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お笑いライブを見てたら泣いてしまった話


※まず初めに、「泣いてしまった」とありますが、お笑いライブの内容や出演者に対して傷付いたり、何かを批判したり、悲しませられたことはありません。楽しいライブしか行ったことないので、芸人さんやお笑い界隈を悪くいう内容はないということだけはしっかり念頭にお願いします。



2023年5月13日、とあるお笑いライブを現地で観劇した。とにかく面白くて爆笑して、笑い泣きが止まらない。この時間が永遠に続いてくれよと思いながら笑っていた。

そして、笑いながら、幸せを感じながら、なぜか別の意味でも涙が出てきた。
確実に悲しみの意味ではない。怒りなど浮かぶわけもない。だけど、手を叩いて爆笑した後、なぜか目の奥がじんわりと熱くなっていたのだ。

そして怖いのが、何が原因の涙なのか自分でも分からないのだ。あまりにも怖いので、最近思ったことと、理由かもしれないと思うことを書き出しておく。
お笑いライブに行く度に泣いていると、基本週に一度は何かしらに参戦している自分にとって大変な弊害になるので、早く原因は突き止めておきたい。





一つ目の可能性としては、

周囲からの目を気にするようになったことからの涙。


まず、私事ながらこの春から学生生活を終え就職し、社会人生活としてのスタートを切った。
仕事が大変なのは当たり前。学生の頃と何から何まで違う環境になるのも当たり前。学生の頃よりも自由に時間を使えなくなることも勿論分かっている。
所謂、「お笑いライブ=現場と捉え、週に何度も劇場に通いレポを書いては見返して楽しんでいる」オタクの端くれである私も、「平日のナルゲキに行きてえよ😭」と喚きながらもその辺はきちんと理解して、まずは目先の金のために躍起になって働いていた。

だが、仕事と同等……いや、もしかしたらそれ以上に大変なのは人間関係。ってやつ。
22歳を超え、法律やモラルや立場のどこからどう見ても大人認定されるようになった社会人からすれば、人間関係は避けられないものだし同世代はどんどん大人な道へ進んでいくもの。

まどろっこしい言い方を止めると、社会人として働く同世代の人間は推しよりも恋人、恋人といえば将来一緒になるかどうか、そのための人生プランを考え始めているわけ。結婚する知り合いも増えてくるわけ。
そんな中、自分は他人と食事に行ったり遊んだりする機会も少なく、「ライブは一期一会」を心情にお笑いライブに通っているため、そんな同世代と優先順位が違うわけ。

そういう世界では、毎週お笑いライブに通いお笑いライブのない日は配信を見たりラジオを聞くなどして日々を楽しんでいます!という人間は完全に「変わった子」扱い。
毎週仕事帰りに走って都内まで向かってお笑いライブ見て帰ってくるの?その熱意凄くない?土日も行くの?テレビで見れる人なの?売れてる人見るの?

聞き飽きた。やめろ。


1000円〜3000円くらい出せば、都内で大概のお笑いライブに行ける昨今で、お笑いライブを楽しむために退勤後ライブ会場へ急ぐ姿を変わり者扱いとは意味がわからない。
仕事帰りに2000円程度払って映画を見て、それが月に何本にもなる人間は高尚な趣味扱いをされている中、仕事帰りに月に何本かお笑いを見る人間がそのような扱いを受けるのも納得がいかない。


だが、友人も多くはなく恋人を作るわけでもなく、ただお笑いライブにのみ通う人間が心配される理由も痛いほど分かるので、そういった小言ありがたいお言葉は出来る限りのむようにして、ライブ会場に座りながら時々考えることは、

「こんな楽しい空間があって、寂しい人生だとも思ってないのに、傍から見れば寂しい人生なんだろかなあ」

みたいなことだったりする。
これは、SNSで彼氏との充実した予定をストーリーや投稿に載せる知り合いを片っ端からミュートにして、結婚したことのマウントを取る人間を心の中で「挑んでない戦いに無理やり引っ張り出してくんなよ」と見下すことで何とかなるのかもしれないが、時折寂しくなるだけ。悲しいね。



二つ目の可能性、こっちは有力。

お笑いというコンテンツの儚さからの涙。


お笑いというコンテンツに「儚い」という単語はあまりにも両極にいるものだが、最近……特に2022年頃から、それを強く感じるようになった。


それは私が今まででいちばん応援していた芸人、ジソンシンさんの解散が2022年3月27日にあったところから始まっていったのだろう。その後から、原因が分からない解散が度々発表され、2023年は皆様ご存知怒涛の解散ラッシュ。順調そうに見えたコンビが明日解散する世界軸になってしまった。

解散の理由が分からない、てのは一概に悪いことではなく、コンビ間で話し合った結果伝えない方がいいと踏んだのならばそれが全てなのだと思う。
問題は、「順調そうなコンビでもいつ解散するか分からない」という思いを胸に残したままお笑いを見てしまうようになることだ。


特にお笑いライブというのは本当に一期一会。事務所や芸歴、芸風も様々な方々が本当に沢山いらっしゃるので、全く同じメンバーで毎回行われるライブって実はそんなに多くない。単独ライブとかユニットライブはあれど、予定の都合やブッキング、ライブの趣旨によって奇跡のようなメンバーが揃ったり、どうしてこんな個性的な?と思うくらい想像のつかないメンバーが揃ったり、そこが楽しいところであり新鮮な良いところである。

芸人さんのコンビ活動の明日も、いちライブの一期一会さも、すべて「儚い」と感じてしまうようになると、面白いメンバーが沢山揃った楽しいライブに限って儚さに涙を流すのかもしれない。これはとても困る。そこがお笑いライブの魅力なのに。



三つ目の可能性。二つ目と内容も被るのだが、

賞レースという名の天国と地獄における涙。



M-1グランプリ、キングオブコント、R-1ぐらんぷり……三大賞レースともとれるお笑い界のビッグタイトルの他に、最近何かと話題沸騰の「THE SECOND」にABCグランプリやytv、ツギクルなど、今は多くの賞レースが乱立している、タイトル大争奪戦時代。
我々からすれば、面白い芸人さんが鎬を削り、珠玉のネタを沢山見れる機会のひとつとも捉えられるが、賞レースには必ず勝ち負けが存在する。


シビアな世界では、「優勝」とそれ以外のように、とにかく結果を重要視する。我々のようないち視聴者の思う「みんな面白い!みんな売れて欲しいな〜」という願いは願いのまま、賞レースでけっかが奮わなかったことをきっかけにコンビの今後を考えてしまう方々も多いという。

ヤーレンズさんやGAGさんのような歴の長く面白くて信頼の厚い芸人さんが、賞レースの結果が奮わなかった時の話をする際に「解散」というワードを口に出していたことが未だに私のトラウマとなっているのだが、諸行無常、儚い世界観を感じては切なくなる。
だからこそ、楽しくて芸人さん方も笑っている素敵なライブで、「このメンバーが揃うこともないのかな」という、冷静になれば当たり前のことを考えて目頭を熱くしたのかな、とも思う。
これの解決策はないです。芸人さんが末永く楽しく平和に活動してくれることしかありません。


特にナルゲキに貼ってある芸人さんたちの写真(画像の通り)は、青春の1ページのように見えて、刹那的で、眩しくて、まるで卒業アルバムみたいで、帰り道にも少し涙腺が弱くなった。ここまで来ると歳かもしれません。それか、学生時代眩しい経験をしてこなかったことからの羨望だろうか。その説濃厚。



ここまで書いて、結局何を伝えたいのか、長いくせになんにも結論がない。


なのでいちばん言いたいことを述べておきます。


ヤーレンズのコーナーライブ「コーナーマクレガー」を見てください。


配信ここから買えます。
お笑い好き、お笑いオタク、そこまででもない人、暇な人、笑いたい人、みんな見てください。
私が大泣きするほど笑った最高なライブです。

楢原さんが「拡散しといて!」と仰ってたので、見て面白かったら沢山呟きましょう。
それでは!


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