マガジンのカバー画像

ひとりごとエッセイ

96
考えている事、いろいろ。
運営しているクリエイター

#メンタルヘルス

その手紙をどこに投げるか(インタビューを受けた話)

その手紙をどこに投げるか(インタビューを受けた話)

特報でーす!!
弁護士ドットコムさんに弊フリーペーパー「ゾンビ道場」のインタビューが掲載されました。

創刊からの経緯や、自分の障害などの話をしています。石の上にも3年、フリーペーパーも10年ですね…。

ずっと続けていると、渡す先が減ったり増えたり変わったり。
一人でコツコツ作っている個人新聞ながら、社会の変化を感じます。

1号を出した頃から特に変わったなと思うのは、当事者が声を上げる事へのハ

もっとみる
生き残った人しか生きていない

生き残った人しか生きていない

ニュースを見たり、人の話を聞いていると本当に「何かが起こらないと問題提起はされないんだな」と思うことが多い。問題提起というか、問題にすらならないというか。
そういうきっかけがあるたびに非常にモヤモヤしてしまう。

私だってもちろん、普段からあらゆることに問題意識を持っているわけではない。だから、大声で人を批判できる立場ではないのだけど。

ちょうど10年くらい前、友達が立て続けに自死した時期があっ

もっとみる
居ることが許される場所

居ることが許される場所

先日の日記。
八王子の地域活動支援センター・パオの見学に伺う。

心の病を抱える人たちのアート活動に力を入れてる場所で、そのあたりのご縁で紹介して頂いたのでした。室内を丁寧に案内して下さり、漫画やゾンビ道場の感想もお伺いできて、嬉しいことしきり…。ありがとうございます。

メンタルの障害について、そこを取り巻く社会について、色んなお話をしたのだけど、その中で「病気になると、病院か家で療養して、次の

もっとみる
生活は交わっている

生活は交わっている

この日は終日、テキスト書き…。引き続き、「かいちぐ」のツイートを分類して、まとめる作業をしています。

最近、解離性同一性障害の人物が登場するドラマが続いているという噂を小耳に挟みました。しかも立て続けに、凶暴な人格とか犯罪に関わっているキャラクターの様子。
(と、伝聞形なのは、私はそういうのを見ると具合を悪くするので、見られないのです…)
当事者の方の日常の困りごととか、周囲からの誤解に困ってい

もっとみる
些細なことと、それが揺らす命について

些細なことと、それが揺らす命について

最近、スポーツ選手や著名人など、メンタルの問題をカミングアウトする人が増えました。
個人的には、いい風潮だと思ってるのですが、先日、うつ病をカミングアウトした大阪なおみ選手について「病気を出してくるのはずるい」「うつ病なら試合に出られるはずがない」とバッシングしている人が結構いると知り、げんなりしてしまいました。もし大阪選手がもっと症状を悪化させたあとカミングアウトしていたら、その人たちはこう言う

もっとみる
他の誰かを想う日に

他の誰かを想う日に

メリークリスマス!街中が浮き足立っているような年の瀬、皆さんはどんな風にお過ごしですか。そして、あなたの身近な人はどうでしょうか。
プレゼントやパーティ、デートなどなど、誰かを想う日だからこそ、考えてみたいことがあります。



最近、「どうしたらいいかわからなかった」という理由で起きた事件を、多く耳にするようになりました。
妊娠の相談ができずに乳児を殺してしまったとか、人に頼れず孤独死してしまっ

もっとみる
人の守り方について

人の守り方について

ここしばらく、障害や病気について当事者発の書籍をいろいろ読んでいます。

それぞれの困りごとや、言葉を知って「これまで失礼なこと言っていたかもなあ」とか「私は同じ病気ではないけど、わかるなあ…」とか、思うところ多々…。
私自身も、自分の話をまんが「解離性障害のちぐはぐな日々」やフリーペーパー「ゾンビ道場」で書いてきましたが、他の人の本を読んでいると、自分の作品とは何かが決定的に違うな、と感じること

もっとみる
誤解と理解の先にあるもの

誤解と理解の先にあるもの

またしても、週末のイベントのトーク内容についてのメモ。「理解」の経過に必ず立ちはだかる「誤解」についての話です。

誤解は絶対ダメ?

理解を促すことと誤解を招くことは真逆のようですが、今回の話を考えているうちに、誤解が必ずしも悪ではないんじゃないか?という気もしてきました。

今回テーマにしているのは「メディアで取り上げられるとき、偏見や誤解を受けがち」っていうことなのですが、テレビとかで取り上

もっとみる
理解するのは、誰?

理解するのは、誰?

イベントでのトーク内容を考え中。

今回は自分の話に加えて、エンタメやネタ的に障害が取り上げられることについて、どういう配慮が必要か?というような話をテーマにしています。
そこで考えるのは、理解を求める為の配慮…ということになると思うんですが、そのことについて。

理解する人される人いつも、障害や病気(に限らず理解が難しい関係で)理解を求める側だけでなく、求められる側の声も知りたいと思っているんで

もっとみる
その場しのぎでも、もしそれが希望なら

その場しのぎでも、もしそれが希望なら

イベントで話す内容を考え中。
こうして人前に出たり、解離性障害のことであれこれやっている時いつも思い出すシーンがあり、その話をぽちぽち書いてみました。

入院中の、中と外

「わかってもらえない」。この言葉は、日常的にいろんな患者さんから出ていました。
病院でなくとも他人に理解されないことで苦しんでいる人はたくさんいるけど、そういう人が集まってきたわけだから余計気になったんでしょう。

私が入院し

もっとみる
イラストを担当したのと、自分が怪しい話

イラストを担当したのと、自分が怪しい話

本が出来ましたよイラストを担当させて頂いた書籍「こちら、発達障害の世界より」の見本誌が届きました。
完成までの経過をツイッターで見ていたので感慨もひとしお…。
イラストは、表紙・カット共に、地図のない世界をご自身の手で「生きやすく」作っていく姿を描いています

当事者・支援者両方の立場を持つ著者 の言葉たちからは「 #発達障害 の世界」を知る…と同時に感じられる内容になっているという印象がありまし

もっとみる
「かいちぐ」発行から一年が経ったよ

「かいちぐ」発行から一年が経ったよ

先日、11月30日で「解離性障害のちぐはぐな日々」が出てからちょうど一年になりました。
初めての単著、しかも自分の話、ということで、出版後に何がどう変わるのかなあと思っていたけど、やっぱりこの一年はそれまでとは全然違いました。どう違うのかははっきり言えないけど、確実なのは、ものを見る目線が変わったということです。
世界に対する私の目線も、私から私への目線も、私から他者への目線も変わったし、また、他

もっとみる
ボーダーの作り方

ボーダーの作り方

先日、新聞を見ていたら、10代の頃時々遊んでいた友人のKさんが身体障害の当事者として記事中に出ていました。
すぐKさんである事はわかったのですが、「知り合いがテレビに出ている」という事以上に、彼女に身体障害があるということ、そしてそれを特に意識していなかった自分に気がついてとてもびっくりしました。

といっても、彼女に障害があることは、当時から歩き方や話し方で明らかだったので、100%気づいてなか

もっとみる
大丈夫という幻想

大丈夫という幻想

「調子はどうですか?大丈夫ですか?」

そう聞かれた時、あなたはとっさに何と答えますか?体調は良いけど不安がある、心配事はあるけど気持ちは前向き、気持ちは前向きだけど怪我をしている…など様々な状況がありますが、それはどの辺だったら「大丈夫」で、どのくらいだったら「無理」なんでしょうか。

「大丈夫ってことにする」本を出してから、インタビューやイベントで解離の話をするたびに、必ずと言っていいほど言わ

もっとみる