<ゲームの売れ行きアップ方法>第38回:パブリッシャー側が意識すべきこと
インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。
第38回は「パブリッシャー側が意識すべきこと」です。
<ゲームの売れ行きアップ方法>第38回:パブリッシャー側が意識すべきこと>
インディーゲームの中には大きく売れるタイトルもあります。
デベロッパーの中にはそういう金の卵を生み出す鶏も混じっていて、パブリッシャー側としてはきちんとしたサポート、納得のロイヤリティなどで契約するデベロッパー全員をしっかり満足させ、金の卵を生む鶏をきちんとキープする必要があります。
ヒット作を出していなかったデベロッパーも将来金の卵を生む鶏に化ける事もあります。
会社として適性な利益を得るロイヤリティ契約にする必要があり、パブリッシャー側が利益を取りすぎてもダメだし、逆に取らなすぎてもダメです。
一番困るのは「パブリッシャーがきちんと利益を得ずに会社が倒産し、ソフトを預けている色々なデベロッパーが迷惑を被る」という事。
デベロッパーの受けを良くするために一部の売れそうなソフトは破格のロイヤリティ設定をするというのはこういうのがあるのでおすすめできません。
最近多い、「開発途中で面白そうだからパブリッシャーが開発資金をデベロッパーに先行投資する」も、実際はできあがったゲームがいまいちで売れないと損害が出る場合もあります。
「開発途中では良さそうだったゲーム」が、できあがるといまいちになるという事はわりとあります。
デベロッパーには担当を何人か付けてゲーム開発のサポートをしていくでしょうが、そのサポートスタッフ以外にも何らかの不満があったら、デベロッパーは別の人に通報できる仕組みをパブリッシャーは必ず用意しておくのをおすすめします。
担当に不満があってもそれをきちんとどこか別の人に伝えられる場所が無いと、やがて不満が溜まったデベロッパーは次回作からは契約してくれなくなったり。
そして他のパブリッシャーから出したソフトが大ヒットして、逃がしてしまった事を大きく後悔したりも。
デベロッパーの中には趣味の延長でゲームを作っていて「自分が楽しいゲーム」を作ろうとする人もいます。ユーザーが楽しいかどうかは意識せず。
しかしゲームというのはお金を出してユーザーに買ってもらう物であり、ユーザーを楽しませるのが何より大事で、製作者が楽しいかどうかは二の次です。
製作者だけが楽しいゲームは商業ではなく趣味で個人で作るべきであり、商業としてゲームを売る場合はユーザーをしっかり楽しませるようゲームを作らないといけません。
そういうプロ意識を育てる講習などもパブリッシャーが時々行って、デベロッパーの方達に隙間時間に動画やテキストなどできちんと学習してもらうようにすると、よりユーザーに受ける(売れる)ソフトを意識して作るようになるでしょう。
ソフトが売れるとパブリッシャーの利益も増やす事になります。
本シリーズで書いてきた事も、「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす事」です。
これらは今後もマネタイズは考えておらず無料で公開し続けるので、良かったらお付き合いのあるデベロッパーさん達にこのシリーズを読むよう伝えてみてください。
パブリッシャー側から「このゲームはここをこうしたら良い」とか色々言っても、デベロッパー側は「うるさい」「俺のゲームに文句言うな」みたいな反応をされる事もあるでしょう。
でも事前に「どういう事をするとゲームのクオリティアップになるか」「売れ行きを増やせるか」をしっかり学んでおくと、デベロッパーが自分からより良いゲーム作りをするようになります。
また、パブリッシャーは現役のゲーム開発者や元ゲーム開発者達にゲーム開発の色々なノウハウをインタビューする書籍かPDFを作り、「我社とパブリッシュ契約をする場合はゲーム制作のノウハウが詰まったこのPDFをプレゼントします」みたいな事をしたら、より色々なデベロッパーを獲得しやすくなるでしょう。
パブリッシュ事業の利益の一部でそういうゲーム制作のノウハウマニュアルの強化を行っていくと、デベロッパー達が喉から手が出るほど欲しくなる最強のゲーム制作ノウハウ本が出来上がるでしょう。
こういう秘蔵のノウハウマニュアルは色々なデベロッパーを獲得するのにかなり重宝すると思います。
このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。
次回は第39回「他の業種よりまともに稼げる人の割合がかなり低く、仕事は過酷で将来への不安も大きい世界」です。