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ひとりごとエッセイ

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考えている事、いろいろ。
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#イラスト

「生きづらさ」という言葉の変遷

「生きづらさ」という言葉の変遷

2月11日、世田谷で行われている「みんなでかたろうひきこもり」というイベントにちょこっと出演させて頂きました。

私はオープニングトークで少し話をさせて頂いただけだったのですが、当事者の方や、支援者、ご家族の方からのお話を伺って、難しいなと思ったり、考えさせられたり…でもなんか、ほっとする日でした。
孤独な思いをシェア出来る場があること、その場を作った人がいて、そこに集う人もいて…という全体像が、

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2023!迷って困って助けられ

2023!迷って困って助けられ

年末年始、何かと忙しないですが大丈夫ですか?私はなんとも!

今年はなんだか、やりたい事と、やれない事を両手いっぱいに持って「どうしよう、どうしよう」と言い続けていた年だった気がします。

個人的な不安が湧き、身近なところで心配があっても、それを覆そうと顔を上げたところで、自分の住む国に良い希望が持てず、かといって世界に目を向ければ差別も戦争も止むことがなく、環境問題も山積み…。

自分に出来る事

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ビビりながら行こう

ビビりながら行こう

今日や明日や、目の前の生活をこなしながら暮らしてますが、ニュースで連日報じられているのは、ヘイトや戦争、貧困など決して明るくはない現実。
概ね平常運転な自分の日常と、それらの出来事のギャップに、時々「自分はどこを見ているんだろう」と言う気分になります。

世の中で起きていることを知らなければという気持ちと、しかし見るとしんどくなるなという気持ちが葛藤して、モヤモヤする日々。

ただ、そんな風に足踏

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人は未来にしか進めないので(Adoのライブに行った話)

人は未来にしか進めないので(Adoのライブに行った話)

9月17日、Adoのライブツアー「マーズ」横浜公演を見てきた。
ライブで見るのは2回目なんだけど、パワフルも繊細さも全力で表現するパフォーマンスは前回を明らかに上回っており、勢いのある進化に感銘を受けた。

一方、イラストを“アーティスト写真”とし、姿は見せず、「歌い手」という肩書きでアリーナツアーを満員にする彼女のスタイルを、なんとなく昨今のジャニーズと比較しちゃったりもして。
「もう“大きな力

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視野の外を知る(「ハンチバック」感想)

視野の外を知る(「ハンチバック」感想)

先日、芥川賞を受賞した作品「ハンチバック」を読みました。

前評判で「衝撃作!」とか「過激」とか言うのを聞いていたので身構えて読んだのですが、個人的には「痛快」と言う方が近い印象でした。

もちろん、重度身体障がいの重みは私には解り得ませんが、一応自分も障がい者であり、障がいのあるの知人も少なくありません。
その実感と併せて読むと、お上品でもやたらポジティブでもない形で綴られた日常に「よくぞ描いて

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私の中にもある因子

私の中にもある因子

配信で「“死刑囚”に会い続ける男」を見る。

[会い続ける男]がタイトルになっているけど、内容の中心は「彼」(=この監督であり、報道記者の西村匡史氏)ではなく、彼が面会を続けてきた様々な死刑囚の話だ。

犯行に及んだ背景は様々ながら、共通して感じたのは、他者との距離感の取れなさだった。人間関係というのは状況によって近づいたり離れたりするものだという事、また、自分と他者は別人だという境界が育まれてこ

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差別について役に立った考え方

差別について役に立った考え方

相模原のやまゆり園での殺傷事件から今年で7年になります。
何を書こう、と思ったんですが、最近、差別について向き合いやすくなった考え方があるので、描いてみることにしました。
かなりぬるい&大雑把な話ですが、大事なことかなと思っています。

酷いヘイターや、ガチガチの差別主義者の人の場合は、こういうレベルじゃないと思うんですが、日常の中で差別についてモヤっとした時、この考え方があると割と素直に、目の前

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生き残った人しか生きていない

生き残った人しか生きていない

ニュースを見たり、人の話を聞いていると本当に「何かが起こらないと問題提起はされないんだな」と思うことが多い。問題提起というか、問題にすらならないというか。
そういうきっかけがあるたびに非常にモヤモヤしてしまう。

私だってもちろん、普段からあらゆることに問題意識を持っているわけではない。だから、大声で人を批判できる立場ではないのだけど。

ちょうど10年くらい前、友達が立て続けに自死した時期があっ

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頑なに柔軟に

頑なに柔軟に

ネットは毒だなあ。

下の絵は、描いてからしばらく置いてあって、今はまたちょっと違う気持ちもあるんだけど、とりあえず掲載…。

違う意見の人とも話したい、話す事で私自身がはっとすることもあるかもしれないし…と思ってきたけど、そうしてジッ…と考えている間にも、たちまち火が燃え広がっていくのを目の当たりにしているような感じがしてきつい。

差別問題に携わる人からしばしば「とにかくすぐ指摘する事。肯定の

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そこに誰かはいるの、いないの

そこに誰かはいるの、いないの

入管法改定案が可決されたのを外出先から見ていた。暗澹たる気持ち。

しかし私自身の暮らしは明日からも変わらないだろう。難民として日本に来た人がどうなっていても。いまそのようにして日本に住む人がどうされても。
それを良しとしてしまう国に自分は生きている。生きる権利を選別する国に。「無意識のうちに加担する」と言うのはこういう事なんだよなと思う。

私が怖いのは、問題に対する対策として、排除を当然のもの

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手は2本しかないので

手は2本しかないので

しっかり考えてるから悩むのよ、という気持ちと、思索と知恵が足りないから悩んでしまうんだろうか、という気持ちがあります。
なかなかな。

ここから先が未来

ここから先が未来

嵐の二宮さんが、ご自身のYouTubeで「世界のサプライズ動画」を利用した…というのが話題になっていました。
アイドル好きな知人のRTでたまたま見つけたんだけど、瞬く間に大炎上していて、いやしかし、取り沙汰されて良かった、とも、ちょっと思った。

私はこのサービスは完全に人種差別で、いまさら説明するまでもないと思っているけど、気になったのはこれについて「このサービス(ビジネス?)を差別とみなす方が

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代わりのないその一部を

代わりのないその一部を

本の作業がまた少し進む。皆さんのツイートをまた見直して、これでいいのかな、このくらいに縮めようかな、いや、それをやってもいいのかな…などと逡巡。

そんな中、先日Twitterを見ていたら、まさに自分が考えている事に近いツイートを発見。思わず手を止める。

私の場合、当事者(自分)が別の当事者の話を聞く、という形だけど、当事者同士だから全てを解りあえるわけではない。
共感できるトピックが多いからこ

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少しずつ満ちて行く

少しずつ満ちて行く

阿佐ヶ谷で入管法改悪反対の抗議に参加。
弁護士やNPOの方、当事者の方のスピーチなどが行われていた。

路上での活動は、人の存在をダイレクトに感じるから何だかいろいろな気持ちになる。
チラシを積極的に配る人や立ち止まって話を聞く人もいるが、全然見向きもしない人や、面倒くさそうに目を伏せる人が大半。「私たちに生きる権利を」と訴える横を、友達とはしゃぎながら人が通り過ぎて行くのを見るのは胸が傷む。

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