あなたになりたいRGB

ボーダーの作り方

先日、新聞を見ていたら、10代の頃時々遊んでいた友人のKさんが身体障害の当事者として記事中に出ていました。
すぐKさんである事はわかったのですが、「知り合いがテレビに出ている」という事以上に、彼女に身体障害があるということ、そしてそれを特に意識していなかった自分に気がついてとてもびっくりしました。

といっても、彼女に障害があることは、当時から歩き方や話し方で明らかだったので、100%気づいてなかったわけではありません。
けれども、私は彼女の特性を「歩くのがゆっくりな人」「言葉がつまりがちな人」としか認識しておらず、彼女に会う時はそれに合わせれば良いだけだったので、それが健常者と違うかそうでないか、障害の名前は何なのか…などと考えた事がなかったのでした。

その人は、何に属する何の人?

今の自分がそういう人と知り合ったらまず(直接本人には言わないにせよ)「足に障害があるのだろうな」と考え、それからその人に必要な配慮や、どこかで読んだ配慮の方法を知識として思い浮かべるでしょう。
年齢も経験も重ねているのだから、それは当然なのですが、10代の頃Kさんと会っていた時は別にそんなことは考えず、歩くのが大変そうだったら荷物を持つし、言葉に詰まっていたら待っていたし、友達として彼女と付き合う分にはそれで何の問題もありませんでした。私だけでなく周りの友人も同じような感じだったと記憶しています。

付き合う相手が障害者だとかそうでないとか、年上、年下だとか、国籍はどこだとか、そういうのを意識し始めるのはいくつくらいからなのでしょうか。私はそれを「無邪気な小学生くらいの頃は…」と思っていたけど、Kさんとは20歳くらいまで時々会っていたので、20歳くらいまではあまり気にしていなかったようです。
もちろん、Kさんが、そういった私たちの様子を良いと思っていたのか、もっと配慮して欲しいと思っていたのかはわかりませんが…。

あなたになりたいRGB

求めるものは人それぞれ

以前、車椅子に乗っている人にこんな質問をしたことがありました。
「車椅子の人が階段の前などにいた時、どのようにするのが良いんでしょうか」と。
質問した相手の答えは「人それぞれじゃない?」というあっさりしたものでした。
それを聞いた時、自分が「この人は車椅子ユーザーである」ということだけ考えて、その人自身の意思を考えていなかったことに気づき、とても恥ずかしかったのを覚えています。

よく考えたら私だって、自分が苦しい時に「メンタルに障害がある人はこういう風に配慮するのがいいんだよね」という前提から、そっとして欲しいのにかいがいしくお世話をされたり、相談をしているのにただただ傾聴されたりと、いかにも本か何かで読んだようなマニュアル対応(?)をされて、もどかしく思った場面が多々ありました。

手をつないでいる72

属性は個人ではないぞ

自分と他者の違いや背景を意識せず、まったくフラットに接するのはなかなか難しいかもしれませんし、マニュアル通りの配慮が必要な場面だってたくさんあります。
しかし、それがかえって個人としての他者を見えづらくしてしまいがちだという事は、意識して胸に刻んでおきたいです。
カテゴリや現状の立場なんて「現在地での持ち駒」に過ぎません。人は、他者から見てすぐにわかるような現在地だけでなく、もっともっとたくさんの過去や未来や見えない背景を持って生きているのですから。

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お知らせ

そんな私の次回参加イベントはこちらです。

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第二回・紙もの&手作りまつり

2019年9月22日(日) 11:00~16:00
入場料 300円(ワンドリンク付き)
会場 主婦会館 プラザエフ 2階 レストランF (エフ)
(JR四ッ谷駅より徒歩1分、東京メトロ 丸ノ内線より徒歩3分、東京メトロ 南北線より徒歩3分)

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今回の新作はこちら。2009年から買いていた自主制作の漫画作品を一冊にまとめました。日常の延長にある、見落としがちな感情を描いた短編6編+αの一冊です。よろしくね。

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