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カメラ初心者はフラッグシップ機を使うべきか

こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXです。

かなり前になりますが、「カメラ初心者がフラッグシップ機を買うべき」論争というのが、ネットを少しざわつかせました。

今日は、カメラを趣味に始めたい人に、フラッグシップ機はどうなんだろうというお話をしたいと思います。

初心者ではない人は、もしこれからカメラを始めたい人から相談された時、どう説明するのが良いのか一緒に考えていただけたら嬉しく思います。

ネットの経緯を簡単に説明すると、プロカメラマン/YouTuberのAさんがX(Twitter)で「フラッグシップ機が究極の初心者用カメラ」的な発言して、全く接点・利害関係のないプロカメラマン/YouTuberのBさんが、このツイートに反応して、YouTubeの動画を投稿し「NO、ありえない!」と反論し、さらにAさんがこの動画に反応して自身もYouTubeの動画で「趣味の道具を憧れで買って何が悪いか」という、ざっくりとした流れです。

Aさん、およびBさんが誰なのかは、ここでは公表しませんし、詮索もしないようにお願いします。

まずお二人の共通点については、以下が挙げられます。

・プロカメラマンであること
・写真の出来に機材は密接に関係するということ
・フラッグシップ機は使いやすい、性能は良い、撮りやすい
・写真を撮ることが増えることはいいこと(手段は違うが)

Aさんの主な主張 (要約)

趣味の道具を憧れで買った何が悪いのか。なんなら、憧れの感情しかないだろう
・仕事で使うカメラに大事に使うが、愛着も思い入れもない
・趣味の楽器は憧れの感情でしか選んでこなかった。憧れのミュージシャンと同じものまたは近いものを買った
フラッグシップ機が究極の初心者用カメラ
・初めて買ったカメラが当時のフラッグシップ機で、自分の足りない部分をカメラが補ってくれた
・Z9は優れたオートフォーカス性能を持っているので、これまで撮ることのできなかった動く被写体(野鳥など)に対応できる。フラッグシップ機は道具としての役割に長けている
・新たに撮れるものが増えて、創作意欲を高めてくれる
所有する意味が大事。認知度ー普及度=モノの価値。その最たるモノがライカ
・仕事で使うカメラは費用対効果で選ぶ。趣味の道具は憧れで選べば良い

YouTubeより

Bさんの主な主張 (要約)

アマチュアの人はフラッグシップ機を買うべきだ、持つべきだ という意見に対して、否(NO)。アマチュアに50万円のカメラを買えってスゲェ
・基本的な考えは、「写真に機材は関係ある」
・撮れる写真/撮れない写真がわからない、撮影機会の損失は可哀想→わからなくもない。だからフラッグシップ機を買えとは言えない
・フラッグシップ機は使いやすい、性能は良い、撮りやすい
ボディとレンズで100万というのを趣味でやる人に求めるのは異常だと思う。もし自分が仕事で撮ってなかったらカメラに100万も使わない
・初心者から何を買ったらいいか質問されるが、何を撮りたいのか聞くと、色々全部と答えるので、だったら一番いいやつ買ったほうがいいというのはわかる。財力がある人はそうすれば良い
見た目が好きなカメラを勧める。初心者は性能がわからないからこそ気にいるカメラを持つべき。カメラに触る時間と写真が上手くなるのは比例するから、撮影体験を増やすことが大事。
・ほどほどのカメラで、足りない機能や性能を知るのはいいことではないか
趣味なので自分の予算の中で楽しめば良いのでは

YouTubeより

お二人の意見を拝借して感じたのは、「決定的に趣味への価値観が違うこと」でした。

Aさんの趣味への価値観は、趣味の道具は憧れの感情しかない。いかに憧れに近づくか、もしくは近づけるか

一方のBさんの趣味への価値観は、趣味は予算内で楽しむもので、趣味に数百万とか単純にすごいと思う。


どこかの記事に書いたと思うのですが、話にはそれぞれ「前提」というものが本当はあるのですが、それが省かれてしまうので、どうしても論点がズレてきてしまいます。

今回の騒動(?)で、お二人の主張のどちらも理解できるのですが、趣味のカメラという話の土台が、(A)とことん追求派と、(B)そこそこ楽しむ派で、そもそも違うので話は平行線です。

また、初心者はたくさん撮ることが大切という方向性はAさんもBさんも同じなのですが、(A)フラッグシップ機は高速で移動するものなども撮れるので創作意欲も高めてくれる、(B)見た目が気に入ったカメラはいつでも持ち出せるので撮影体験が増える。このように、たくさん撮ることへのアプローチが全く異なるのが興味深いところです

私個人的な考えはAさんに近いです。そういうと、お前はα9IIIじゃなくてRX100の初代モデルじゃないかと突っ込まれそうですが、ストリートスナップにはこのコンデジで十分なので使っているだけですと答えておきます。

初心者がフラッグシップ機を使うことのメリットは、圧倒的な使いやすさと、圧倒的な撮影体験を得られることが挙げられますが、一方でデメリットは、かなり高額な出費が必要となることです。

もちろん要素はこれだけではありませんが、これらを天秤にかけた時、どちらを選択するかは、あなた次第ですが…。

またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXでした。
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