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ひとりごとエッセイ

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#障害者

世間と人とを隔てるものは(映画「不安の正体」の話)

世間と人とを隔てるものは(映画「不安の正体」の話)

先日。再び東京ドキュメンタリー映画祭へ…。
精神障害者の方のグループホームと、その建設を巡る反対運動との関わりを記録した映画「不安の正体・精神障害者グループホームと地域」を鑑賞。

当事者の方、ホームのスタッフ、建設に反対する地域住民の方の声に加え、弁護士や、ホームの運営会社、精神科の医師、さらには地域の不動産屋にまで取材をされており、とても丁寧にホームの運営と建設をめぐる状況が綴られていました。

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同じ地平で呼吸をする(多様性について)

同じ地平で呼吸をする(多様性について)

オリンピックが始まりましたが、開催を直前に控え、開会式の音楽を担当する予定だった小山田圭吾さんが、過去に起こした暴力事件が問題となりその責務を辞任しました。
そこからの流れで、思ったことがあったので書きます。

最初に書いておくと、ここに書きたいのは小山田さんの話ではありません。「障害のある人にそんな暴力をしてはダメ」という論調についてです。

怒りは労りに変わらないのか報じられたのは、とても端的

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治安と"健康"(映画「夜明け前のうた」について)

治安と"健康"(映画「夜明け前のうた」について)

先日、新宿K's Cinemaで障害者私宅監置についてのドキュメンタリー「夜明け前のうた -消された沖縄の障害者-」を見てきました。

精神や知的、時に身体障害の人をも「治安のため」という理由で小さな小屋や牢屋に閉じ込めて隠していたというかつての制度についてのドキュメンタリー映画です。(サムネイルがちょっと怖いですが…)

過去の話ではない
「許せない、ひどい過去だ」という気持ちになるかなと思って

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誰かの口を塞ぐ手がある

誰かの口を塞ぐ手がある

先日、こんな記事を見かけました。

私はTwitterでこの記事を見たのですが、ついている一連のリプや引用RTにかなり衝撃を受けました。
「突然行って、車椅子対応をしてくれなんて我儘だ」というコメントが多かったのです。
中には「こんな無茶振りに対応してくれだなんて、障害者さまは特別なのかよ」というような言葉も。
正直、これらのコメントを見てから今に至るまでずっとモヤモヤしています。

「障害」はど

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ボーダーの作り方

ボーダーの作り方

先日、新聞を見ていたら、10代の頃時々遊んでいた友人のKさんが身体障害の当事者として記事中に出ていました。
すぐKさんである事はわかったのですが、「知り合いがテレビに出ている」という事以上に、彼女に身体障害があるということ、そしてそれを特に意識していなかった自分に気がついてとてもびっくりしました。

といっても、彼女に障害があることは、当時から歩き方や話し方で明らかだったので、100%気づいてなか

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