機動戦士ガンダム水星の魔女22話感想「箒星、落ちて、突き進んで、そして」

前回の、水星の魔女!

 色々な真実を短時間で仲間に伝える「まだまだ間に合う機動戦士ガンダム水星の魔女」をナレーターはスレッタ・マーキュリーがお送りします!

 なお残りは今回含め3話です!

 一方でプロスペラが復讐のためにコツコツと作り上げた笹かま城ことクワイエットゼロが遂に起動し、クソゲー、或いは無理ゲー難易度の無敵要塞と化した。

 このままでは現在・地球・因果地平において史上最強のお姉ちゃんエリクト・サマヤ1人の遊び場として無限に支配される暗黒未来の到来が待ち受けている。どうするスレッタ・マーキュリー!

※この感想記事は「機動戦士ガンダム 水星の魔女 22話」のネタバレを含みます。視聴済みであることを前提になりますので予めご了承ください。


風雲笹かま城

 近づけばMSや艦艇の操縦権100%ハッキング。近づく前に精鋭を物ともしない無数のガンドノードとの戦い。より大きく遠ざかってのビーム砲は (ッコーン)バリアで無効、誘導ミサイルも対象をハッキングで上書きされ全弾反射。

 なんでやチーターやろこんなん!! 遥か彼方からジェネシスやソーラーレイ撃たねばやってられんわ!(銀英伝だともっと簡単でやばい作戦もあったりする)

 でもこんなに強い笹かま城にも弱点があるんですよ! なんと、なんと! パーメットスコア6は2度使うとしばらく使えなくなるんですよ! それでもガンドノードは動くのでやっぱり通常のパイロットやMSだと無理ゲーなんだよなあ…。


進む人々


頭下げてポンポン下がらず

 セセリアにデミバーディング貸与をお願いしに行くチュチュ先輩。快く貸してくれたが、壊したらとんでもない額を請求されることに。でもここで貸さなければ勝率下がるだろうしクワイエットゼロ大勝利の暁にはインフラや開発権限全部持っていかれて最悪の時代が始まるので貸し出すのは妥当。なあに壊した場合の請求はマルタンを好きなだけイジくりまわせばいい、言ってたでしょミオリネ社長も。「ヤバくなったらマルタンを生贄にして」と。(本当は「盾にして」です)

舎弟(?)2人のお世話係

 4話で講義のデミトレーナーに細工をしたことでチュチュ先輩の鉄拳制裁を食らった2人は、前回の21話で再登場。意地悪した相手から施しを受けた上に何もしないのは流石に気が引けたのか、自らお手伝いをしてくれるらしい。こういうちょっとした人間関係の融和は本作における「対話は大事」を表現してくれているので非情に有り難い。やっぱり対話は殴り合い宇宙だね! 戦場の戦力も大事だけど、帰る場所を守る人も大事。


待ってられない緊急事態

 テロ組織に襲撃されて2度生き残り、2度目は勇敢に戦い抜いた英傑がいるらしい。フェルシー・ロロって言うんですけど。物凄く危ないクワイエットゼロ攻略作戦に自ら名乗りを上げてくれる、グエル先輩の可愛い後輩だ。尤も今回ばかりは危ないので連れて行ってくれなかったらしい。だからと地球寮組に頼み込みに行くわけだが、チュチュ先輩とのやり取り見たかった。色々悪態付きつつ「来い」と引っ張ってくれそう。


1人で背負わせちゃいけない

 本作戦はスレッタがキャリバーンに乗ってアレコレしてという、スレッタ頼みの作戦だ。しかし当然ながらそれだけで勝てるほどクワイエットゼロは甘くない。1人で頑張って誰にも頼れずに無力にも屈したニカ姉は、整備士としての卓越した自分の腕を捧げることを内心誓う熱いシーンである。


例のベンチ・例の風景画

 エランと思っていた4号君は既にこの世にいないことを告げられるスレッタ。そこはデートの待ち合わせをしても来なかった黄昏で塗れるベンチ。

5号「全部ほっぽって逃げればいいだろ。あいつだって……」

 ある程度4号君と面識があったのであろう5号君は、ノレアに言ったときと同様に逃げる選択肢を提示した。しかしスレッタは涙を流しただけで、進む決意が揺らがない。親族2人の計画を邪魔することになっても、自分の思い描くやりたいこと、やるべきことへの意志が強い。

 逃げてその先で何をしたいかを5号君は持ってなかった。怖くても得るために進むノレアやスレッタは、彼にとって眩しいものであり、だからこそ逃げてほしいと願ってやまない。そんな5号君に出来た行きたい場所へ行くための方法が、死地に進むこと以外にないというのも皮肉な話である。逃げてその生命だけを得続けた彼はようやく、1つだけ手に入れるために進んだ。


絶対運命黙示録

グエル「剣で戦ったことは?」
スレッタ「やってみます!」

 きっとそんなやり取りがあっただろう、ミオリネを革命する力としてフェンシングをするスレッタ。決闘といえばやっぱり胸のバラを散らせた方の勝利、え、ただのフェンシングですって!? 胸の奥から剣を召喚しないの!? ナンテコッタ! これではファーストガンダム最終回だよ!(でもこの決闘はあっさり終わる)

 でもぶっちゃけ何で今決闘したのかといえば、色んな建前を取っ払うためなんだろう。大人になったからこそ子供の箱庭ゲームでしかなかった決闘を真摯に受け止めているグエル先輩。少し前にイカサマ使ってスレッタからもぎ取ったホルダーの証は、もう必要ないので返す必要もあったのだろう。自分の中にあるモヤモヤへのケジメだ。そんな自分を納得させるための一幕に「馬鹿か俺は」と気分晴れやかに愚痴るグエル君の株価は天元突破している。


人生はクソゲーだ

 セーブ不可。やり直しも出来ない。選択肢は無限大で攻略本もない。それが人生だ。ほんの少し間違えただけで酷いしっぺ返し。でも進むことを恐れて停滞したら成長もしない腐り堕ちるばかりの日々が待っている。賭博堕天録カイジの兵頭会長の台詞「命はもっと、粗末に扱うべきだ」とはよく言ったものである。ミオリネは大きな失敗を犯して怯えている。スレッタは、進んでも失ったこと、何も得ずとも進むことの尊さを説き、ミオリネの心を溶かした。

「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでいく」
「我らは雛だ。卵は世界だ」
「世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく」
「世界の殻を破壊せよ」
「世界を革命するために」

TVアニメ『少女革命ウテナ』より

 その壁が分厚くて容易く開くものだとするなら、今ミオリネは羽ばたいた。

 そして濃厚な手を握る描写、これは、暗喩だ! こいつらフェックスリリースしたんだ!!「ふふふ、フィックス!」「やめないか!!」


60%で最強

 プラントクエタにあった何かを回収すれば、60%の出力が100%になるらしい。現時点でも無双しているクワイエットゼロに伸び代がある悪夢! しかしそこはもぬけの殻。デリングは予期していた様子。というわけで進路目標が定まった=迎撃地点が先読み可能の好機。これを逃せばもうクワイエットゼロとまともに戦う機会は訪れないだろう。

 やっぱり欠点ありでも強力な機体だったキャリバーン、フィルター無しだが、要求されるスコアが割安のため戦えるギリギリまで上げられたら勝機あり。進む勇気と覚悟でどうにか到達したスレッタ、これで勝てる……のではなく、これでようやく勝負になるレベルという絶望。これより弱いスコアだと制御権をハッキングされるので勝負にならないのである。

 デミバーディングのフライトユニット部分は二人羽織の後ろ側。パーメット技術を使っていないため乗っ取りを回避できるみたいだが、その場合は目隠しで戦うマゾゲーに変貌するらしい。それでもまあ勝負にならないよりもマシだし、そもそもこの機体は戦うためではなく先行してクワイエットゼロに突入するためのものらしい。

「責任は大人に取らせなさい」

 ケナンジさんマジ大人。

シャディクと取引

 あー。これあれだ。なんやかんやシャディク以下5人のガールズ全員……


おねショタの波動を感じる

 デミバーディングの整備やトマトの遺伝子コードやら結構な活躍をするロウジ君。セセリアとのコンビは息のあったものだけど、ニカ姉とのやり取りはショタ成分マシマシで、これは言い逃れできないほどのおねショタ。まさかこんなところに癒やしがあるとは油断ならない。しかも影のあるキレイで可愛い頼りになる薄幸のお姉さんとか最高だ。


I will always be attached to you,miorine.

「私はいつでもミオリネのそばにいるよ」トマトの遺伝子コードにあった文字を並べたらこんな言葉になるらしい。トマトを大事にしてなかったら手に入らなかった、たしかに母からの愛を受けている証。祝福である。


機動戦士ガンダム 彗星の魔女

 魔女といえば杖かな? カエル入りの大釜かな? いいえ箒です! お掃除の時間だぁああああ! 一筋の白い光が舞い降りる。白く輝きバァーっと動く彗星は、箒を携え現れた。キャリバーン。長距離ライフルのような大型の筒が煌めく度に、数多くのガンドノードが光に還る。たった一機のキャリバーンにガンドノードは手も足も出ない。

 この武装の名は【箒星】だ、私がそう決めた。きっと正式名称が明らかになってもしっくりこなければこっちで覚えると思います。


ガンドノードのオプションだとぉ!?

 アーマーパック、アッシマーを感じる変形要素にビット型の隠し腕など、Zガンダム要素がちょいちょい散りばめられている気がして好き。無人機なのに超かっこいい! 水星の魔女イケメンMSランキング上位に食い込みますね。

ちなみに1位はダリルバルデ

2位はベギルベウという感じです。


初期機体乗り換えイベント

 ロボットアニメの定番、色んな機体パワーアップを経て、最後の最後に最初の機体という熱い展開。でもスレッタの機体はラスボスのエアリアルだから、これが出来るのはそう

 まだ鶏冠のあった頃のグエル先輩だ!!

 シャディク撃破時に爆散したダリルバルデはまだ使えない以上、用意できるのはシュバルゼッテかこの機体、ディランザ(グエル専用機)だけ。記念すべき1話であっという間にエアリアルにやられてしまっただけに、今回は雪辱戦と言えるだろう。


いまーはそ・の・時・じゃない!!

 シュバルゼッテ搭乗者は誰か? ラウダ君です。おいおいマジか、ミオリネ憎いからって他人も巻き込もうとしているぞ最悪だよ! 視野が思い切り狭窄していて危険な領域にいるラウダ君「まだ兄さんの影に囚われているのか」? 兄弟喧嘩をやるのは良いとして今じゃないんだわ! もう少し待ってくれ!


白い光で姉妹とロンドを

 白く染まった舞台。世界の命運をかけた姉妹の決闘が始まる。

 勝つのはエリクトこと世界を革命する力を持つエアリアルか。

 それともスレッタが駆る怪物キャリバーンか。どうなるんだ次回!

 え? ラウダ君? ごめん今忙しいんでお前は後!!! というか君はペトラの看病していなさい!!

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サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。