見出し画像

22_「子どもっぽいバカ」を嫌いになれない方がバカなのか。

 彼の深層の伏流水あるいは通奏低音、(ああ、この人はわたしを利用しようとしてきたのだ)という悟りから、彼と別れることを決めたけれど、わたしははっきりと別れを告げた訳ではなかった。というのも、自覚のない男に何が原因でこちらの気持ちが醒めたかというのを分からせるのは難しいことだし、もの凄く労力が要る。さらに、こちらの気持ちが離れかけたことを知った時の男が一番何するか分からなくて危ない、というのを前の離婚で学んだので、とりあえず戦略的に徐々にフェイドアウトすることにして、当面それまでと大きく変わらない態度をキープすることにしたのだ。それだけじゃなかったかもしれないけど。

ここから先は

1,237字
既刊の印刷書籍版、PDF版に追加して、有料マガジン版を作りました。note発表当時の初出バージョンは今でも無料noteで公開中です。そちらを探してご覧になってもいいですし、まとめてマガジンで購入くださっても嬉しいですし、読み比べてみるのもオススメ!

菊池とおこの第一冊目エッセイ集。2017年から2019年にかけてnoteに発表したエッセイの加筆修正セレクト版。 恋愛だとか助平だとか、結…

アマゾンギフト券を使わないので、どうぞサポートはおやめいただくか、或いは1,000円以上で応援くださいませ。我が儘恐縮です。