まなかった。  矢代を護衛するはずだった神谷が戻って来たので、連は怒ってい

「囀る鳥は羽ばたかない」 第48話 感想

第48話  扉絵の矢代と百目鬼は、目も合わさずそっぽを向いている。  "なにもなかったふりをする”  決して忘れることのできない「何か」があった二人だからこそ…。  第47話の終わりで矢代を迎えに来た百目鬼が、「来てもらいます」と言って向かった先は、綱川の屋敷だった。  長い廊下を歩く百目鬼は、矢代の右手首をぎゅっと掴んでいる。 と矢代が戸惑うほどに強く握ったまま、離さない。  百目鬼は、矢代が第47話で井波と寝たことを怒っている(ようにしか見えない)。  俺で我慢

「囀る鳥は羽ばたかない」 第47話 感想 その2 (考察編)

第47話 感想 その2  第47話を読んで一晩たった。  まだ完全に気持ちが落ち着いているとは言えないが、今回明らかになった矢代の問題について考えてみたい。  (感想その1はこちら)  4年前、矢代はセフレだった刑事の先輩にあたる組対5課の井波とホテルで会った。  情報提供の見返りに矢代を犯したいというのが井波の要求だった。(3巻第15話)  この時、矢代は「ああ、さっさと済ませろよ」とあいかわらず投げやりな態度だったが、性行為を嫌がってはいなかった。つまり、矢代

「囀る鳥は羽ばたかない」 第47話 感想

第47話 扉絵は、座る矢代の背中に、そっと寄り添う百目鬼。  このまま膝枕でもしてもらえばいいのに…と妄想してしまうが、いつか必ずやってくるその日を楽しみに、ページを開いて現実を見る。  前回第46話はあまりにもショックが大きく、一晩眠れなくなった。あの時に比べたら、まだ落ちついて読めた。  それでも、今回判明した百目鬼と矢代のそれぞれの秘密を知って、衝撃を受けた。(矢代については予想していたけれど…)  七原と杉本が麻雀をしている場面から始まる。  髪を伸ばし、ピア

「囀る鳥は羽ばたかない」 矢代はなぜ引っ越したのか

7巻以降、矢代の部屋が変わった理由   第40話で矢代は、自分を引き留める百目鬼の手を振り払って走り去り、振り返ると百目鬼はいなくなっていて、真っ暗な砂漠のような孤独の中で一人立ち尽くす、という夢を見る。  夢から覚めた時、6巻までと矢代の部屋の間取りもインテリアも違うから、「あれ? 矢代の部屋こんなだっけ」と薄々違和感を持っていたけれど、第45話で矢代が引っ越していたことが判明した。  現在の家は、タワーマンションの36階。私は矢代は職住近接派だと思っているから、渋谷

「囀る鳥は羽ばたかない」 第46話を読んだ今、矢代と百目鬼の関係を再考する

 第46話で矢代と百目鬼の関係は大きく転換した。  私は今の矢代の苦しみを、この先矢代が救われ、幸せになるために必要な過程だと考えている。(第46話感想 その2 参照)  7巻以降、なぜ二人の立場と関係性が変わる必要があったのか、1巻から読み直し考えた。  第45話の終わりで、井波と遊ぼうとする矢代を百目鬼が強引に引き留める。(矢代と井波が7巻以降もセックスしているのかどうかは、はっきり描かれていないのでまだわからない) 百目鬼「そんなに男が欲しいんですか?」 矢代「ああ

「囀る鳥は羽ばたかない」について 第46話が私に与えたもの

 今回は考察ではなく、個人的な感想になります。  第46話についての考察はこちら→その1、その2  第46話の衝撃はあまりに大きく、私の心を揺さぶった。でも、そのおかげで、私は望んでいた答えの一部を得た気がした。  「囀る」に出会って以来、私はずっと考えていた。  この話は一体どういう結末を迎えるのだろう。矢代と百目鬼がどうなったら、私は満足するのだろう、と。  私は矢代の複雑な内面が大好きだった。百目鬼のことを好きだけど、それを表には出さないようにしていて、もちろん恋

「囀る鳥は羽ばたかない」について 第46話 感想 その2 ≪矢代が幸せになるために≫

 第46話を読んだ直後は「予想より心を抉られずに済んだ」と強がっていたものの、やはりショックは大きかったようで、あまり眠れず食欲がない日々が続く。  どうやら、影山医院で百目鬼に口でされて「いやいやいや、別にビビッてねーし」と言った時の矢代のように虚勢を張っていたようだ。(3巻第13話)  第46話で矢代が傷ついているから、私もつらい。矢代はあの部屋に一人残されて、どんな気持ちでいるのだろうかと思うと胸がつぶれる。  物語のこの先を考えるために、何かヒントはないかと「20

「囀る鳥は羽ばたかない」について 第46話 感想

第46話 Amazonが発売日にihr HertZを届けてくれなかった(結局書店に行って買った)せいで、待ちきれずツイッターで皆様の感想を読んで覚悟を決め、心に鎧をまとって読んだおかげか、予想より心を抉られずに済んだ。  もっと百目鬼が矢代を傷つけるような言動をしているのではないかと心配していたのだが、すべての発言に矢代への愛が隠れているように私には思えた。 第45話の終わりに 「じゃあ かまわないですよね。あいつじゃなくても」 と言って、井波と遊ぼうとする矢代を百目鬼

「囀る鳥は羽ばたかない」について 第45話

第45話(ihr HertZ  2021年9月号) 7月号がヨネダ先生の体調不良のため休載だった影響で、何と51ページ。(読み応えがあって嬉しかったですが、ヨネダ先生のご健康が我々ファンの一番の願いです)  表紙は青い鳥を捕らえようとする矢代とその左手首をつかむ百目鬼。「囀る」が表紙か巻頭カラーの時は、雑誌と電子書籍を両方買うことにした。    前半は矢代たちが、城戸弟を使って城戸をおびき出す話。城戸が現れるのを待っている間、矢代と七原の会話の中で矢代がやはりあまり組を持ち