<ゲームの売れ行きアップ方法>第46回:ジャンルごとに相場のようなものができあがりつつある

 インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。

 第46回は「ジャンルごとに相場のようなものができあがりつつある」です。

 

<ゲームの売れ行きアップ方法>第46回:ジャンルごとに相場のようなものができあがりつつある>


 インディーゲームは先にも書いたようにほとんどのソフトはセールの時によく売れるようになっていて、値引きしない時は売れ行きは大きく落ちます。
 そのセールでの販売価格についても、「このジャンルのソフトはこれくらいの価格でセールをすると売れやすくなる」という相場のようなものがあります。
 いわゆるマジックプライスという物です。

 ステージクリア型の単純なアクションゲームだと「よくできた面白そうなソフト」でだいたい500円から800円くらいの間がセール時の相場、ダメそうなアクションゲームだと100円や200円の衝動買いされやすそうな価格でセールの時に売るのが良いでしょう。
 これより高い値段で売っているソフトもそこそこありますが、switchのセールのランキングやsteamでのユーザーレビュー数などを見ると結構苦戦するようです。
 もしこの手のゲームをセールで980円くらいで売るなら、もう少し下げた価格にした方が売れ行きがわりと増えて結局全体の利益も増えるでしょう。

 メトロイドヴァニア系ゲームもセール時の相場がだいたい出来上がってきていて、良質なメトロイドヴァニアならだいたい1200円から1500円くらいの価格でセールをするのが売れやすい価格帯となっています。
 実際は良質な作品であっても1000円を下回って700円以下で売れる数をもっと増やしているソフトもわりとあります。

 シューティング系は有名タイトルの移植だったり有名開発者の作品なら高めでもある程度売れるものの、個人や少人数開発の作品の場合はだいたいセールの時に600円から900円くらいの間で売るのが相場のようになっています。
 しかし実際はシューティング作品はswitchでさえセールの時にかなり売れ行きが悪いのか、100円から300円くらいで売っているのも多くあります。

 シミュレーション系はわりと価格帯に幅があり、3000円以上でそこそこ売れ続けるものもあれば、だいたい2000円を少し切る1800円前後で好調に売れ続けるものもあったり、もっとお手軽な感じのだと700円以下のもあったり。

 switchやsteamやその他のCS機のセール時に、自分が作ったジャンルのゲームはだいたいどれくらいがセールの時の相場なのか確認してみましょう。
 「このジャンルはだいたいこれくらいの価格でセールするのが相場」というのを意識せずに相場より高い値段で売ってしまうと、かなり苦戦する事になります。
 そのゲーム独自の強力な魅力があれば相場より少し高くても売れますが。

 またswitchのセールで特に多いのですが、「100円や200円くらいの極端に安い価格にして衝動的に買わせる」というので数多く売るソフトも最近はかなり増えてきました。
 今後はもっとこういうソフトが増えていくでしょう。
 「衝動買いされやすい価格で大量に売って開発費を回収する」のも策の一つだとは思います。

 インディーゲームはセール期間中のタイトル数が増えるほど値下げ圧力が強まっていき、今後はその数がもっと増えていくので、今ここに書いたジャンルごとの相場も実際はじょじょに価格が下がっていってしまうでしょう。

  
 

このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。


次回は第47回「金でやる気を引き出してみる」です。
ゲーム制作のモチベーションを引き出すための話となります。