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ひとりごとエッセイ

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#映画感想文

澄み切った色の先(TMGEの映画を見た話)

澄み切った色の先(TMGEの映画を見た話)

ミッシェル・ガン・エレファントの映画を見に行ってきました。

昨年末のチバさんの訃報に、実はすごいダメージを喰らっていて…。あれから数日間、自分でもびっくりするほど、日々呆然と泣いていました。
というわけで、弔問のような気持ちでテアトル新宿へ…。

映画は、ドキュメント的なものではなく、ほぼライブシーンのみ。リアルタイムで聴いていた頃の熱狂や高揚感、それから解散前の寂しさとか、自分の10代の感覚ま

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私の中にもある因子

私の中にもある因子

配信で「“死刑囚”に会い続ける男」を見る。

[会い続ける男]がタイトルになっているけど、内容の中心は「彼」(=この監督であり、報道記者の西村匡史氏)ではなく、彼が面会を続けてきた様々な死刑囚の話だ。

犯行に及んだ背景は様々ながら、共通して感じたのは、他者との距離感の取れなさだった。人間関係というのは状況によって近づいたり離れたりするものだという事、また、自分と他者は別人だという境界が育まれてこ

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世間と人とを隔てるものは(映画「不安の正体」の話)

世間と人とを隔てるものは(映画「不安の正体」の話)

先日。再び東京ドキュメンタリー映画祭へ…。
精神障害者の方のグループホームと、その建設を巡る反対運動との関わりを記録した映画「不安の正体・精神障害者グループホームと地域」を鑑賞。

当事者の方、ホームのスタッフ、建設に反対する地域住民の方の声に加え、弁護士や、ホームの運営会社、精神科の医師、さらには地域の不動産屋にまで取材をされており、とても丁寧にホームの運営と建設をめぐる状況が綴られていました。

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本は巡り、体験は連なる(映画「ポラン」のこと)

本は巡り、体験は連なる(映画「ポラン」のこと)

先日、古書店・ポラン書房の閉店を追ったドキュメンタリー「ポラン」を見にK'scinemaへ行ってきました。

私は以前、ポラン書房の近くに住んでいてよく足を運んでいました。閉店を見届けられなかったのが心残りだったので、こうして映画で見る事が出来て、本当によかった。

ポラン書房があった大泉学園には長いこと住んでいたので、良い思い出も苦い思い出もたくさんあります。そんな中、あのお店があったのは、今思

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