<ゲームの売れ行きアップ方法>第42回:新規開発者は「インディーゲーム開発で失敗しても下請けとして食っていく」も難しい

 インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。

 第42回は「新規開発者は『インディーゲーム開発で失敗しても下請けとして食っていく』も難しい」です。

 

<ゲームの売れ行きアップ方法>第42回:新規開発者は「インディーゲーム開発で失敗しても下請けとして食っていく」も難しい>


 インディーゲームと違う通常のソフトはパブリッシャーが下請けの開発会社に依頼してゲームを作ってもらうという風になっています。

 長年下請けの開発会社としていろいろなゲームを作ってきたところにパブリッシャーが開発を依頼するのはともかく、ろくに実績がない個人や少人数開発者チームに依頼をするというのはあまりやりたがりません。
 開発会社のスキルによってゲームの出来はずいぶんと変わり、ろくな実績のないところに開発を担当させると「ユーザーにぼろくそに叩かれるような売れないゲームが出来上がるだけ」という事になりかねないからです。

 また今は良いソフトならダウンロード版が長く売れ続け利益になるため、本当に良い作品を作れる開発会社に依頼したいというのがパブリッシャーの本音です。

 長年下請けとしてやってきた会社がインディーゲーム開発にチャレンジして、売り上げが思ったようにいかずにまた下請け業務に専念するというのならともかく、それまで長くゲーム開発をした事がない個人や少人数の開発チームでは、「インディーゲームが売れなかったからと言って、ゲーム開発の下請けとして今後生き残るというのはほぼ不可能」だという事はよく理解しておくべきです。
 ろくな下請け実績がないところにパブリッシャーは開発依頼はしません。

 また「インディーゲーム開発を諦めてゲーム会社に就職する」というのも、中途半端に歳を取ってスキルも専門で頑張ってきた人ほど高くない人はあまり雇いたくないという会社が多いでしょう。
 過去にゲーム会社で働いていた人がインディーゲーム開発に挫折してまたどこかに就職するというならともかく。

 基本的に新規開発者はインディーゲーム開発で生きていけない場合はゲーム開発を諦めて別の業種で働く事になりますが、歳を取っていると別業種の就職も難しくなっていくという事はあらかじめ理解しておくべきです。
 果たしてそこまで自分の人生をかけてゲーム作りが本当にしたいのかどうか、本格的にインディーゲーム開発者になる前によく考えましょう。

  
 

このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。


次回は第43回「新しいゲームは本当に長く楽しめるかよく吟味してから開発を本格化しないといけない」です。
インディーゲームで多い「新しいゲーム性」というのは、実際はきちんとテストしてから本格的な開発を始めないと「面白かったのは最初の頃だけ」という展開に陥る事があります。
何年も開発したゲームが「最初だけ面白かったゲーム」になってしまうと当然売れ行きも悲惨な事になってしまいます。