過去の旅行記にて、能登に思いを馳せる
「大学生のうちに、また能登に行こう___!」
年の瀬に誓ったその目標は、年明け早々先延ばしを余儀なくされた。
ぼくは中学2年のときに初めて訪れて以来、これまで4度北陸:能登半島に足を運んでいる。よく「好きな土地」「今まで行った中で一番良かった旅行先」を問われるが、そのときは迷いなく能登と答えるくらいには好きだ。今回、ここで4度の旅行記憶をきちんと記録に起こすことを通して、微力ながら応援の気持ちを送ろうと思う。
1回目:2016年7月
8年前ということ・自分で企画立案した旅行ではないということが重なり、記憶がかなり曖昧だが、写真というものは大変便利で、おぼろげな記憶を呼び覚ましてくれる。
北陸新幹線が金沢まで開通して1年、この旅行の催行までの期間、専らの関心はこの一点に集中されていた。アルバムを参照するに、一行は富山で下車し、富山新港や氷見を経由しながらバスで七尾へと向かったと推測される。
のと里山里海号(1回目)
七尾駅からはのと鉄道に乗って、半島を北上する。北陸新幹線の開業にあわせて運行が始まった「のと里山里海号」は、当時中学2年だったぼくにとって初めての「観光列車乗車」だった。鉄道に乗りながらその地をよく知れることに、とても感動したのを覚えている。
のと鉄道は途中の能登中島駅で下車。ここにはかつて郵便輸送で活躍していた「鉄道郵便車」が保存されており、軽く中を見学したのを覚えている。ただ、平成生まれ:中学生の自分にはそこまで興味が湧くものではなく、写真はほとんど残っていない。残るのは”車内が暑かった”という謎の記憶だけ。
2日目は観光バスを使って、能登半島を海岸線に沿って一周した。以下、訪問先をテンポよく紹介する。
輪島市街
まず輪島市街地を観光した。今年(2024年)大規模火災に見舞われた輪島朝市も訪れた。ただ、当時のぼくの興味は、当時一角にあった「輪島朝ドラ記念館」にあったことが写真からは伺える。2015年に放送されたNHKの連続テレビ小説『まれ』は能登が舞台で、ぼくにとっては本格的な朝ドラ視聴のスタートでもあったため、思い入れは少なくない。
白米千枚田
本で見たことがある景色を実際に見れた感動がとても印象に残っている。天候にも恵まれ、ステキな景色を楽しむ。
揚浜式製塩
『まれ』で出てきた製塩技術を車窓から眺める。新幹線開業と朝ドラ効果があって、この年は観光客が多かった気がする。
禄剛崎灯台
能登半島の最北東端の灯台にも訪れる。「日本で唯一「菊の御紋章」がある灯台」(看板より)らしい。ここまでの道のりは結構遠かった印象があり、地震の際の被害や支援も気になるところ。
珠洲市街
珠洲市街に入り、道の駅すずなりに立ち寄る。駅舎の裏にはかつて珠洲まで伸びていた鉄路のホーム跡が残されており、ここで能登半島に一層の興味が湧いたのを覚えている。
見附島
この旅における最後の能登半島スポットは見附島(別名:軍艦島)へ。自分が訪れた自然の姿が変わっていることに、地震の威力を痛感。
この旅では、このあと富山・長岡を経由し帰京した。
2回目:2017年8月
中高の部活のイベントで北陸地方を訪れた。行程では班別研修の時間が設けられており、前半は富山を拠点に立山などを観光。後半は金沢を拠点に行動できるということで、ぼくの班は(自分のイチオシもあって)能登に行くことになった。1年越しの能登訪問だ。
特急「能登かがり火」
金沢を出発し、JR七尾線の特急「能登かがり火」で七尾へ向かう。1年ぶり2回目の訪問ということで、とてもワクワクしている。
のと鉄道
前回は途中までしか乗れなかったのと鉄道に、今回は終点の穴水まで完乗する。七尾駅の「のとホーム」から、アニメのラッピングが施された車両に乗りこむ。アニメなどとのコラボ列車は地方のローカル鉄道あるある。
列車はあっという間に穴水に到着。折り返しの列車が来るまで、しばし駅構内を散策。
のと里山里海号(2回目)
穴水からの折り返しは「のと里山里海号」。前回はゆっくりと楽しめなかったため、ある意味リベンジ乗車でもある。
車内について、身も蓋もないことを言えばローカル鉄道あるあるの観光列車なのだが、展示や車販からは能登の地を深く理解することができる仕掛けがたくさんあり、追加料金を払って乗る価値はとてもあると個人的には思う。
和倉温泉
和倉温泉駅で下車し、少し歩いたところにある温泉街に足を延ばす。当時の自分には(今の自分にも)温泉について語れる知識と経験は無く、ただ単にお湯につかって満足するだけの単純な人間である。熱いお湯は苦手だが、標準的な時間居られたと記憶している。
和倉温泉を堪能したあとは七尾線の普通列車で金沢へ帰投。
3回目:2018年7月
いま振り返っていて思ったのだが、この頃は毎年のように北陸:能登に訪れていて、ちょっとびっくりしている。それは自分の中で印象に強く残っているのも当然だ。この回は家族旅行で、最初は加賀温泉や福井の恐竜博物館などを訪れた。そのあとに能登に向かった。
コスモアイル羽咋
宇宙科学博物館ということで、つくばにありそうな宇宙技術の展示から宇宙人の結構リアルな模型まで、「一昔前に想像していた近未来」的な雰囲気を楽しめる。羽咋市は「UFOのまち」を推しているようで、たくさんの宇宙人とも出会える。ほんのちょっぴり怖い(小さい子は要注意)。
のとじま水族館
海の近くの水族館。規模はまずまずながら、飽きることなく満喫することができる。
ジンベイザメの写真が残っていた。ぼくに魚を見分ける能力は備わっていないので確実なことは言えないが、地震の被害のニュースを聞いたためとても心が痛む。
能登空港
最後は能登空港から帰京するが、その前に隣接する日本航空学園を見学することができた。レトロな機体などをいくつか見ることができ、充実したひと時だった。
能登空港は1日2往復のみの小規模空港だが、その存在が今度有効活用されたと聞き、注目が集まることを期待している。個人的には、この規模の空港に降り/飛び立つときに旅情を強く感じるものである。
4回目:2022年8月
コロナ禍を挟んだのでしばらく旅行自体ができない状況だったが、ある程度状況が落ち着き、大学生となったこのタイミングで、古巣のイベント引率を依頼された。その行先がまさかの北陸。これは能登再訪するしかない__!と、快く引き受けた。
金沢を拠点に行動する1日。おなじみの金沢駅ホームからの出発だ。以前(2017年)の訪問から大きく変わったのは、JR七尾線の普通列車が新型に更新されたこと。良くなった乗り心地を体感しながら、古巣の世代交代もまた同時に感じる。
今回の旅は引率コーチという立場なので、行程にあれこれ口出しできる立場ではなかった。引率した班の後輩たちはとにかく多くの列車に乗ることを目的にしていたため、穴水まで北上したあと金沢へとんぼ返りする形となり、能登を愉しむことは十分に叶わなかった。
ただ、穴水の街で地元の方との簡単な交流はすることができたし、能登の風を感じることができたので、それだけで十分だ。
若干の消化不良感を抱くも、また近いうちに訪問しようと思っていたが___
おわりに
なんと、ここまで食べ物の話をほとんどせずに来てしまった。と言うのも、写真がほとんど残っておらず、きちんと紹介することができないという都合があるからで、そこはご容赦いただければと思う。もちろん、能登での食事が美味しいというのは言うまでもない。
ここまで、つらつらとおぼろげな記憶を記録していった。遠方に住む大学生のぼくができることは限られているけど、文字に起こしたり写真を振り返ったりする行為を通して、改めて能登に思いを寄せることが少しでもできたらと思う。
#03_旅行記憶/記録
2024/04/20
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