<ゲームの売れ行きアップ方法>第44回:PC版はどうやっても直せないバグが普通に出てくる
インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。
第44回は「PC版はどうやっても直せないバグが普通に出てくる」です。
<ゲームの売れ行きアップ方法>第44回:PC版はどうやっても直せないバグが普通に出てくる>
今は収益を増やすためにマルチプラットフォームでソフトを出すのが当たり前になり、コンシューマ機だけでなくPC版も同時や遅れてリリースするというのは普通です。
ただ、PC版については「開発者側がどうやっても直すのは不可能なバグがPC版ではわりと出てしまう」というのはインディーゲームデベロッパーだけでなくユーザー側もきちんと認識すべきです。
PC版についてはユーザーはバグにもっとおおらかになっていただきたい。開発者側ではどうにもできないバグは普通にPC版では色々出てくるので。
使っているメモリやSSD、HDDに不良や相性問題があるなどで起きるクラッシュやセーブデータの破壊、グラフィックカードのドライバーのバージョンによっては一部のゲームで描画や挙動がおかしくなったり、ゲームがクラッシュしやすくなる事。(クラッシュのタイミングによってはセーブデータもおかしくなる)
そのグラフィックカードのドライバーも「最新版にすれば全て解決」ではなく、「昔のドライバーの方が安定している」というゲームやアプリケーションもわりとあります。
インストールしている他のソフトのドライバーがバグの原因になる事もまれですがあります。
軽いバグとしてはコントローラの入力異常というのもあります。
こういうバグはゲーム側で不具合を吸収できる場合も無い事はないのですが、基本的に上記のような事で起きている不具合はユーザー側の環境(相性や機器の異常)が原因で起きているので、ゲーム開発者側がどう頑張ってもバグを修正できる事はなくユーザーによってはずっとそのバグで苦しめられる事にもなります。
逆にPC環境がきちんと不具合がない人ではコンシューマ機同様安定してゲームが楽しめますが。
ゲーム開発者はこの事を知っておかないと「どうやっても修正できないPC版のバグの修正のためにえんえんと無駄な時間を浪費してしまう」という罠に陥ってしまいます。
もちろん、「プログラムミスでバグが起きていないか」や「プログラム側でこのバグをなんとか緩和できないか」「使っているゲームエンジンのバージョンによるバグ」などは丁寧に検証する必要がありますが。
セーブデータ破壊についても手間がかかるものの一応回避しやすくなる作り方もあります。それでもPC版はセーブデータが壊れる事もありますが。
また、「PC版はコンシューマ機版と違って、構造的に描画バグやクラッシュ、セーブデータの破壊などの不具合が出る事がある」という事はゲーム情報を発信しているメディアなども定期的に繰り返し紹介すべきだと思います。
PCゲーム歴が長い人はこういう事を体験してきちんと知っている一方、最近ゲーミングPCを買ったというPCゲーム歴が浅い人はこういう事を知らずに自分の報告したバグが一向に直らないと、ストアのレビューでえんえんとマイナスの事を書いてそのレビューのせいでソフトの売れ行きを落とし続ける事にもなります。
PCユーザーの一部はハードウェアやドライバーなどの不具合を抱えていて、そういうユーザーがプレイするとバグが起きてそれをゲームの感想にストアで書かれてしまいます。
PCに限らず家庭用機においても、たとえばswitchでは不具合のあるSDカードを使っているユーザーや、PS5やXBOXでも内蔵や拡張のSSDが壊れていて挙動がおかしい場合などもそれがクラッシュやデータ破壊バグを引き起こす事になります。
高速読み込み必須のゲームも今後増えていき、PCやCS機でパフォーマンスがきちんと出ないSSDを搭載してしまったユーザーはゲーム中にクラッシュしたり色々な不具合が出やすくなります。
このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。
次回は第45回「パッケージ版はどのタイミングで出すべきか?」です。
インディーゲームの中にはパッケージ版も出すゲームがわりとあります。
そのパッケージ版はダウンロード版と同時に出すよりも、若干遅らせてから出した方がユーザーにとってはメリットがあるのです。