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食べたいと食べたいが重なったらぶっかけうどんになっていた。

食べたいものは突然、頭に浮かびます。

それはもしかしたら、きのうテレビで見たなにかかもしれないし、きょうSNSで流れてきたポストの写真に影響されたのかもしれない。

はたまたなにかの拍子に、子どもの頃食べたおうちごはんがよみがえってきたのかもしれません。


💡きょうの食べたいもの

その日最初に頭に浮かんだのは、ちくわでした。

といってもおでんのような煮物でもなければ、そのまま食べるのでもなく、穴にチーズやきゅうりをつっこむのでもありません。とくれば。

そう、磯辺揚げです。ちくわにたっぷり青のりのはいった衣を付けて、カラッと揚げるあれ。かりかり揚がった衣をかじれば、ふわっと青のりの香りが漂い、中からもちっとしたちくわが顔を出す。おいしいですよね、うん、食べたい。

そうなると脳内はちくわでいっぱい。ちくちくちくちく、ちくわちくわちくわ。そんな調子で夕方まで過ごした頃。また頭に浮かぶメニューが現れました。

牛肉のしぐれ煮。

懐かしいです。これが浮かんだのは間違いなく子どもの頃の記憶が呼び覚ましたもの。あの日あのときのお弁当のエースです。

ちくわの磯辺揚げに、牛肉のしぐれ煮。よし、今夜は和食のおばんざいを並べるぞ。そんな気分で家路を急ぐ夕方。牛肉は冷凍してある、でもちくわは家にない。これは買わなきゃ。足はスーパーへの道を急ぎます。

🍜こんなメニューになりました

その結果。今夜の晩ごはんは…。

あれ。あれれれれ。

なんでしょう、これは。ちくわの姿。見えますね。牛肉の姿、見えますね。でも、おばんざいが並んでるわけではないですね。ひと皿に集合してます。

そう、スーパーで見つけてしまったんです、というか目にはいってしまいました。これが。

うどんです、うどん。

ちくわを揚げて、牛肉のしぐれ煮、そこにうどん。これが揃えばこうなります。

というわけで今回は、ちく天でぶっかけうどんな感じにしてみたお話です。

🍜お腹すいたからつくります

🥩牛肉のしぐれ煮

まずは懐かしの牛肉メニュー。しぐれ煮づくりからスタート。

お鍋に牛肉の薄切り、砂糖、醤油、みりん、千切りのしょうがをいれます。

あとはこれを加熱するだけ。

味をからめながら煮て、お肉に火がはいればできあがりです。これは白ごはん、今回のようにうどん、もちろんビールのお供にも、なんでも合う万能おかず。お肉の旨味の出た煮汁もあとで使うので、捨てません。

🍤ちくわの天ぷら

続いてきょうのメニュー誕生のきっかけ、ちくわ。

縦半分に切って、水で溶いた天ぷら粉をからめます。

思いついたときは、青のりたっぷりの衣で磯辺揚げにするつもりでしたが、うどんのトッピングにすることになったので、今回は青のりなし、そのままの衣で揚げることにしました。

そのまま食べられる素材なので、火通りは気にせず、衣をからりとさせることに注力。

ちくわって揚げるとふくらみますよね。揚げてると、なんだか得した気分になることがあります。

でも、油を切ってる間にしぼんでいくので、元どおりなんですけどね。

🧅衣の残りも使います

ちくわの天ぷらを揚げたあと、ボウルに衣が残ってます。これを無駄にはできません。さあ、どうするか。

玉ねぎ、ねぎ、梅干しとみりんで漬けた自家製のガリ風のしょうがを刻みます。

これをボウルに残った衣にからめます。

スプーンですくって、熱した油にそっと投入。油跳ねには十分注意して、そっとタネをすべらせます。

高温で揚げて、底が固まったら途中でひっくり返して、両面を色よく揚げます。

かき揚げにすると、残った衣を余すことなく使えて、エコかなと思います。

ちく天、かき揚げ、もうこれでうどんがおいしくなるのは確約です。

🍜さあ、盛り合わせます

茹でてから、しっかり水切りしたうどんをスタンバイ。さあ、ここから一気に盛り付けます。

まずは牛肉のしぐれ煮。お肉を盛り付けたら、煮汁もそのまま注ぎます。これがめんつゆ代わり、味付けのカギ。

ちく天、かき揚げも盛り付けます。ボリュームありますね。

真ん中に卵黄をぽん。刻んだおねぎもトッピング。

小鉢が並ぶはずだった食卓が、ひとつにまとまった豪華なぶっかけうどんに変身した瞬間です。

もうあなたは、この瞬間の生き証人。目にしましたね、おいしそうなこのひと皿。

😋食べたいと食べたいが積み重なった

まずはうどんをずずずずずっ。味付けは牛肉をしぐれ煮した甘辛だれ。おいしい。うん、おいしい。うどんに合わないわけがありません。お肉もひと口。懐かしや、おいしや。

続いてかき揚げ。玉ねぎの甘味と、梅肉風味のしょうがのアクセントがいい。かき揚げならではのよさは、崩れはじめたら麺によくからむところです。

さあ、続いて本日のきっかけをつくってくれた、ある意味きょうのメインであり功労者の登場です。

恋い焦がれたちく天をぱくり。麺類に載せる天ぷらの王様はエビだと思うんですけど、天ぷらになった、ちくわの名バイプレイヤー感ってすごくないですか。しかもお財布に優しいし。

そして次はいよいよ。いよいよです。

必殺、卵黄崩し。

もちろん!うどんにからめます。

ずずずずずっ。

卵黄って、なんでこんなにまろやかなんでしょう。そして濃厚。

そして卵黄と混じるしぐれ煮のたれ。すき焼きを思い出す、甘辛く濃厚でお肉の旨味が染み出たたれと卵、もう無敵です。 

ふと頭に浮かんだちく天が、こんな進化をするなんて思いもしませんでした。たまたま目にはいったうどんもいい仕事しました。そしておつまみになるはずだったしぐれ煮はその煮汁まで、うどんの味付けに活躍するというミラクル。

食べたいと思ったものの積み重なって生まれたひと品なので、満足なことしきり。

今晩なににしようかなぁ、そんなふうにメニューに悩む日もあるというのに、たまたま浮かんだ料理がひとつになって、メインに育つ。こんなこともあるんですね。これも献立を考える面白さだなとあらためて感じた一食でした。

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