Toko Uchida

熊本市在住のライター(ペンネーム)です。 出直し、修行中です。 よろしくお願い致します…

Toko Uchida

熊本市在住のライター(ペンネーム)です。 出直し、修行中です。 よろしくお願い致します。☺︎

マガジン

  • 詩(2024)

    日常から感じるものごと 結界的偏愛 結界的鑑賞

  • 坂口恭平

    展覧会、ライブレポート(2023〜)

最近の記事

  • 固定された記事

坂口恭平日記[歌会]前野健太×坂口恭平 ーマエケンはお世辞を言わないー

開演時間5分すぎに駆け込んだら、お客さんたちが体育座りでアトリエ側のステージを観ている。この画にまず驚かされながら、光沢ある木製フロアに座り込んだ。 今回の「坂口恭平日記」をきっかけに、とくに音楽活動に興味・関心をもつようになったので、この歌会は心待ちにしていた。 そして、育児明け子育て真っただなかの自分にとって、前野健太さんといえばEテレ某番組のあのコーナーである。 坂口さん、マエケンさん、それぞれギターをチューニングしながら、トークがゆるゆると始まっていた。 テンポよ

    • ものごと《詩》

      最近ものじゃなくてコトになっとる そう直接嘆かれて 余韻いまに続く 作り手と 受け手との 蝉なく距離 頭でっかちになってるわけではない 好さは昔から感じていて 欲しくてしょうがない あれこれ揃えたいな コツコツ片想い続いている 色んなものごと肥えて 越える難しさ 理想ばかり 積み重なり いつか欲しいな そのいつかは 無理強いするわけではなくて ひとつずつ 丁寧に揃える愉しみに 想いが重くなりすぎて ごめんね なんだろうな この饒舌ゆえの距離感は 

      • ギャラリー・水星《詩》

        ときどき 井戸の奥へ 風の影が届く はっとして 水かきのついた手 平泳ぐ ぐるぐると 雨蛙は弧を描きながら 見上げると もう気配は消えている それでも 嬉しいのか 時計回り ここは だいぶ居心地が好くなった 玄関 閉めて 紐ぐつ モゾモゾと脱ぐ 缶ビールを飲みながら ちくわ齧る 青い入浴剤 香る湯舟につかる 雨蛙 チャプチャプ話しかけてくる ここ最近 どうしょうもないらしいよ と あちこち どうにも しようがないって 360° の視点 1°ずつ変えたら 一つのこと い

        • 真空フィッシュソーセージ《詩》

          宇宙船のように 密閉仕切られた小部屋 呼吸とくしゃみ以外で 空気濁したくない 水分と養分 身体もつ分だけ補給する エネルギーは フィッシュソーセージ インクレディブル・レッド剥がし 素早く摂取 唯一なものごと 真空パックで保存され 大切な想い その当時のままで 情熱は 冷凍保存されているから 四角い天窓から 未来降り注いでくる 面白いものごと 楽しいものごと この窓から 色んな自由とアイデア 行進してきますように 

        • 固定された記事

        坂口恭平日記[歌会]前野健太×坂口恭平 ーマエケンはお世辞を言わないー

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        • 詩(2024)
          27本
        • 坂口恭平
          4本

        記事

          ひとつの箱《詩》

          見れ(聞け)ば観る(聴く)ほど   どんな意図があるのか 関連あるのか 訊ねてみたい 作り手が いま生存している尊さ 本人は自覚しない 関連ないと思っていたものごとに その要素があることもある ムカゴみたいに 一つのものごとは 一つの括りで捉えること 根っこが広がってゆく面白さ 見える森的カテゴリーから外れてゆく ひとつの固有名のものごとを知る 作り手が語っていること まだ語られていないこと 誰かが解釈していること 深読みしない精読のような知りかた それはとても簡

          ひとつの箱《詩》

          歩く先にオニヤンマ《詩》

          朝 いつもの裏通りをてくてく 今日もいい日になるように 出勤前の友達ママと 挨拶交わす 歩く先 セロファンのように煌めく 近寄ると ふわっと飛び立ち 壁に はりつく オニヤンマだった 気持ちのよい人と空間のなかにいる 実は 悪い人なんて誰もいない 好きのベクトル波動で会話するように 素敵ですね 感動しました 蔓の先 上に伸び広がるような 言葉 いつも咲いている

          歩く先にオニヤンマ《詩》

          感動壺《詩》

          見せない・聞かせない・言わせない これが私の壺かもしれない 作品の作り手の 背中が垣間見えるような 作品の歌い手の 背中から聞いているような 強い感動が押し寄せ 余韻を持ち帰る 鑑賞者と 目線を合わせないもの それを目的としたアダルトビデオ それに 何も感じないのと似ている 今朝 はっと目覚めて 気づいたこと おはよう 私の新しい気づき

          感動壺《詩》

          夏の大三角形《詩》

          夏の大三角形 想像しながら 今日は「私たち」と 呟いてみる その志だけは 重なり 文脈は違う だから 全体を底上げできる 直接 利害関係 ないからこそ 気まぐれな雨風に 共倒れすることなく 手を差しのべるわけでもなく ただ 足元で 前に進むのがルール  複雑に 荒天・好転しあいながら 長い時間をかけて ゆっくりと くまなく 気づいたらボトムアップ それは特権者だけの ものではないから 過去は変えられるという ある小説 そう願う 好い方へ 背負う未来 そこまで真剣に考え

          夏の大三角形《詩》

          緑ウリ科の季節《詩》

          いつものスーパー ほぼ毎日通う 野菜コーナーの情勢 一目で分かる 目下 ズッキーニときゅうりの季節 トマトについで 元気はつらつ オリーブオイルで焼く ナス寄りかぼちゃ 肉の付け合わせに ちょうど好い うちの子どもたちに 全くもって伝わらない カレーに忍ばせ 器用に避けられる ポテトサラダに忍ばせ 薄切り塩揉み それでも避けられる 河童の好物 串差しにして ポッキンアイスの如く冷やし  マヨネーズつけたら 食べるのかな 「緑の食べもの避けるのは 本能ですからね」 ふと思

          緑ウリ科の季節《詩》

          掌で掬う音楽《詩》

          言葉にならない物事と想い どうにかしたいと足掻き探す音楽 それは 母国語ではなかった ピンセットで神経をなぞる歌詞 それは いまはどうしても辛い でもインストでは 何か物足りない 初めての 体験で 掬われた音楽 地上の救いと 無の境地に近い受容 音の響きと意訳 大きな掌が掬い上げる 指の隙間からは 水が滴りながらも その中で たゆたう魂の癒し ヘルプレスの底 知っている響き やっとこの歴史の何か 理解できたような どうすることもできない ぐちゃぐちゃの糸 眺めることし

          掌で掬う音楽《詩》

          謳う天使ーエンパシー未満ー《詩》

          人間同士だから できること 言葉と文字を有するから できること エンパシー未満 互いに磨きあう 感性をかたちづくる 芸術領域へ 作品は 心身の欠片で やっと脱ぎ放した 置き土産 ちゃかさないで 何かつくる つくってみたら 手触りだけでも 作り手に 尊敬の念 湧いてくる 頭脳と 手元 生き様と その発言との バランス  ただ切り裂きたい だけではないか 腹黒い鳥は どこまで飛躍する ユーモアとおかしみ 囀り聞こえない 自分の人生だけを 軽やかに謳え合えたら 早く戻ってきて

          謳う天使ーエンパシー未満ー《詩》

          黒種草《詩》

          いくつもの 花言葉をもつ草花 青い種火 青い火種 のような 見る目の想起 いくつもの世界へ 誘うつもりなく ただ咲いている そう 遠くの海をみている ひとりの人間 丘を登ってきた 風が吹いてきて ギターを爪弾く 百万本の花のうた 弾き語る 束の間 見たこともない花の気分に ぽつぽつん 季節外れの通り雨 男は途中でやめて スプリングコート ギターを覆いながら 駆けていった 途切れたコード 耳に残っている 隣には 黒いギターケース 雨粒弾きながら リズムを奏でる 雨音は 愉

          黒種草《詩》

          音脈関係のひげ根《詩》

          それを知っていたから そう感じるのか 予備知識レスで 感じたままオン そうすると繋がったような 気がする 音楽専科ではない ただの受けでも ざっくり範囲内では 多分外していない 目に見えないもの 感じるままを 点と点 繋げてみる 答え合わせ的な それで 65パーセントはだいたい 身近なふたり 「音」だけで音脈繋がるという 好きは全部つながっていたと いう 予備知識なしで繋がる 耳と感性 目を見張るほど どんないきものなのだろう 音楽の作り手 凄いなって ギリシャ神話時代

          音脈関係のひげ根《詩》

          夜明けまえ《詩》

          ベンチの上 空き缶に夜露 信号の点滅 微かに映る 81年の音楽 耳から奥に流れ 夜と朝のあいだで  交差点には やさしいゴースト 行き交いながら 人の足元みまもる 白い月は 昼間もみている ただ 気づかないだけで

          夜明けまえ《詩》

          実用ロッカン・トーク《詩》

          バイトの面接 提出した履歴書 免許と資格の欄 書きたかった 実用ロッカン・トーク検定3級®︎ ふざけているのではなくて この星で 表に出す勇気が 食と色と職 今とりまく三大要素 ルドンの目玉 自己みつめ直し 魔女は軽やかに 創造して遊ぶ ほうきは放棄して 足元で 気の合う好い機 お絵描きする

          実用ロッカン・トーク《詩》

          反響《詩》

          19のころ 講義室でノートに ある作家の名言の 欠片 この世で最も悲しいこと 親やきょうだいが死ぬことではない 愛する人が もはや 自分を愛していないことだ と その言葉 頬杖ついた片耳 青いペン そんなはずないでしょの抗体 足元で戦ってきたようなのだが じわじわ増殖こだまするように 耳元に戻ってきたみたい 頭蓋骨で反響しては 心に堕ちる 想いと重いは似ている そういえば 「重い女」という言葉 やたらと流行った時期がある 重いの反対は 軽いという ギロチンの斧 振りかざす

          反響《詩》