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ひとりごとエッセイ

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考えている事、いろいろ。
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推し活と消費と終わらないお祭り

推し活と消費と終わらないお祭り

ここ数年「趣味の推し活が楽し〜」というのを私はあちこちで言ってますが、最近、疑問を感じることが増えてきたので、ここに書いてみることにしました。
作品本体ではなく、その消費についてです。
(こんな話もう識者の人が語っとるわ!って話かも。そう思ったらそっと見守ってあげてください)

大体どのコンテンツにも、グッズやイベントなどがありますが、ある程度の規模や人気があるとその数がかなり頻繁になってきます。

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最近の美術展いろいろ…

最近の美術展いろいろ…

更新頻度がめっきり減ったのは、ゾンビ道場を書いているからです!
私はある時気づいたのです。ここに漫画を書き続けていると、ゾンビ道場の作業が進まなくなるということに──。

というわけで、ここしばらくで見た展示の感想を書きます。ちなみに全て会期は終わっています。いつも行くのが、ギリギリなんだぜ…。

もじイメージgraphic展 (21_21Design sight)

60〜80年代ころのグラフィ

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「こわれ者の祭典」のこと

「こわれ者の祭典」のこと

依存症専門オンラインメディアAddiction Reportさんで、こんな記事がアップされていました。

月乃光司さんは、心身障害者パフォーマンス集団「こわれ者の祭典」主催の方です。
私はかつて「こわれ者の祭典」にかなり人生を救われていたので、久々にその名前をメディアで見て、おおっ!と嬉しくなってしまいました。

私が、このイベントに出会ったのは20歳くらいの頃。
もともと出演者の友人だったのが始

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「生きづらさ」という言葉の変遷

「生きづらさ」という言葉の変遷

2月11日、世田谷で行われている「みんなでかたろうひきこもり」というイベントにちょこっと出演させて頂きました。

私はオープニングトークで少し話をさせて頂いただけだったのですが、当事者の方や、支援者、ご家族の方からのお話を伺って、難しいなと思ったり、考えさせられたり…でもなんか、ほっとする日でした。
孤独な思いをシェア出来る場があること、その場を作った人がいて、そこに集う人もいて…という全体像が、

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澄み切った色の先(TMGEの映画を見た話)

澄み切った色の先(TMGEの映画を見た話)

ミッシェル・ガン・エレファントの映画を見に行ってきました。

昨年末のチバさんの訃報に、実はすごいダメージを喰らっていて…。あれから数日間、自分でもびっくりするほど、日々呆然と泣いていました。
というわけで、弔問のような気持ちでテアトル新宿へ…。

映画は、ドキュメント的なものではなく、ほぼライブシーンのみ。リアルタイムで聴いていた頃の熱狂や高揚感、それから解散前の寂しさとか、自分の10代の感覚ま

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刺激に飲みこまれないように

刺激に飲みこまれないように

具体的に何をしていたかというとただ“バタバタしていた”という印象なのですが、なんだかんだ今月はよく人に会った気がします。

色々な社会問題について気になること・憤ることはありつつ、心身の調子が良くなかった昨今。若干の後ろめたさと共に「継続して抗議行動などを続けられる人は、なんでそんなふうでいられるんだろう」と思っていました。
そこで先日、具体的な活動を続ける友人へ、そのモチベーションを尋ねたところ

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2023!迷って困って助けられ

2023!迷って困って助けられ

年末年始、何かと忙しないですが大丈夫ですか?私はなんとも!

今年はなんだか、やりたい事と、やれない事を両手いっぱいに持って「どうしよう、どうしよう」と言い続けていた年だった気がします。

個人的な不安が湧き、身近なところで心配があっても、それを覆そうと顔を上げたところで、自分の住む国に良い希望が持てず、かといって世界に目を向ければ差別も戦争も止むことがなく、環境問題も山積み…。

自分に出来る事

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ビビりながら行こう

ビビりながら行こう

今日や明日や、目の前の生活をこなしながら暮らしてますが、ニュースで連日報じられているのは、ヘイトや戦争、貧困など決して明るくはない現実。
概ね平常運転な自分の日常と、それらの出来事のギャップに、時々「自分はどこを見ているんだろう」と言う気分になります。

世の中で起きていることを知らなければという気持ちと、しかし見るとしんどくなるなという気持ちが葛藤して、モヤモヤする日々。

ただ、そんな風に足踏

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その手紙をどこに投げるか(インタビューを受けた話)

その手紙をどこに投げるか(インタビューを受けた話)

特報でーす!!
弁護士ドットコムさんに弊フリーペーパー「ゾンビ道場」のインタビューが掲載されました。

創刊からの経緯や、自分の障害などの話をしています。石の上にも3年、フリーペーパーも10年ですね…。

ずっと続けていると、渡す先が減ったり増えたり変わったり。
一人でコツコツ作っている個人新聞ながら、社会の変化を感じます。

1号を出した頃から特に変わったなと思うのは、当事者が声を上げる事へのハ

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人は未来にしか進めないので(Adoのライブに行った話)

人は未来にしか進めないので(Adoのライブに行った話)

9月17日、Adoのライブツアー「マーズ」横浜公演を見てきた。
ライブで見るのは2回目なんだけど、パワフルも繊細さも全力で表現するパフォーマンスは前回を明らかに上回っており、勢いのある進化に感銘を受けた。

一方、イラストを“アーティスト写真”とし、姿は見せず、「歌い手」という肩書きでアリーナツアーを満員にする彼女のスタイルを、なんとなく昨今のジャニーズと比較しちゃったりもして。
「もう“大きな力

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正しくなさを抱く。熱い。

正しくなさを抱く。熱い。

思うことを人に話し、しかし話すとものすごく基本的な知識を知らないことに気づいて恥ずかしくなったり…そういうことがなんとなく続いた。
「うわっ、話さなければよかった!」と一瞬思うが、知ったかぶりをする自分を想像すると、余計恥ずかしい。「これは通過すべき“恥”なのだわ」と胸に刻む…。精進します。

ネットに溢れるヘイトの酷い言葉に日々辟易しており、そんな話を人とした。
こういう言葉を見る時大体、私が思

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視野の外を知る(「ハンチバック」感想)

視野の外を知る(「ハンチバック」感想)

先日、芥川賞を受賞した作品「ハンチバック」を読みました。

前評判で「衝撃作!」とか「過激」とか言うのを聞いていたので身構えて読んだのですが、個人的には「痛快」と言う方が近い印象でした。

もちろん、重度身体障がいの重みは私には解り得ませんが、一応自分も障がい者であり、障がいのあるの知人も少なくありません。
その実感と併せて読むと、お上品でもやたらポジティブでもない形で綴られた日常に「よくぞ描いて

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私の中にもある因子

私の中にもある因子

配信で「“死刑囚”に会い続ける男」を見る。

[会い続ける男]がタイトルになっているけど、内容の中心は「彼」(=この監督であり、報道記者の西村匡史氏)ではなく、彼が面会を続けてきた様々な死刑囚の話だ。

犯行に及んだ背景は様々ながら、共通して感じたのは、他者との距離感の取れなさだった。人間関係というのは状況によって近づいたり離れたりするものだという事、また、自分と他者は別人だという境界が育まれてこ

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差別について役に立った考え方

差別について役に立った考え方

相模原のやまゆり園での殺傷事件から今年で7年になります。
何を書こう、と思ったんですが、最近、差別について向き合いやすくなった考え方があるので、描いてみることにしました。
かなりぬるい&大雑把な話ですが、大事なことかなと思っています。

酷いヘイターや、ガチガチの差別主義者の人の場合は、こういうレベルじゃないと思うんですが、日常の中で差別についてモヤっとした時、この考え方があると割と素直に、目の前

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