グイド・レーニ『ベアトリーチェ・チェンチの肖像』と思われていた肖像画の話
バロック期に活動したグイド・レーニが描いたとされる「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」。
ベアトリーチェ・チェンチは、ローマの貴族家庭に生まれ、父フランチェスコは暴力的かつ不道徳で家族を虐待していました。ベアトリーチェらは、父親の虐待を当局に報告しましたが、何も変わらず、その後、一家は父親を殺す計画を立てます。計画は実行され、父親は殺されましたが、一家は逮捕され、死刑が宣告されます。ローマの人々は一家の動機に同情したものの、教皇は無慈悲で、ベアトリーチェと家族は1599年に処刑されてしまいます。この悲劇的な話は、戯曲、映画、舞台、そしてこの絵画など多くの芸術作品に影響を与えてきました。
と、ここまでは、多くの日本のサイトにも書いてある内容です。この絵は、ベアトリーチェが処刑された翌年(1600年頃)に描かれたものとされていましたが、実は、1650年頃に描かれたものと判明します。
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