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GR3の描写性

GR3の描写に関して感じることは、素直な色彩表現をするということである。

誇張もなければ、謙遜もない。

ただ素直な色の表現をしてくれる。

それはデジタル1~4世代の頃からもともと感じた傾向ではあったが、新型GR3に関してますます画質がアップし、再現性がよくなったと感じる。センサーサイズが大きくなったことと、センサーそのものの性能が向上したためだろう。

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僕はカメラの色彩表現を確かめるために、よく夕暮れや明け方の空を撮る。

その絶妙なグラデーションや、空気感を写し取れるかを確認するのにうってつけの被写体だからだ。

青、群青、オレンジ、赤、そして雲の白。

そのあたりの描き方を見れば、そのカメラがどういう色彩表現の特性を持っているかだいたい理解できる。

GR3は換算28mmという画角も相まって、そのダイナミクスを誇張もせず、謙遜もせず、見事にかき出してくれる。

iPhoneを持っている方は撮り比べてほしい。もちろん最近のiPhoneも同じくらい上手い描き方をする。だけど、撮ってみると光学的なレンズとAPS-Cセンサーのリッチさを体験することになるだろう。

以前書いた設定で撮影している。

この記事に掲載する写真は全て、周辺光量補正なし、JPG撮影、色補正・トリミングなしで1500pxで書き出したものである。

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オートホワイトバランスの傾向としては、時おりブルーに寄る傾向がある。

特に色数が少ない画面の、晴天時、屋内時にその傾向は現れるようだ。

逆に、上記の写真のような色数の多い時は、総合してとても良好な再現をしてくれる。全く後処理の必要のないレベルだ。

1枚めの写真のハイライト上限は卵の白、そして2枚めは靴の白が最も白色度は高い。

デジタル写真においては、最も暗い部分と、明るい部分が同じ画面に入った時に両者をどこまで表現できるかが、そのカメラの色彩表現性能(フィルムで言えばラティチュード)を決める。

その点で言うと、GR3のハイライト側は結構粘る。

おそらく昔のデジタルシリーズであれば、この玉子とスニーカーの白は飛んでいるはずだ。

さて、デジタルが最も苦手とする赤の表現についてはどうだろうか。

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