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ひとりごとエッセイ

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考えている事、いろいろ。
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#マイノリティ

そこに誰かはいるの、いないの

そこに誰かはいるの、いないの

入管法改定案が可決されたのを外出先から見ていた。暗澹たる気持ち。

しかし私自身の暮らしは明日からも変わらないだろう。難民として日本に来た人がどうなっていても。いまそのようにして日本に住む人がどうされても。
それを良しとしてしまう国に自分は生きている。生きる権利を選別する国に。「無意識のうちに加担する」と言うのはこういう事なんだよなと思う。

私が怖いのは、問題に対する対策として、排除を当然のもの

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同じ地平で呼吸をする(多様性について)

同じ地平で呼吸をする(多様性について)

オリンピックが始まりましたが、開催を直前に控え、開会式の音楽を担当する予定だった小山田圭吾さんが、過去に起こした暴力事件が問題となりその責務を辞任しました。
そこからの流れで、思ったことがあったので書きます。

最初に書いておくと、ここに書きたいのは小山田さんの話ではありません。「障害のある人にそんな暴力をしてはダメ」という論調についてです。

怒りは労りに変わらないのか報じられたのは、とても端的

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数少ない声について

数少ない声について

突然ですが、みなさんは社会においてご自身のことを多数派、少数派のどちらだと思いますか?それは自分で選んだことでしょうか。それとも、そうならざるを得なかったのでしょうか。

私はというと、学校を途中でやめていたり、職歴があやふやだったり、精神障害があったりという面では少数派ですが、身体的には健康だとか、配偶者が異性であるという点では多数派です。多くの人が、そのように少数派の面、多数派の面、両方持って

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治安と"健康"(映画「夜明け前のうた」について)

治安と"健康"(映画「夜明け前のうた」について)

先日、新宿K's Cinemaで障害者私宅監置についてのドキュメンタリー「夜明け前のうた -消された沖縄の障害者-」を見てきました。

精神や知的、時に身体障害の人をも「治安のため」という理由で小さな小屋や牢屋に閉じ込めて隠していたというかつての制度についてのドキュメンタリー映画です。(サムネイルがちょっと怖いですが…)

過去の話ではない
「許せない、ひどい過去だ」という気持ちになるかなと思って

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