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40mmのレンズが載った、RICOH GRⅢx

RICHO GRⅢに40mmのレンズが搭載されたモデルが発表された。その名もGRⅢxである。アップルやキャノンの新製品発表を差し置いて、それは何よりも嬉しいニュースだった。GRⅢときたら次はGRⅣのはずなのだが、そこに行かなかったのは「GRⅢが時間をかけて完成度を上げて作ってきたカメラである」からと商品企画の岩崎さんは述べている。発売されて2年半経つが、今回はそんなGRⅢをベースにラインナップを広げるかたちでの展開となった。

これは一気にユーザーが増えそうな予感がする。長年のファンは28mmであることに意義を覚えているが、40mmは新たなコンパクトファンにリーチするからである。従来のファンの中にも、35mmや50mmのような標準域を期待する声は多かった。僕もそのひとりで、GRが35mmだといいのにと何度思ったことか。でも心の中のどこかでGRはそんなことはしない、28mmであることこそがGRのアイデンティティだろうという思いがあった。だから余計に今回の発表はサプライズだった。今40mmという焦点距離は、ハイエンドコンパクトカメラクラスで他に無い気がする。

岩崎さんの「昔のコンパクトなフィルムカメラを思い浮かべる方もいらっしゃると思います」という言葉がまさにその真意を突いている。そうそう。僕たちはコンパクトフィルムカメラのような距離感のデジタルをずっと待ち望んでいたのだ。

40mmというとコンタックスT2の38mmや、SIGMA DP2 Merrillの45mm相当を連想してしまう。(ちなみにDP2xは41mm)あるいはビッグミニFの35mmだろうか。何れも銘機ばかりである。50mmは少し狭く、35mmだと普遍的にすぎる中、40mmは絶妙で新鮮だ。デイリーなスナップや、日常生活を撮るには最高に使いやすい焦点距離だと思う。

もちろん感じ方によってはその焦点距離を半端に捉える人もいると思うが、それは単に40mmレンズが市場に少ないからではないだろうか。

レンズ設計やイメージセンサーはGRⅢを継承しているため、変わらず高い描写力を期待できる。マクロも12cmまで寄れる。

あのコンパクトさと機動力に40mmが載っているなんて、ああ使ってみたくなってきた。

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RICOH GR Ⅲの使い方や特徴を解説し、作例写真と共に紹介します。プロのフォトグラファーから見た印象と、撮影や設定のちょっとした小技も…

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