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食べたものでできている。食べたものを書いている。

GWみなさん、いかがお過ごしですか。

ことしも故郷に帰って、のんびりと過ごしています。


🏠実家ごはん

実家に帰る日が近づいてくると、母との電話では、帰省してまず最初の夕飯になにを食べるかという話題になります。

自分から特にあれが食べたい、これが食べたいといいだすわけではなく、かといって母が積極的に訊いてくるという感じでもなく、自然とその話になっているように思います。

ふたりとも料理すること、食べることが好きなのに、いっしょに食事したり料理したりすることが日常は叶わないので、おのずとそういう話になっているのかもしれません。共通の趣味、共感できる話題ってやっぱり話が弾みますからね。

📒noteも4年目に

ことしでnoteにみずからの料理記録を残すようになって、早や4年目。いつの間にかその記事も500本を超えました。

最初の頃は書きたいことをひたすら書いて、それでもらえる反応が嬉しくて、また書く、また書く、また書く。そんな感じで、ただただ書き続けてきましたが、ある時期から記事を書くときに感じるようになったことがあります。

そのひとつは、料理というテーマは無限だなぁということ。そもそも500本もの記事をひとつのテーマで書けたということが、その証でしょう。

食事は毎日の行為です。朝、昼、晩、1日3食が1ヶ月経てば90食。その大半が自炊。このテーマを選んだことで、いつもなにかしら常に、自分のnoteのネタは生まれ、蓄積し続けている気がします。

☺食事がつくる体と記憶

そしてもうひとつ。これは書き続けてきたからこそ気づいたことなのですが、記事の中で子どもの頃や学生時代の想い出を振り返ることが多いなぁと思っています。

たとえば、コロッケの形。

おにぎりの形。

オムライスがくれたきっかけ。

お弁当のお気に入り。

食べるという行為を毎日くり返して、人が暮らし、育ってきたのだとしたら、それに伴う記憶は日々累積されていくのが当然の帰結。あの日食べたもの、食べたシーンが、連鎖するようにその人の記憶から呼び覚まされることも、あって然りです。

あなたはあなたが食べたものでできている。

そんな感じのキャッチコピーを使ったCMがありましたが、まさにそうだと思います。このフレーズ、かなり好きなんですよね。

子どもの頃の好物を思い出すと、それって小学生の頃から社会に出るまでの期間だけに絞っても、何回くらい食べているでしょう。自分の体の一部をつくってきてくれたといっても、過言ではないと思います。そして記憶はその蓄積なのかもしれません。

👩おふくろの味

今回の帰省でも、初日の夕飯は母が我が子の好きなものを用意して待っていてくれました。それは普段着の料理で、懐かしい味。いわゆるおふくろの味というメニューです。

🥩牛肉のしぐれ煮

甘辛い味付けで牛肉を炊いたひと品は、学生の頃のお弁当の記憶に繋がります。いまになって振り返ると、お肉が牛なので関西ならではの定番おかずなのかもしれません。

🌿筍の木の芽和え

これはこの季節ならではの味。筍は水煮なら年中手に入りますが、実家で毎年炊くのは、親戚が送ってくれる生の筍を使っています。そこにからむ山椒の、華やかで鮮烈な自然の香り。ちょうど地元のお祭の時期なので、このメニューが食卓に並ぶと、お神輿の風景を思い出します。

🌿ほうれん草の胡麻和え

 

子どもの頃は苦手だったメニューです。なにがだめだったかというと、ごまが嫌いでした。なので母はいつも自分の分だけ、ごま抜きで辛子和えにしてくれていたのを思い出します。

🥚だしまき玉子

毎日のお弁当にいれてくれていた、甘い玉子焼きとは別に、たっぷりのだしを加えてふわふわに焼き上げるだし巻きは、お正月のおせちにはいったり、お祭りの日の食卓のときだけ出てくる特別な卵料理でした。自分でつくってみることもあるのですが、水分の多い卵をうまく巻き上げるのにはいつもひと苦労。これを手早くまとめる母の技術には、熟練の技を感じます。

🏠記憶の中の好物たち

シンプルで素朴なメニューかもしれませんが、こうしてひと品ひと品を見ると、それぞれの料理に想い出があることに気づきます。自分の身体も記憶も、その一部は実家の料理でつくられているんだなと、あらためて思いました。

いつの間にか自然と料理をするようになって、そんな記憶の中のメニューには助けられてきました。

というのも、なにをつくろうかな、なにを食べようかなと考えるとき、その軸になってくれるのが、子どもの頃の好物だったりします。

🔪実家でつくる自分レシピ

母の味を楽しみに帰省する反面、帰省中は実家でごはんをつくる日もあります。

母がふだん自分でははつくらないものを食べてみたい、つくりかたを知りたい、といってくれるのに応えるという面もありますが、やっぱり自身の料理したいという気分が動機だったりもします。

この日は前日見ていたテレビの影響で、中華にしようということに。ふだんあまり中華っぽいメニューをつくることは少ないという、母からのリクエストです。

冷蔵庫にはいっている野菜をチェックしたら、キャベツがたっぷりあったので、メインは回鍋肉に決まりました。

まずは豚バラ肉を茹でるところからスタートです。

茹でつつおつまみというか小鉢というか、サラダ的なひと皿も中華風です。

🥗春雨サラダ

🔪材料(3〜4人分)
・春雨…1パック
・きゅうり…1本
・玉ねぎ…1/2個
・にんじん…1本
・塩…適量
・ハム…2枚
・醤油…大さじ1.5
・酢…大さじ1
・砂糖…大さじ1
・おろししょうが…小さじ1
・ごま油…大さじ1
・こしょう…ひとつまみ

にんじんは千切り、玉ねぎときゅうりは薄切りにして塩を振って30分。

野菜の水気をしっかり絞って、茹でて冷水で冷やした春雨を加えます。

醤油、酢、砂糖、こしょう、おろししょうが、ごま油を合わせたたれでよく和えます。

冷蔵庫でしっかり冷やして、食べるときに刻んだハムを散らしました。

🌶麻婆豆腐

ふた品目は麻婆豆腐。汁物的な感覚でもいただけるので、メインの回鍋肉に添えると、バランスもいいかなと思います。

🔪材料(3〜4人分)
・豆腐…2丁
・茹で豚…適量
・豚の茹で汁…適量
・玉ねぎ…1/2個
・にんじん…1/2本
・しいたけ…2個
・にんにく…1片
・しょうが…1片
・豆板醤…小さじ2
・合わせ味噌…大さじ1
・砂糖…小さじ1
・醤油…大さじ1
・みりん…大さじ1
・花山椒…適量
・ねぎ…適量

茹で豚を刻んで、みじん切りにしたにんにく、しょうが、玉ねぎ、にんじん、しいたけと一緒に炒めて、豆板醤を加えます。

からめながら炒めて、合わせ味噌に醤油、砂糖、みりんも追加。

豚バラの茹で汁を加えて煮込みます。

ぐつぐついい感じ。

お豆腐はキッチンペーパーに包んで水切りしておいたものを使います。

木綿豆腐を使う手もありますが、今回は実家の冷蔵庫にあったのが絹ごしでした。個人的には水切りした絹ごしのほうが、食感がなめらかなので好みです。

仕上げに花山椒をたっぷり振って、香り豊かに。山椒のしびれる感じ、クセになりますよね。

青ねぎを飾ると、彩り鮮やかに仕上がります。麻婆餡の赤、豆腐の白、ねぎの緑。中華なのにイタリアンカラーですね。

そしてメインは回鍋肉。

🥬回鍋肉

薄切りの豚バラでもいいのですが、今回は時間もあるので、茹で豚を使ってつくります。

そういえば回鍋肉の回るという文字、その意味を知ったのは、noteの記事を書こうとして色々調べたおかげでしたね。

🔪材料(3〜4人分)
・茹で豚…適量
・キャベツ…3枚
・ピーマン…1個
・にんじん…1/3本
・甜麺醤…大さじ1
・合わせ味噌…大さじ1
・醤油…小さじ1
・砂糖…小さじ1
・みりん…小さじ1
・おろしにんにく…適量
・おろししょうが…適量
・こしょう…ひとつまみ

甜麺醤、合わせ味噌、砂糖を醤油とみりんでのばして、おろしたにんにくとしょうがを加えてたれをつくっておきます。

油を熱したフライパンにキャベツを敷き詰めるように広げて、豚肉とピーマン、にんじんを散らしたら、動かさずにじっくりと焼きます。

焼色がついたら底から持ち上げるように返して、反対面にもしっかり焼色を。この香ばしさが、味のアクセント。フライパンの中で忙しく具を動かして炒めるのではなく、じっくり焼くイメージです。

両面焼けたら、たれをいれてこしょうを振ります。

全体にからめるように炒めて、仕上げ。

素材としてのキャベツそのものの甘みと、焼色の香ばしさがおいしい回鍋肉が完成しました。

🏠久しぶりのうち中華

母にとってはひさしぶりのうち中華だということで、喜んでくれてよかったです。

ただ麻婆豆腐はちょっと辛すぎたみたい…。おいしいけど、汗出るわ、といってました。自分がわりと辛いものは平気なので気にしていなかったのですが、母にいわせるとこれは激辛だということでした。次つくる機会があれば、ちょっと手加減しますね。

☺食べたものを書いている

実家の味、自分の味。帰省中は、こんなふうにつくってもらったり、つくったり。これをくり返して、日々のごはんを食べて過ごします。

自分の体をつくるものが、自分の食べたものだとしたら、それは成長期を遥かに過ぎたいまも、積み重ね続けられてゆきます。

食べるものをつくって、それを記事にしているというのは、まさに自分の体の歴史、その記録なのかもしれません。

わたしは自分の食べたものでできていて、食べたものを書いて、そのときを積み重ねて早や4年目になりました。それだけの年月、このnoteを続けてこられたのも、テーマに食事、料理という毎日の行為を選んだからなんだろうなと思いつつ、故郷の休日を過ごしています。

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