<ゲームの売れ行きアップ方法>第45回:パッケージ版はどのタイミングで出すべきか?
インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。
第45回は「パッケージ版はどのタイミングで出すべきか?」です。
<ゲームの売れ行きアップ方法>第45回:パッケージ版はどのタイミングで出すべきか?>
インディーゲームはパッケージ版も出すソフトがそこそこあります。
パッケージ版についてはダウンロード版リリースと同時に出す物もあるものの、多くのインディーゲームはダウンロード版リリース後ある程度経ってからパッケージ版を出すようにしています。
任天堂が3DSのサービスを段階的に終了し、「ダウンロード版で購入したソフトの再ダウンロードや各ソフトのアップデートデータも将来はダウンロード不可になります」と告知しています。
これは任天堂に限らずソニーやマイクロソフトなども互換性の無い過去のハードに出したソフトについてはサーバーをやがて停止させ、再ダウンロードや各ソフトのアップデートデータのダウンロードを終了する事になるでしょう。
パッケージ版を購入するユーザーはパッケージ版付属の特典も目当てなものの、基本的には「ダウンロード版で買うと将来再ダウンロード不可になった後はハードが壊れると中古などで本体を手に入れてもそのゲームが遊べなくなる」というので、それが無いパッケージ版を買っている人が多いでしょう。
また「将来プレミア化した時にそのソフトを高値で売却できる」というのでもパッケージ版を買っている人もいると思います。
ただ、パッケージ版は各ソフトのアップデートデータの配信が将来終了した後は、もし中古本体を入手できてもソフトをアップデートできないのでパッケージ版リリース時点以降に行ったバグの修正や追加要素を入れる事はできなくなります。
そのため、パッケージ版リリースの時点でそこそこのバグを修正していて追加要素があるように出すのが良く、「ダウンロード版リリースからしばらくはバグなどの修正や追加要素を入れ、それが概ね終了した段階でパッケージ版もリリースしてみる」という風にした方が良いのです。
再現なくアップデートを繰り返すインディーゲームの場合はどのタイミングで出すかかなり悩ましいですが。
もしダウンロード版リリースと同時にパッケージ版をリリースしてしまうと、売り上げ的には良くても「リリース初期にあったバグがパッケージ版には残っていて、各ソフトのアップデートデータの配信が終了した後に新規インストールして遊ぶ場合は不具合が出る事がある」というのが起きてしまいます。
アップデートデータの配信が終了する前にソフトをアップデートできていたら問題ありませんが。
メーカー的にはダウンロード版とパッケージ版を同時にリリースした方が売れ行きが良いのでインディーゲームではない通常のソフトでは同時リリースをやっているのが多いのですが、インディーゲームの場合は遅れてパッケージ化するという商品がわりとあります。
このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。
次回は第46回「ジャンルごとに相場のようなものができあがりつつある」です。
インディーゲームはセールの時に売れるようになりますが、ゲームのジャンルごとにセール時の相場というのが出来上がっています。
その相場を無視した高い価格にしてセールすると、ユーザーからあまり相手にされなくなってしまうのです。